これより下記の「政策提言」等のコラムは、東日本大震災以前に執筆したものです。

このような「政策提言」等を、昨年段階から各方面に働きかけていた矢先に、地震が発生しました。
(例えば、下記のように、国土交通省系の雑誌「建築技術」で、一昨年12月(昨年1月号)段階で「太平洋側の地震発生確率が驚異的に上昇」したことを、昨年3月(4月号)段階では特に「東日本の地震活動度が異常」であることを報告し、そのことから、現行の「地震の基準(耐震基準)」では低すぎることを説明しています。)
本来このような「政策提言」は大地震に備えるものであり、大地震発生までに実現していなければ意味のないもので、失われた多くの人命と、発生した甚大な被害を思えば、非常に痛恨事であります。

「建築技術」2010年1月号特別記事 「震度6弱以上の地震発生確率の驚異的上昇とその建物被害
 この特別記事では、東日本大震災の1年以上前の、一昨年12月(昨年1月号)段階で「太平洋側の地震発生確率が驚異的に上昇」したことを報告しています。
「建築技術」2010年4月号特別記事 「大きな節目の年、耐震基準の引き上げへ
 この特別記事では、「太平洋側の地震発生確率が驚異的に上昇」に加えて、昨年3月(4月号)段階で「東日本の地震活動が異常である」ことを説明し、さらにそのことから、現行の「地震の基準(耐震基準)」についても低すぎることを説明しています。
 それを受けて昨年末(今年1月号)から「耐震基準」改正について、以下のように連載していました。
「建築技術」2011年1月号連載1 「『耐震基準』を歴史的視点から見直す」
「建築技術」2011年2月号連載2 「『耐震基準』改定は喫緊の課題
「建築技術」2011年3月号連載3 「『豊かな時代』にふさわしい『耐震基準』のために」
「建築技術」2011年4月号連載4 「足元固定構法から足元フリー構法への歴史的転換」
「建築技術」2011年5月号連載5 「地震国日本の有史以来の「悲願」実現と「日本復活」への処方箋

西暦800年代後半の「大地震活動期」ともいえる状況になってきましたが、今後、日本の中枢を襲うであろう、東海地震、東南海地震、南海地震、関東地震、またこれらの地震前に発生する内陸直下地震(首都直下地震は関東地震の前に発生)のためにも、以下の「政策提言」は、今度こそ、これらの地震発生前に実現されなければならないものです。





 【「日本(経済)復活」の処方箋について】

 「地震防災事業」 ⇒ 1.地震防災(首都圏・東海・近畿は急務
            2.内需拡大


                  の二重の効果
と言うことです。
                  特に「住宅」の内需拡大効果は大きいのです。





東日本大震災後の新しい内容は以下のものです 。

「巨大地震活動期」における「地震国日本の『悲願』実現」と「日本復活」の処方箋  NEW!
 ☆ 提言
 ☆ 地震国日本の「悲願」実現と「日本(経済)復活」の処方箋

 ☆ 東日本大震災
 ☆ 一千年に一度の巨大地震活動期
 ☆ 今後の誘発・発生を恐れられている地震等

 ☆ 東日本大震災以前に発表していた内容 1 (「日本復活」編)
 ☆ 東日本大震災以前に発表していた内容 2 (「地震非常事態」編)
「地震国日本の『悲願』実現と『日本復活』の処方箋」 国会議員への講演会 NEW!



※ブラウザの Safari では、帯グラフの文字(震度、galの表示)ずれを起します。
この内容は、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」以前に執筆したものです。



日本復活のための

政 策 提 言


耐震基準の重大問題から


有史以来の「悲願」達成、夢の実現
地震被害0に向けての国づくり

内需拡大政策から
日本(経済)の復活へ




「政策提言 要約版」 「政策提言 簡約版」 「耐震基準の歴史的大改定へ」
「建築技術」2010年1月号「特別記事」 「建築技術」2010年4月号「特別記事」
「建築技術」2011年1月号から「建築基準法の抜本的見直しのために」連載
「大きな節目の年,耐震基準の引上げへ」) 



(主要8ヶ国(G8)+中国+インドのGDPグラフ 1985年〜 世界銀行資料)
 ⇒ 「日本復活のために」

バブル崩壊後の「空白の15年間」(現在も続いているが)が、余りにひどい状況である。
まったく停滞している。このままでは日本の未来は無い。

この政策提言に、「日本復活」という思いを込めた。
このまま放っておいては日本は立ち直れる可能性は無く、日本経済は没落し、貧しい住宅、それも地震に対して半分程度の、耐力不足の住宅、建物だけが残る。悲惨な未来像である。
今回のチャンスを逃すと、明日の日本は無いと考えられる。
 



300万アクセス突破
( I AU HP)

 この政策提言の実行によって、有史以来の、日本の「悲願」である「地震に強い日本」が実現し、30年程度という長期間にわたる持続的成長が可能になる。成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよい。また、我が国が最も世界から求められている政策でもある。

 このようなことを実行しなければならないのは、耐震基準における重大問題が発生したからである。

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は、長期間にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、現行震度階(1996年気象庁震度階改定)では、震度6弱程度だったことが判明した


 ★1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80   250   400gal 



震度階
1996年以前


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80 140 250    450      800gal



改定震度階
※1

5弱
5強
6弱
6強

         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0 100  240     520      830         
      1500gal 


改定震度階
※2

5弱
5強
6弱
6強


 損傷限界:建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界
 安全限界:建築物が倒壊・崩壊等しない限界

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。
 ※なお、グラフの色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定



 ★震度7の新旧震度階比較 (震度7:倒壊等が生じない「安全限界」の本来の基準震度)
震度
加速度(gal)
速度(kine)
震度階
400〜
40〜
改定震度階※2
1500〜
100〜



 以上のように、1996年気象庁震度階の改定により、長年、300〜400gal を、震度6強〜7程度(旧震度階) としてきた建築基準法の「安全限界」は、1996年以降、震度6弱程度に引き下げられていた
 また、超高層建築物も、以下のように、「安全限界(レベル2)」は震度6弱程度である。

 ★超高層建築物の動的解析によく使用する地震動とその計測震度
 ※なお、震度の色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定


             (損傷限界)   (安全限界) 
            震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal    300〜400gal程度 

  



基準法通り建物


 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■



 実際の地震でも、新耐震基準の建物が、震度6弱から全壊(下記グラフ参照)している。



【1982年以降建物全壊率-計測震度/出典:中央防災会議+気象庁



 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上(下地図の黄・橙・赤色地域)が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた(下表参照)。





30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)




30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる4大都市(役場単位)
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
4大都市
場所
2009年
2008年
東京都区内大田区役所
67.93%
29.20%
 江戸川区役所
66.27%
30.94%
 葛飾区役所
64.31%
29.78%
 荒川区役所
63.55%
14.27%
 江東区役所
62.25%
40.17%
 足立区役所
61.75%
13.06%
 港区役所
61.32%
27.15%
 中央区役所
61.20%
24.76%
横浜市港北区役所
71.41%
30.48%
 栄区役所
69.00%
15.85%
 神奈川区役所
68.23%
29.62%
 鶴見区役所
67.82%
32.82%
 西区役所
67.66%
45.92%
 横浜市役所
66.73%
32.87%
 中区役所
66.73%
32.68%
 南区役所
55.96%
32.88%
 磯子区役所
55.22%
27.71%
名古屋南区役所
88.11%
67.52%
 天白区役所
84.57%
44.74%
 中村区役所
82.78%
64.48%
 中川区役所
81.40%
48.92%
 港区役所
77.57%
53.46%
 西区役所
77.17%
58.03%
 北区役所
72.33%
55.52%
 熱田区役所
53.50%
47.36%
 緑区役所
50.67%
60.03%
 中区役所
50.01%
39.36%
大阪市平野区役所
68.79%
28.55%
 鶴見区役所
68.61%
24.98%
 城東区役所
68.56%
30.19%
 都島区役所
68.52%
29.55%
 東成区役所
68.06%
25.73%
 旭区役所
65.80%
23.05%
 東淀川区役所
64.60%
21.84%
 住之江区役所
63.66%
26.75%
 西区役所
60.89%
23.52%
 大阪市役所
59.73%
23.04%
 福島区役所
59.04%
22.33%
 淀川区役所
57.65%
21.43%
 大正区役所
56.87%
24.31%
 西淀川区役所
56.14%
20.84%
 港区役所
55.06%
23.21%
 此花区役所
52.66%
22.00%


※各市区役場(周辺)での最大地震発生確率で、市区内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)



 このような重大問題が発生している。

 2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 上記の「安全限界」の問題が連動するのは標準せん断力係数=0.2であり、その概念自体は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと4年で90年となる。現在、国の水準から考えると、見直すべき時期にきている。

 「耐震基準における重大問題」が発生した、このタイミングに、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成を目標に掲げ、第二の建国といってもよい歴史的大事業を実行すべきであろう。
 そして、この大事業のおかげで、25〜30年間は、建設ラッシュとなり、大きな内需拡大につながり、現在の経済不況から脱出できるだけでなく、25〜30年間という持続的経済成長が見込める。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 この事業は、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★過去最大にして非常に長期間にわたる「経済成長政策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたる。「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。まさに未曾有の事態であり、今現在においても、最も求められている経済政策といってもよい。

 機は熟した。あとは実行あるのみである。




■耐震基準 (現行の耐震基準(新耐震基準)は昭和56年6月から適用)


中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず
極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない

ことを目標としている。 ⇒ 国土交通省のQ&A



【参考】 「気象庁震度階級関連解説表」における「震度7」の解説

 2009年3月31日に改定になった「気象庁震度階級関連解説表」でも、
木造建物で、「耐震性が高い」(昭和57年以降の「新耐震」を想定)ものは、
震度7」の解説において、

「壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。まれに傾くことがある。」

となっている。 ⇒ 説明




 それが現実には、

現行耐震基準の、木造、鉄骨造、RC造の建物が、実大実験で、震度6強の地震動で倒壊
実際の地震でも、新耐震基準の木造の建物が、震度6弱から全壊下記グラフ参照

している。




 しかるに、構造設計者は、このような、よくわからない状況下で、建築確認申請時に、「構造安全証明書」に押印させられて、建物の構造の安全性に関する責任を取らされている。
 一体、国の「耐震基準」が正しいのか、実際の実大実験、地震被害のデータが正しいのか。あまりに食い違いすぎている原因を明らかにすることが、本書執筆のきっかけであった。


■耐震基準の問題の骨子1


 この政策提言のベースとなる話は、日本の全ての建物、全ての国民の命に関わる国の「建築耐震基準の問題」の話である。


 建築関係の多くの方々から、

「耐震基準は、ずっとおかしいと思っていた。」
「他の領域に比べて、大きく時代に遅れてしまっている。」

という言葉をいただいた。


 建築基準法通りに作った建物が、震度6強の地震波で、実大実験で倒壊するたびに、研究者は、顔面蒼白になっていた。
 阪神・淡路大震災でのJR鷹取波などは、震動台上で体験すると、これでは、もつわけはないと納得できる。 それまでの 50kineクラスの地震波(現行基準では 40kine)に比べて、150kineクラスの地震波は全く水準の違うものだ。それでも現行の気象庁震度階では震度7にはならない。( kine=cm/秒 ⇒ 「全壊率の指標」 )

 建築基準法通りの建物が「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」というような観念が、このJR鷹取波を観測した阪神・淡路大震災後においても、どうして形成されてしまったのか。実大実験を重ねるごとに、不思議さを感じていた。

 このような震動台上での体験から、今この時期に(被害地震が頻発し、地震活動期に入らんとしている状況下で)、国民の生命と財産を守る「耐震基準」をきちんとしておかないと、大変なことになる、手遅れになってしまう、という思いで、今回、この内容をまとめた。


 この「建築耐震基準の問題」の話は、非常に単純な話である。
1996年に、気象庁が、前年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の現地調査の結果を見て、震度7の説明文の内容とほぼ一致するように、すなわち、家屋の倒壊が30%以上になるように、震度6と7との境界加速度(400gal)を大きく引き上げる震度階改定を行った(800〜1500gal)。 ⇒ 説明1 
 その時点で(それ以降も)耐震基準の改定を行わなかったので、上記の「耐震基準」と矛盾することになってしまった。

 その結果、

現行耐震基準の、木造、鉄骨造、RC造の建物が、実大実験で、震度6強の地震動で倒壊
実際の地震でも、新耐震基準の木造の建物が、震度6弱から全壊(下記グラフ参照)

している。


【1982年以降建物全壊率-計測震度 】

 青▲は1995 年兵庫県南部地震の西宮市のプロット、
 黒●▲は、平成15年の宮城県北部の地震、平成16年(2004 年)新潟県中越地震、平成17年
 の福岡県西方沖の地震、平成19年(2007 年)能登半島地震、平成19年(2007 年)新潟県中
 越沖地震、平成20年(2008 年)岩手・宮城内陸地震、平成20年の岩手県沿岸北部の地震

 出典は、気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月) 第1章の 1 - 22頁
 震度階級と計測震度との関係:波形記録有無含む全データは第3回検討会資料2-2 20頁より
 震度6弱:計測震度5.5〜6.0  震度6強:計測震度6.0〜6.5  震度7:計測震度6.5〜



 建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とするなら、耐震基準の「安全限界」の加速度(300〜400gal)も、同等に改定すべきである、ということである。


 特に、

頻発する被害地震
30年以内 震度6弱以上の地震発生確率の異常な高さ
100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)

のことを考えると、耐震基準の見直しは急務である。 ( 重力加速度1G=981gal )


 既に民間でも動き出しつつある。

「民間独自の耐震基準づくり」 (150kine 1500gal基準)

それに対し、現行耐震基準は、40kine 400galである。あまりに大きく隔たっている。


■耐震基準の問題の骨子2


  建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とする場合、標準せん断力係数をどの程度上げざるを得なくなるか、を考えてみる。


■「加速度基準」で考えて

 建築基準法通りの建物が倒壊等の被害を生じない、「安全限界」の加速度は、300〜400gal である。その震度は、長年にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、1996年の気象庁震度階改定により、震度6弱程度に引き下げられている。

 【1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較】
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
  
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)
※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)
※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。


 上表からわかるように、「加速度」で考えて、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍以上差が生じているので、2倍以上、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。

 ⇒ 詳細


■実効入力地震動からみても

 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修気象庁)212頁の記載に従えば、
1996年に気象庁は、前年の兵庫県南部地震の現地調査の結果を見て、震度6と7との境界加速度(400gal)を大きく引き上げる震度階改定を行った。

 この説明に従えば、
1948年の福井地震の被災状況をみて、1949年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を400galとし、
1995年の阪神大震災の被災状況をみて、1996年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を、800gal(河角式の通り)まで引上げているので、
1996年改定段階で、実質2倍に引き上げたことになる。
(1981年に建築基準法改正で、在来木造の必要壁量を1950年段階の約2倍に上げているので、この話は対応する。)

1949年に、実効的なものとして、400galとし、
1996年に、実効的なものとして(継続時間=「建物への作用時間」を考慮して)、800galとしたわけである。

1997年版「建築物の構造規定」、2001年版、2007年版の「建築物の構造関係技術基準解説書」の説明に従えば、「実効入力地震動」に相当し、

実効入力地震動 400gal ⇒ 地表面地震動 800gal
実効入力地震動 800gal ⇒ 地表面地震動 1500gal(内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より)

というようになる。

 このように「実効入力地震動(加速度)」で考えてみても、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍程度差が生じているので、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。

 ⇒ 詳細


■「速度基準」で考えてみても

 本論全体は、現行の気象庁震度階の震度計算における「加速度基準」に従って論を進めているが、現行の気象庁震度階には、後述のような問題があるので、中央防災会議の全壊率テーブル等にしたがって、震度を「速度」で換算して考えてみた。その場合でも同様の結果となった。全壊率は、「加速度」よりも「速度」の方が、より相関していることは、「全壊率の指標」の通りである。

 内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」から、

震度
5弱
5強
6弱
6強
最大速度(kine)
4〜10
10〜20
20〜40
40〜60
60〜100
100
となる。

現行建築基準法の「耐震基準」の、倒壊等の被害を生じない「安全限界」の地震動の速度は、40kineである。この表 から見ても、現行「耐震基準」は、「5強〜6弱」である。これは時刻歴応答解析結果と合致する。

 ※出典:
 ・「設計用入力地震動強さとそのレベルの設定−確率論から考えても」渡部丹 37-3、145頁、公共建築、1995年
 ・「設計用模擬地震動に関する研究」渡部丹 建築研究報告No.92,March1981,建設省建築研究所


それに対して、
震度7は、100kine以上である。

  このように「速度」で考えても、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍以上差が生じているので、2倍以上、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。

 この「速度基準」での説明の方が、気象庁の現行震度階の「加速度基準」による問題に煩わされずに、現行建築基準法の「耐震基準」の問題を明瞭にすることができる。

 ⇒ 詳細


■以上のことから

 建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とする限りは、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得なくなるのである。

 ⇒ 詳細


■極めて心配な問題 (施主・設計者・建設会社の立場から見て)


1.国の「耐震基準(新耐震基準)」は、
「中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としています。」 ⇒ 国土交通省のQ&A

2.実際は、
震度6弱程度で安全限界に達し、最悪、震度6弱から全壊の可能性がある。 ⇒ 説明1 




★極めて心配な問題 1
 昨年の政府地震調査委員会の発表では、その震度6弱以上の地震の30年以内発生確率が驚異的に上昇し、関東・東海・近畿の多くの市区町村で50%を超えている。 ⇒ 説明1 




★極めて心配な問題 2
 こういう状況であるが、
 国は、いまだに、この「耐震基準」を改訂していないので、
 施主は「震度6強から震度7程度」では大丈夫と思い、「震度6強から震度7程度」の地震がくれば、倒壊した建物の下敷きになって大怪我をしたり、命を失う可能性もある。
 その場合、設計事務所、工務店・建設会社等は、施主側から、国の「震度6強から震度7程度では倒壊等は生じない」という耐震基準に違反しているとして、訴訟を起される可能性が高い。 ⇒ 説明




★極めて心配な問題 3
 さらに、国の耐震基準の「震度5強程度に対しては、ほとんど損傷を生じず」も、動的解析によれば、震度4〜5弱という結果になっている。 ⇒ 説明

 この場合も、
 施主からみると、「震度5強程度に対しては、ほとんど損傷を生じず」と思い込み、震度4〜5弱地震で損傷してしまうと、想定外の大きな損害となり、資産価値が大きく低下することになる。
 設計事務所、工務店・建設会社等は、国の耐震基準が「震度5強程度まで損傷が生じない」となっているので、施主から訴えられる可能性がある。訴訟の数としては、こちらの方が圧倒的に多いかもしれない。



 以上の話は、1996年に問題が起こっているので、それ以降の全ての建物が対象の話である。




■成熟期の最後に残された最大且つ持続的な景気・経済対策


★過去最大にして 非常に長期間にわたる「景気・経済対策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたるが、「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。
 法的、税制上の優遇、誘導策を講ずれば、30年程度と長期間にわたり持続的経済成長が遂げられる政策になる。その期間は、戦後復興期+高度成長期以上のものとなる。
 住宅は内需拡大の最大のものである。非常に裾野が広く、乗数効果が高い。
 まだこの国には家計部門の金融資産1452兆円(2010年3月末)があり(蓄えがある段階にやらねば手遅れになる)、それが世に出まわりはじめれば、経済活性化のきっかけになる。
 そして、30年以上という長期間にわたる持続的経済成長が見込めるので、将来に対する不安を一掃でき、これをきっかけにして本格的経済成長が始まる。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★世界の国々から最も求められている大事業
 この「地震に強い日本」へと向かう大事業は、我が国が世界経済の重要な役割を担っているため、世界経済の安定という視点からも、世界の国々から最も求められているものである。
 そして、これは、次の日本の発展ために、生活基盤だけでなく、産業基盤の整備、「地震に強い日本」を形成し、世界経済の安定、そして、世界平和に貢献する。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万戸台となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。また、国土交通省の2010年度の建設投資の見通しも、1977年度以来の、33年ぶりの低水準としている。まさに未曾有の事態である。
 そのため、この経済政策は、今現在において、最も待ち望まれている経済政策といってもよいものである。

 ⇒ 詳細




■「建築基準法の見直しに関する検討会」座長と関係委員、及び
日本建築学会、日本建築構造技術者協会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会の各会長への送付内容(要旨)について



今回の「耐震基準の重大問題」について、既にご報告しております。
この問題を、国民の視点、建設会社・設計者の視点で、もう一度まとめてみました。

国民の視点で考えれば
「国民は、自分の命を守れない状態に置かれている」ことです。
今回の「耐震基準の重大問題」の事実の公表が絶対必要です。

★建設会社・設計者の視点で考えれば
気になる問題としましては、下記 2.に書いていますが、
下記 1.のことを国民(施主)に説明したとしても、
建設会社・設計者の責任という観点で考えれば、まだ十分ではないと思われます。
なぜなら、
国の「耐震基準」の震度階が、いまだ訂正されておらず、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」となっていますので、
震度6強から震度7程度の地震で倒壊した場合、
建設会社・設計者の責任にされる可能性が十分にあり、紛争になることは目に見えています。
(構造設計者の場合は、建築確認申請時に「構造安全証明書」に押印させられていることもありますので、責任はさらに重大です。)
これは、心配なことです。

国民(施主・使用者)の立場に立っても、「耐震基準」の誤った情報のために自分達の命さえ守れない状態にあり、建設会社・設計者の立場に立っても、国の「耐震基準」の震度階の訂正を、一刻も早くしてもらわなければ、ということです。

★さらに、問題なのは、今回の「耐震基準の重大問題」が、いまだ、「建築基準法の見直しに関する検討会」では、取上げられていないことです。
今回の「耐震基準の重大問題」は、「国民の生命と財産」に直結する重大問題です。
「建築基準法の見直しに関する検討会」は、耐震偽装問題から始まっていますが、これは、さらに、大元の問題であり、見過ごすことができない重大問題です。


以下に、国民への説明内容をまとめてみました。
まずは、事実のみの発表だと思います。
国民に事実をまず知ってもらい、国民の論議を待って「耐震基準」の引上げを考えても良いのではないかとも思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.国民への説明内容

 「国民は、自分の命を守れない状態に置かれています」
 事実の公表が絶対必要です。
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◆国民の視点で考えて、
日本の建物の安全を規定している「耐震基準」が、以下のように大きく違っています。
そのため、現在、国民は、自分の命を守れない状態に置かれています。
事実が公表されていないゆえの大問題です。

国民への説明内容を整理しますと、

◆現行の「耐震基準」の国交省説明は、
「(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない」
  http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/071208_2_.html#10 (国交省)
の震度は、1996年改定前の「旧震度階」に基づくもので、それが、現行の改定震度階(「新震度階」)と混同されています。しかも、その旧と新の震度階の差が非常に大きい。

◆「新震度階」に基づけば、例えば、内閣府「地震被害想定支援マニュアル」の説明では、
  http://www.bousai.go.jp/manual/v-4.htm
震度6強-7の境界加速度は、1500galとなっています。
それに対して、現行の「耐震基準」の、「倒壊等の被害を生じない」水準の「極めて稀にしか発生しない大規模の地震」の加速度は、300gal〜400gal程度であり、現行の震度階での震度6強-7の境界加速度(1500gal=内閣府)との差が、あまりにも大きく拡がっています。
つまり、「加速度」基準で見ると、「耐震基準」での震度6強-震度7と、現行の震度階での震度6強-7とでは、4倍程度の差がついています。

◆基準法レベルと震度6強との比較
また、全壊との関係の相関性が高い、「速度」基準で見ても、「基準法レベル」と「震度6強-7の地震動」とに、非常に大きな開きが出ています。
以下のように、「基準法レベル」と、本来は「耐震基準」では耐えられるはずの「震度6強-7の地震動」とに3倍程度の差がついています。

                     南北     東西      東西南北合成
 基準法二次設計(5強6弱) 40kine  40kine  56kine※
 JMA神戸(6強 (6.3))   75kine  90kine 105kine
 JR鷹取 (6強 (6.4))  121kine 125kine 156kine


※基準法二次設計レベルの40kineは、渡部丹著「設計用入力地震動強さとそのレベルの設定−確率論から考えても」37-3、145頁、公共建築、1995年、 東西南北合成は40kine×√2としました。

以上のことだけでも、最低限、国民に説明すべきでしょう。

またさらに、
◆全閣僚が委員の政府の中央防災会議の発表では、「新耐震」の建物でも「震度6弱から全壊が始まる」となっています。
  http://www.iau.jp/pdf/m-zenkairitukeisokushindo2.pdf (このグラフは中央防災会議+気象庁)

◆政府の地震調査委員会の発表では、その「震度6弱」以上の30年以内地震の発生確率が、関東・東海・近畿・四国地方の多くの市区町村で50%を超えています。
  http://www.iau.jp/pdf/m-JISHINCHOSAIINKAI01.pdf (政府の地震調査委員会からの資料)

◆実大実験の結果を見ても、
建築基準法通り(またそれ以上の)、木造、鉄骨造、RC造の建物が、実大実験で、震度6強の地震動で倒壊しています。
  http://www.iau.jp/m-taishinkijunkaitei.htm#13 (木造、鉄骨造、RC造の倒壊のまとめ)
木造に関しては、
★2004年に(財)建材試験センターが行った実大実験、現行の建築基準法通り(耐震等級1)の木造住宅が、震度6強の地震動(JMA神戸波 NS818gal、3方向100%加振)で倒壊しました。
  http://www.asahi.com/special/051118/TKY200611230297.html
  http://www.jtccm.or.jp/library/jtccm/news/kentikugakai/22003.pdf
★昨年2009年10月27日に(独)防災科学技術研究所などが行った実大実験、建築基準法の1.46倍の耐力で耐震等級3に近い木造住宅が、震度6強の地震動で倒壊しました。
  http://sumai.nikkei.co.jp/news/latestnews/index.cfm?i=2009102711008p2 (日経新聞)
  http://www.bosai.go.jp/hyogo/research/movie/wmv/20091027.wmv (倒壊映像)

も補足されればと思います。「耐震基準」に関しての国民の論議のためには必要だと思います。

※速度単位、加速度単位につきまして、
速度単位 : kine=cm/秒、100kine=1m/秒
※加速度単位: gal=cm/秒2、981gal=1G(重力加速度)、400gal≒0.4G、1500gal≒1.5G
です。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.気になる問題 (建設会社・設計者の視点で)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以上のことを国民(施主)に説明したとしても、

現行の「耐震基準」の
「中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない」
  http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/071208_2_.html#10 (国交省)
の気象庁震度階は、1996年改訂前の旧震度階に基づくもので、

それを改めて、現行の気象庁震度階に基づけば、
「中規模の地震(震度5弱程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6弱程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない」
となるでしょうが、

しかし、いまだ、国の「耐震基準」の震度階が訂正されていませんので、
震度6強で倒壊した場合、
国の「耐震基準」は「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」となっていますので、建設会社・設計者の責任(構造設計者は、建築確認申請時に「構造安全証明書」に押印させられている)にされる可能性があり、紛争になることは目に見えています。


以下、「全壊が始まる地震発生確率の驚異的上昇」に関してです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.補足 全壊が始まる地震発生確率の驚異的上昇
  ※この項目のみ全員には送られていません。
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次に、建物の全壊が始まる震度6弱以上の地震の30年以内の発生確率が、日本の中枢地帯の関東・東海・近畿地方の400以上の市区町村で50%を超えてしまっているという大問題があります。
  http://www.iau.jp/pdf/m-JISHINCHOSAIINKAI01.pdf (政府地震調査委員会資料、50%以上市区町村)
東京都区内・横浜市・名古屋市・大阪市だけを取り出しても、
           2009年 2008年
 東京都大田区役所  67.93% 29.20% 
 東京都江戸川区役所 66.27% 30.94% 
 東京都葛飾区役所  64.31% 29.78% 
 東京都荒川区役所  63.55% 14.27% 
 東京都江東区役所  62.25% 40.17% 
 東京都足立区役所  61.75% 13.06% 
 東京都港区役所   61.32% 27.15% 
 東京都中央区役所  61.20% 24.76% 

 横浜市港北区役所  71.41% 30.48% 
 横浜市栄区役所   69.00% 15.85% 
 横浜市神奈川区役所 68.23% 29.62% 
 横浜市鶴見区役所  67.82% 32.82% 
 横浜市西区役所   67.66% 45.92% 
 横浜市役所     66.73% 32.87% 
 横浜市中区役所   66.73% 32.68% 
 横浜市南区役所   55.96% 32.88% 
 横浜市磯子区役所  55.22% 27.71% 

 名古屋市南区役所  88.11% 67.52% 
 名古屋市天白区役所 84.57% 44.74% 
 名古屋市中村区役所 82.78% 64.48% 
 名古屋市中川区役所 81.40% 48.92% 
 名古屋市港区役所  77.57% 53.46% 
 名古屋市西区役所  77.17% 58.03% 
 名古屋市北区役所  72.33% 55.52% 
 名古屋市熱田区役所 53.50% 47.36% 
 名古屋市緑区役所  50.67% 60.03% 
 名古屋市中区役所  50.01% 39.36% 

 大阪市平野区役所  68.79% 28.55% 
 大阪市鶴見区役所  68.61% 24.98% 
 大阪市城東区役所  68.56% 30.19% 
 大阪市都島区役所  68.52% 29.55% 
 大阪市東成区役所  68.06% 25.73% 
 大阪市旭区役所   65.80% 23.05% 
 大阪市東淀川区役所 64.60% 21.84% 
 大阪市住之江区役所 63.66% 26.75% 
 大阪市西区役所   60.89% 23.52% 
 大阪市役所     59.73% 23.04% 
 大阪市福島区役所  59.04% 22.33% 
 大阪市淀川区役所  57.65% 21.43% 
 大阪市大正区役所  56.87% 24.31% 
 大阪市西淀川区役所 56.14% 20.84% 
 大阪市港区役所   55.06% 23.21% 
 大阪市此花区役所  52.66% 22.00% 


となります。2008年に比べて2009年が驚異的に上昇をしています。まさに、非常事態といってよいものです。「耐震基準の重大問題」についての事実の公表と「耐震対策」は、急を要するということです。


■日本建築構造技術者協会会長への質問状(要旨)


社団法人日本建築構造技術者協会
会長殿

5月17日以降、連絡させて頂いております。
気になったことをご質問させていただきます。

1.国土交通省の「耐震基準」通りに、
 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/071208_2_.html#10 (国交省)
「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」と施主に説明している構造設計者も多いと聞いておりますが、そのような場合に、「震度6強から震度7程度」の地震で倒壊した場合、日本建築構造技術者協会の会員を代表するお立場で、「影響が無い」と、お考えなのでしょうか。

2.また、この「耐震基準」の震度記述に関して、「間違い無し」「訂正不要」と、日本建築構造技術者協会の会員を代表するお立場で、考えておられるのでしょうか。

ご回答を頂ければと思います。

国民は、「耐震基準」に対する正しい情報を知らず、
建築基準法通りに建てれば、
「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」
と思い、
1日に住宅だけでも2000戸以上建て続けています。相当な投資額です。

この事態に対して、良識を疑いかねない、国民から見た場合、決して許されない不謹慎な発言も聞こえてきています。
こういう事態こそ、姉歯事件による社会的信頼を回復するために、日本建築構造技術者協会の会長として、「良識」を示される、最も良い機会だと思います。








(目次)




■はじめに




■耐震基準における重大問題の発生

 要約

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は、長期間にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、現行震度階(1996年気象庁震度階改定)では、震度6弱程度だったことが判明した


 ★1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80   250   400gal 



震度階
1996年以前


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80 140 250    450      800gal



改定震度階
※1

5弱
5強
6弱
6強

         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0 100  240     520      830         
      1500gal 


改定震度階
※2

5弱
5強
6弱
6強


 損傷限界:建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界
 安全限界:建築物が倒壊・崩壊等しない限界

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。
 ※なお、グラフの色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定



 ★震度7の新旧震度階比較 (震度7:倒壊等が生じない「安全限界」の本来の基準震度)
震度
加速度(gal)
速度(kine)
震度階
400〜
40〜
改定震度階※2
1500〜
100〜



 以上のように、1996年気象庁震度階の改定により、長年、300〜400gal を、震度6強〜7程度(旧震度階) としてきた建築基準法の「安全限界」は、1996年以降、震度6弱程度に引き下げられていた
 また、超高層建築物も、以下のように、「安全限界(レベル2)」は震度6弱程度である。

 ★超高層建築物の動的解析によく使用する地震動とその計測震度
 ※なお、震度の色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定


             (損傷限界)   (安全限界) 
            震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal    300〜400gal程度 

  



基準法通り建物


 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■



 実際の地震でも、新耐震基準の建物が、震度6弱から全壊(下記グラフ参照)している。



【1982年以降建物全壊率-計測震度/出典:中央防災会議+気象庁



 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた次章参照)。
 このような重大問題が発生している。


現行の耐震基準
実大実験において耐震等級1(建築基準法通り)・耐震等級2の建物が震度6強で倒壊
倒壊の原因
現行震度階では、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は震度6弱程度と判明
震度7の新旧震度階比較 (震度7:倒壊等が生じない「安全限界」の本来の基準震度)
現行震度階での、損傷限界・安全限界に至る地震動の震度算出
損傷限界・安全限界に至る地震動の震度算出方法
実際の地震でも「震度6弱から全壊」=新耐震で全壊被害があった地震から
「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率驚異的上昇
変位の大きな地震の増加とその破壊力
【参考】 加速度(震度)が小さくて地震被害の大きい地震、加速度(震度)が大きくても地震被害の少ない地震
耐力として余裕があるか
「相互作用」で補完する説明にも限界
国の耐震基準の基本的考え方
【参考】 100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)
実効入力地震動からみても
震度を「速度」で換算して考えてみても
震度6強〜震度7程度でも倒壊しないためには「耐震基準」を改定すべきである

【参考】 「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」について
【参考】 住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」等
【参考】「設計用地震力の評価」について/住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」等から
【参考】 震度=加速度基準での混乱
【参考】 「気象庁震度階級関連解説表」の震度7解説の問題
【参考】 気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルターの問題点について
【参考】 周期1.6秒を超えると、震度7の地震動が、震度6強(6弱)にランクダウン
【参考】 中央防災会議の全壊率について (気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルター無考慮のため、全壊率は上がることになる)
【参考】 阪神・淡路大震災建物被害率について
【参考】 新耐震(1982年以降)の木造全壊率について (改定震度階でみると)
【参考】 「全壊」と「倒壊」について
【参考】 「耐震性不十分な戸数」について




■地震非常事態というべき状況

 要約

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は震度6弱程度だったことが判明した


 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上(下地図の黄・橙・赤色地域)が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた(下表参照)。





30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)



この10年間での地震死亡者約75万人/自然災害死亡者のうちの約7割
頻発する地震
地震活動期
30年以内 震度6弱以上の地震発生確率の異常な高さ
政府中央防災会議の地震被害想定
東海地震 過去30年で最も危険な状態

【参考】 震度別地震回数表からの比較について




■100kine・1000gal以上多数観測の時代

 要約

 地震防災対策として、地震静穏期・活動期関係なく、本来は、
直下型地震対策
海溝型巨大地震対策
の両方を行う必要がある。

特に、地震活動期に入った場合は、「直下型地震対策」にもウェイトをおく必要がある。
というのは、下記のように、直下型地震は、海溝型地震に比べて、地表面加速度が大きいからである。1000gal以上(100kine以上)が多く観測されている

直下型地震を含めた地震防災対策を考えた場合、「震度6強〜7程度」の加速度として、
内閣府防災部門 「地震被害想定支援マニュアル
震度6強と7の境界加速度の 1500gal は納得できるところである (なお、建築基準法の安全限界加速度は 300〜400gal である)。


100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)
全壊率の指標 ( 加速度+変位 ⇒ 「速度」)
「民間独自の耐震基準づくり」 (150kine 1500gal基準も)
土木においても建築の耐震基準の2倍 (C0=2.0相当)
防災対策=直下型地震+海溝型巨大地震対策




■大きな節目の年、耐震基準(安全・損傷限界)引上げへ

 要約

 現行の建築基準法通りの建物の「安全限界」は震度6弱程度であるから、「震度6弱」から危険水位、「震度6強」では「安全限界」を超え、(建築物が倒壊・崩壊等しないという)安全が保証されない状態になっている
 しかるに、政府地震調査委員会の発表では、「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率が驚異的上昇関東・東海・近畿の多くの市区町村で50%を超え、中央防災会議の発表では、関東・東海・近畿の広域で震度6強以上を予測している

 2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 上記の「安全限界」の問題が連動するのは「標準せん断力係数=0.2」であり、その概念自体は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと4年で90年となる。現在、国の水準から考えると、この「標準せん断力係数=0.2」を大幅にアップすべき段階にきている。そして、この改定は、地震列島日本にとって、有史以来の、地震被害根絶という「悲願」達成につながるものにすべきである。

【現行耐震基準における耐震等級+新耐震等級の比較】


            震度4〜5弱  震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal   300〜400gal程度 

  


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■


            震度5弱        震度6弱〜6強 
   地動加速度:0gal  100〜125gal     375〜500gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■


            震度5弱           震度6強 
   地動加速度:0gal  120〜150gal       450〜600gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


             震度5弱〜5強        震度6強 
   地動加速度:0gal   140〜175gal        525〜700gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級4)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


              震度5弱〜5強          震度6強 
   地動加速度:0gal    160〜200gal         600〜800gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級5)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■


                                                            震度7 
   地動加速度:0gal                                             約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性



大きな節目の年
現行の建築基準法の損傷限界・安全限界について
震度6強〜震度7程度でも倒壊しないための「耐震基準」改定の目安
安全限界・損傷限界の引上げへ
耐震基準引上げの機会は今しか無い
「暫定措置」案
地震静穏期と地震活動期の建築基準法

【参考】 標準せん断力係数C0=0.2について
【参考】地震活動期の建築基準法の耐震基準案




■有史以来の「悲願」達成、夢の実現へ

 要約

 有史以来の「悲願」達成と言った場合、地震によって二度と壊滅的にならない国づくり、さらに進んで地震被害を0にする国づくりである。

 江戸時代以降をみても、
 1703年元禄地震(関東地震)M7.9〜8.2、1707年宝永地震(東海・東南海・南海地震)M8.6 が、繁栄を極めた元禄文化を終わらせ、
 弘化・嘉永・安政年間の大地震の連続、すなわち、1854年11月4日安政東海地震M8.4、1854年11月5日安政南海地震M8.4、1855年10月2日安政江戸地震M7.0〜7.1 など、1847年善光寺地震M7.4 から1859年までの13年間に及ぶ地震の連続が、徳川幕府の終末を早めさせ、
 1923年の関東大震災M7.9 が大正デモクラシーを終焉させ、第二次世界大戦に至るまでその国家的大負債を解消できなかったという歴史がある。
 この歴史的繰り返しに今こそストップをかけなければいけない。

 未だに政府中央防災会議の地震被害想定発表のたびに、数万人の死者、100万棟近い全壊棟数が新聞紙面に踊っているのは、世界で1・2位を争う先進国としては、「国民の命を守るための政治」を国政の基本としている国としては、まことに恥ずかしい話である。
 それを脱却できる、地震被害を0にできる技術をもちながら実行に移さないのは、極めて怠慢と世界からそしられてもおかしくない話である。
 今こそ、このタイミングに、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成を目標に掲げ、第二の建国といってもよい歴史的大事業を実行すべきであろう。
 そして、この大事業のおかげで、25〜30年間は、建設ラッシュとなり、大きな内需拡大につながり、現在の経済不況から脱出できるだけでなく、25〜30年間という持続的経済成長が見込める。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 この事業は、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★過去最大にして非常に長期間にわたる「経済成長政策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたる。「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。まさに未曾有の事態であり、今現在においても、最も求められている経済政策といってもよい。


国家にとって必要不可欠な基盤づくり、「国民の命を守る」基盤づくり
第二の建国/日本の再生/地震被害を根絶する国づくり
未曾有の建設ラッシュが25〜30年続く、持続的経済成長
有史以来の「悲願」達成
地震被害を0にできる技術
日本復活のために




■姉歯事件以降の問題・混乱も解決へ

 要約

 今回の話は、実は姉歯事件から始まっている。
 建築基準法の半分の耐力で、なぜ「震度5強で倒壊の恐れがある」のかという疑問から始まっている。
 そして、今回の問題の大きさは、姉歯事件など比ではなかった。
 姉歯事件さえも、この問題の中で起こったといっても良い。
 そのため、これを解決しなければ、現在の建築全体に起こっている未曾有の危機も解決しない。
 というより、これを解決すれば、現在の起こっている大問題も解決するだけでなく、この国の有史以来の「悲願」も実現するのである。


姉歯事件の問題
建築全体が瀕死の状態から、建築文化の再生・復活へ
創作的時間の回復/国全体の建築・都市の文化的豊かさへ

【参考】「最高裁が震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する恐れ」について




■最後に、歴史から見て、足元フリー構法について

 要約

 現行の建築基準法の耐震基準 (安全限界の地震動入力加速度 300〜400gal に耐えられる構造) のままで、震度6強〜7の地震でも倒壊しない方法があるとするなら、それは「足元フリー構法」である。

 歴史を見ると、1920年以前には、そのことは知られていたようである。

 日本列島のように大地震多発地帯で、特に地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法=耐震構法」、すなわち、「地震力の頭打しない構法」は、不経済なだけでなく危険でもある。
 地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」が、地震列島日本が、長い歳月の末にようやくたどり着いた、最終的な構法である。建築基準法の想定以上の地震でも「倒壊・全壊」を防げる可能性のあるものである。現状の耐震基準における重大問題の発生から、耐震基準引上げを考えた場合、特に地震活動期に入り、地震の加速度が観測される度に上がっている状況からも、非常に着目すべき構法である。
 そして現代の「免震」はその発展形である。建物の「倒壊・崩壊防止」はいうまでもないが、より大きな地震での「無損傷」をめざした構法である。

 
地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
フリー
プレ免震の時代
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
足元
固定
耐震の時代
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
免震の時代
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。




 普通の日本造り家屋は、弱小なる地震動のときは、土台石より辷り動かさるゝこと無ければ、地面に固定せるが如くに振動すれども、 大地震となりて震動激烈なるときは、水平地震力強くして、木造家屋の下底と土台石との間に存する摩軋に超過することあるべく、斯かる場合には家屋は土台石より離れて多少移動すべく、即ち実際に地震の激動の幾分を遮断するの効果あるなり、木造家屋は、その柱が挫折する事なければ、決して全体として転倒せざれば、少しく注意して構造するに於ては、如何なる大地震に際するも倒るゝこと無かるべきなり、明治二十四年の濃尾地震、同二十七年の庄内地震の如き、大地震の震央地にても、存立せる農家ありき


現行の耐震基準(地震入力 300〜400gal)のままでよい方法、足元フリー構法
足元フリー/固定での「建築構造歴史」
「足元フリー構法」と「安全限界加速度=300〜400gal」との整合性
中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾著「木造日本風住家改良構造仕様」1896年
大森房吉著「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告1906年
「足元フリー」と「足元固定(緊結)」の比較
「プレ免震」と「免震」の比較

【参考】 足元フリー/固定での、建築構造の歴史
【参考】 足元フリー構法について
【参考】 足元フリー構法に関する重要文献での記載内容





■はじめに

 この政策提言の実行によって、有史以来の、日本の「悲願」である「地震に強い日本」が実現し、30年程度という長期間にわたる持続的成長が可能になる。成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよい。また、我が国が最も世界から求められている政策でもある。

 このようなことを実行しなければならないのは、耐震基準における重大問題が発生したからである。

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は、長期間にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、現行震度階(1996年気象庁震度階改定)では、震度6弱程度だったことが判明した
 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上が予測されている。またその「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿の多くの市区町村で50%を超えた

 2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 上記の「安全限界」の問題が連動するのは標準せん断力係数=0.2であり、この耐震基準自体は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと4年で90年となる。現在、国の水準から考えると、大きく見直すべき時期にきている。
 この問題の解決は、地震列島日本にとって、地震被害の根絶という、有史以来の「悲願」達成となる。

★過去最大にして 非常に長期間にわたる「経済成長政策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたるが、「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。
 法的、税制上の優遇、誘導策を講ずれば、30年程度と長期間にわたり持続的経済成長が遂げられる政策になる。その期間は、戦後復興期以上のものとなる。
 住宅は内需拡大の最大のものである。非常に裾野が広い。
 まだこの国には家計部門の金融資産1452兆円(2010年3月末)があり(蓄えがある段階にやらねば手遅れになる)、それが世に出まわりはじめれば、経済活性化のきっかけになる。
 そして、30年程度という長期間にわたる持続的経済成長が見込めるので、将来に対する不安を一掃でき、これをきっかけにして本格的経済成長が始まる。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★世界の国々から最も求められている大事業
 この「地震に強い日本」へと向かう大事業は、我が国が世界経済の重要な役割を担っているため、世界経済の安定という視点からも、世界の国々から最も求められているものである。
 そして、これは、次の日本の発展ために、生活基盤だけでなく、「地震に強い」産業基盤の整備になる。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万戸台となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。また、国土交通省の2010年度の建設投資の見通しも、1977年度以来の、33年ぶりの低水準としている。まさに未曾有の事態である。
 そのため、この経済政策は、今現在において、最も待ち望まれている経済政策といってもよいものである。

 そして、その問題を解決する技術もすでに完成している。
 機は熟した。あとは実行あるのみである。


【地震被害を0にできる技術】

 以下の耐震と免震の比較(2階建て戸建住宅の場合)でわかるように、
 「耐震」は、地震入力の大きさに従い、際限なく地震力が入り、2階・屋根(R)階の応答加速度はさらに増幅する。
 「免震」は、「地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」の2重の低減効果が得られ、地震入力の大きさによらず、1階・2階・屋根(R)階の応答加速度は、ほぼ一定値が得られる。「免震」の方が、断然有利である。
 ⇒ 詳細参照


             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 

耐震建物
(基準法通り)
(足元固定) 

無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■
(地震力が際限なく入る)■■■■■■■■

           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
   地動加速度:0gal 80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


足元フリー建物
(プレ免震)
摩擦係数0.3〜0.4
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
免震スタートして倒壊・崩壊免れる可能性も
(地震入力の頭打ち効果・地震応答低減効果)

                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震建物
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性


地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
固定
耐震
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
プレ免震
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
免震
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷



 以上のことは、
 現在の「建築基準法」の前身である「市街地建築物法」(1920年)成立期までの下記文献、
中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾著「木造日本風住家改良構造仕様」1896年
大森房吉著「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告1906年
を見ると、
ある一定以上の地震力では、「足元フリー構法 」しか方法がないことを
日本最大の直下型地震である濃尾地震M8(1891年)と同時代の、大森房吉、中村達太郎、曽禰達蔵、片山東熊、辰野金吾たちは知っていた(辰野金吾は東京駅設計者、片山東熊は赤坂離宮設計者、曽禰達蔵は丸の内の三菱オフィス街の設計者であり、日本を代表する建築家達であり、大森房吉は日本の地震学の父と言われている)。

 しかし、濃尾地震を直接には知らない、次の世代から、現在の建築仕様の「足元固定(緊結)」が始まり、1920年の市街地建築物法で、まず大都市に、そして1950年の建築基準法で、全国に「足元固定(緊結)」が適用された。
  しかし、その市街地建築物法施行直後の関東大震災以降は、東海地方〜関東地方が地震静穏期に入ったので、それほど問題にならなかった。

 しかし、現在の、直下型地震の頻発、地震活動期への移行を考えると、 今回のタイミングを逸してならない。
 大地震が迫るこのタイミングに、「足元フリー構法」を考慮した、建築基準法の耐震基準と耐震仕様の大改定をすべきである。






■耐震基準における重大問題の発生

 要約

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は、長期間にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、現行震度階(1996年気象庁震度階改定)では、震度6弱程度だったことが判明した


 ★1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80   250   400gal 



震度階
1996年以前


         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0  80 140 250    450      800gal



改定震度階
※1

5弱
5強
6弱
6強

         損傷限界     安全限界
            ▼          ▼
  地動加速度  0 100  240     520      830         
      1500gal 


改定震度階
※2

5弱
5強
6弱
6強


 損傷限界:建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界
 安全限界:建築物が倒壊・崩壊等しない限界

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。
 ※なお、グラフの色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定



 ★震度7の新旧震度階比較 (震度7:倒壊等が生じない「安全限界」の本来の基準震度)
震度
加速度(gal)
速度(kine)
震度階
400〜
40〜
改定震度階※2
1500〜
100〜



 以上のように、1996年気象庁震度階の改定により、長年、300〜400gal を、震度6強〜7程度(旧震度階) としてきた建築基準法の「安全限界」は、1996年以降、震度6弱程度に引き下げられていた
 また、超高層建築物も、以下のように、「安全限界(レベル2)」は震度6弱程度である。

 ★超高層建築物の動的解析によく使用する地震動とその計測震度
 ※なお、震度の色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定


             (損傷限界)   (安全限界) 
            震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal    300〜400gal程度 

  



基準法通り建物


 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■



 実際の地震でも、新耐震基準の建物が、震度6弱から全壊(下記グラフ参照)している。



【1982年以降建物全壊率-計測震度/出典:中央防災会議+気象庁



 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた次章参照)。
 このような重大問題が発生している。



■現行の耐震基準

 現行の建築基準法の耐震基準(新耐震基準)は昭和56年6月から適用され、以下の通りである。

中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず
極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない

ことを目標としている。 ⇒ 国土交通省のQ&A



■実大実験において耐震等級1(建築基準法通り)・2の建物が震度6強で倒壊

 以上のように、現行建築基準法の耐震基準では、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」としているが、耐震等級1(建築基準法通り)・耐震等級2の建物が、「震度6強」地震動を使った実物大実験で、倒壊した。それも、2009年10月27日に(独)防災科学技術研究所などが行った実物大実験では、耐震等級3に近い、建築基準法の1.44倍の耐力をもつ木造住宅が、震度6強で倒壊した。

木造

★耐震等級1の木造が実験で倒壊
 2004年に、(財)建材試験センターが行った実大実験において、現行の建築基準法通りの木造住宅が、震度6強の地震動(JMA神戸波 NS818gal、3方向100%加振)で倒壊した。
 同実験の論文(2005年日本建築学会大会発表論文 講演番号22003)にも、「建築基準法や品確法の等級1を満たした建物であっても、(中略)兵庫県南部地震のような大地震時に倒壊する危険性を有していることがわかった。 」と記載されている。 → 朝日新聞記事 2006年11月24日

★耐震等級2の木造も実験で倒壊
 2009年10月27日に(独)防災科学技術研究所などが行った、耐震等級2で建築基準法の1.46倍の耐力をもつ木造住宅が、震度6強の地震動で倒壊した。 → 神戸新聞記事 実験説明 倒壊ビデオ 3階建て木造軸組構法の設計法検証事業の報告



鉄骨造

★基準法通りの鉄骨が実験で倒壊
 2007年9月に(独)防災科学技術研究所が、実大4階建鉄骨造建物の震動台実験を実施した。 試験体は、現行の建築基準法で定められる最低限の安全性を満足するよう設計され、鉄骨の構造骨組だけでなく、コンクリートの床・軽量コンクリートの外壁・アルミサッシ・ガラス窓・石膏ボードの間仕切壁・天井など、非構造体と呼ばれる部材も含めて、建物としての主要な要素を全て再現した((独)防災科学技術研究所の説明)。 震度6強の地震動で倒壊した(倒壊ビデオ、倒壊保護措置付)。



鉄筋コンクリート造

★基準法通りの鉄筋コンクリート造が実験で倒壊
 2006年1月に(独)防災科学技術研究所が、実大6層鉄筋コンクリート建物の震動台実験を実施した。 試験体は、縦12m、横17m、高さ16mの6層構造で、70年代のやや古い設計であるが、ただし、建築基準法の現行規定を概ね満足するレベルのものである。震度6強(JMA Kobe波)の地震動で倒壊した(実験説明 倒壊ビデオ、倒壊保護措置付)。



 以上のように、建築基準法通り、もしくはそれ以上の設計での、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造が、ことごとく、震度6強の地震動で倒壊した。



■倒壊の原因

 1996年に、気象庁が、前年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の現地調査の結果を見て、震度7の説明文の内容とほぼ一致するように※a、すなわち、家屋の倒壊が30%以上になるように※a2、震度6と7との境界加速度(400gal)を大きく引き上げる震度階改定を行った(800〜1500gal※b)。 ⇒ 説明
 その時点で(それ以降も)耐震基準の改定を行わなかったので、
 現行の「耐震基準」の「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」と完全に矛盾することになってしまった。

 【気象庁の震度階改定
 
震度6-7境界加速度
震度7の家屋倒壊率※a2
建築基準法の対応
1949年当初


400gal※c

1948年福井地震
の被災状況から※a2
30%以上
1981年の建築基準法改正で、在来木造の必要壁量を、1950年頃当時の約2倍に上げている。このことの辻褄が合う。
1996年改定


800gal※b

1995年兵庫県南部地震
の被災状況から※a
30%以上



※a 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)の212頁、「兵庫県南部地震の現地調査の結果、(中略)震度7を計測震度6.5以上と定義すれば、対応する現象が現在の震度7の説明文の内容とほぼ一致すると考えられる。」と記載。

※a2 「対応する現象が現在の震度7の説明文の内容」については、同書「震度を知る−基礎知識とその活用」の8頁、「昭和24(1949)年〜平成8(1996年)地震津波業務規則 別表第4付表」の「階級Z」の説明「激震。家屋の倒壊が30パーセント以上に及び」とある。

※b 800galといっても、800galが数秒間継続という条件がつくので、実質の加速度は大きくなり、内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」では、震度6強と7の境界加速度を1500gal程度となる。

※c 宇佐美龍夫編著「地震工学」市谷出版社14頁 表1・1 気象庁震度階級表「気象庁震度階級(1949)」に記載。 杉山英男著「地震と木造住宅」丸善 1996年 194頁 「1949年(中略)改訂当初は各震度に相当する加速度が記載されていた」と記載。




■現行震度階では、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は震度6弱程度と判明

 現行建築基準法の耐震基準の「安全限界」では、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」としているにも関わらず、耐震等級1・2の建物、それも耐震等級3に近い建物が、震度6強で倒壊した理由は、以上のように、1996年に気象庁が、1949年以来約50年ぶりに震度階を大改定していたからである
 以下に、1996年改定以前と改定後の比較を示す。

震度階(1991年までの時期、目安として明記)】
 震度4:25〜80gal、震度5:80〜250gal、震度6:250〜400gal、震度7:400gal以上

改定震度階(1996年改定、周期約0.6秒※Bで下記加速度が数秒間継続した場合)】
 震度4:25〜80gal、震度5弱:80〜140gal、震度5強:140〜250gal、震度6弱:250〜450gal、震度6強:450〜800gal、震度7:800gal以上(この値をめざしたフィルター設計のため誤差がある※C気象庁「震度と加速度」図3参照)

 このように、1996年の震度階改定で、阪神・淡路大震災での被害状況も勘案し震度6と7の境界加速度が400galから2倍の800galに引上げられているが、但し、800galといっても、800galが数秒間継続という条件がつくので、実質の加速度は大きくなり、内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」では、震度6強と7の境界加速度を1500gal程度(下記表参照)としており、3.75倍程度に引上げられている

※「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)212頁。

 【内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より】
震度
5弱
5強
6弱
6強
最大速度(kine)
4〜10
10〜20
20〜40
40〜60
60〜100
100〜
最大加速度(gal)
        100       240        520        830  1100  1500



 加速度と震度階を整理すると以下のようになる。

震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。

 そのため、長年、300〜400galを、震度6強〜7程度※Aとしてきた建築基準法の「安全限界」は、1996年以降では、震度6弱程度に引き下げられていたのである。なお「安全限界」とは、建築物が倒壊・崩壊等しない限界のことで、これを超えると倒壊・崩壊が始まる。



          損傷限界     安全限界
             ▼          ▼
  地動加速度  0  80   250   400gal 



震度階
1996年以前


          損傷限界     安全限界
             ▼          ▼
  地動加速度  0  80 140 250    450       800gal



改定震度階
※1

5弱
5強
6弱
6強

          損傷限界     安全限界
             ▼          ▼
  地動加速度  0 100  240     520       830         
       1500gal 


改定震度階
※2

5弱
5強
6弱
6強




損傷限界:建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界
安全限界:建築物が倒壊・崩壊等しない限界

※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。
※なお、グラフの色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定




■震度7の新旧震度階比較 (震度7:倒壊等が生じない「安全限界」の本来の基準震度)

 現行建築基準法の耐震基準の「安全限界」では、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」としている。以下に、震度7の、気象庁震度階1996年改定以前と改定後の比較を示す。

 【震度7の新旧比較
震度
加速度(gal)
速度(kine)
震度階※1
400〜
40〜
改定震度階※2
1500〜
100〜

※1 速度は、下記説明   の通り、基準となる周期Tは、T≒0.6秒であり、ω=2π/T≒10 なので、加速度の1/10が速度となる。
※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。


 この差は非常に大きく、後述のような「建物と地盤の相互作用」で埋められるものでは無い



■現行震度階での、損傷限界・安全限界に至る地震動の震度算出

 ここで建築基準法の「損傷限界」また「安全限界」の震度を詳細に検討してみる。
 「損傷限界」とは、建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界のことであり、これを超えると、建物の損傷が始まり、「安全限界」とは、前述の通り、建築物が倒壊・崩壊等しない限界のことで、これを超えると、倒壊・崩壊が始まる、というものである(下記、2007年版国土交通省住宅局建築指導課監修『建築物の構造関係技術基準解説書』53頁)。

 2007年版の国土交通省住宅局建築指導課監修『建築物の構造関係技術基準解説書』では、
安全限界」に対応する「最大級の(極めて稀に発生する)地震動」に関しては、従来記載されていた「震度6強〜7程度」の記載が抹消(49頁2001年版の48頁には「震度6強〜7程度」と記載)されており、「標準せん断力係数1.0以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」となっており、時刻歴応答解析から逆算して求めるしか方法がなくなった。
損傷限界」に対応する「中程度の(稀に発生する)地震動」に関しても、同様で、従来記載されていた「震度5強程度」の記載が抹消(49頁2001年版の48頁には「震度5強程度」と記載)されており、「標準せん断力係数0.2以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」となっており、時刻歴応答解析から逆算して求めるしか方法がなくなった。

 そこで、時刻歴応答解析を行った結果、固有周期0.15秒〜0.8秒減衰定数5%の範囲に入る一般建物では、以下の通りであり、やはり、「安全限界」は、震度6弱程度であった

建物に最不利入力時=安全側
損傷限界」(標準せん断力係数0.2)に至る「中程度の地震動」: 震度4〜5弱  (計測震度3.9〜4.5)
安全限界」(標準せん断力係数1.0)に至る「最大級の地震動」: 震度5強〜6弱(計測震度5.4〜5.9)

建物に最有利入力時=危険側
損傷限界」(標準せん断力係数0.2)に至る「中程度の地震動」: 震度4〜5弱  (計測震度4.3〜4.7)
安全限界」(標準せん断力係数1.0)に至る「最大級の地震動」: 震度6弱〜6強(計測震度5.7〜6.1)

 ここで、
建物に最不利入力時=安全側」とは、建物が耐えられる地震力が計算上最も小さくなる(安全側の)場合で、建物のXまたはY方向の水平1成分のみ地震入力した場合である。
建物に最有利入力時=危険側」とは、建物が耐えられる地震力が計算上最も大きくなる(危険側の)場合である。 すなわち、同じ大きさの地震力を水平2成分で入力想定の場合で、そのため基準法上、XY方向別々計算のため入力加速度を上記「最不利入力時」に比べ1.41倍大きくでき、加えて、上下動入力も想定のため(基準法上計算しないので)上下動入力加速度分を大きくできる場合である。 上下動は水平2成分合成1G時に0.3G(平12建告2009号水準)となるような比率で地震継続全時間での入力を想定した。 なお、構造計算ではこのような「危険側」となる計算は許されていない

 耐震等級1・2・3ごとの「安全限界」「損傷限界」の震度算出は、下記の震度算出方法を参照。

 さらに、「超高層建築物」に関しての設計用地震動の震度も、以下に示す。
 「建築物が倒壊、崩壊等しないこと」を要求(平成12年告示第1461号)されている「極めて稀に発生する地震動」(=レベル2)は、すなわち、「安全限界」は、同様に、震度6弱程度である。 ⇒ 【参考】「民間独自の耐震基準づくり」(150kine 1500gal基準も)

 【超高層建築物の動的解析によく使用する地震動とその計測震度】
 ※なお、震度の色は中央防災会議の被害想定の震度分布図に合わせた。⇒「政府中央防災会議の地震被害想定


 以上のことから、「建築基準法通りの建物」を、大略イメージ化すれば、以下のとおりである。
・「無損傷」と「小〜大破壊に至る可能性」の境界加速度:「80〜100gal」、
・「小〜大破壊に至る可能性」と「倒壊・崩壊の可能性」の境界加速度:「300〜400gal程度」
は、『2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書』『1997年度版 建築物の構造規定』(国土交通省(建設省)住宅局建築指導課他監修)に記載の「最大級の地震動(大地震動)=300〜400gal」「中地震動=80〜100gal」に則っている。また、震度は、上述の通りである。


             (損傷限界)   (安全限界) 
            震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

  



基準法通り建物


 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■




■損傷限界・安全限界に至る地震動の震度算出方法

 最後に、上述の損傷限界・安全限界※Cに至る地震動の震度の算出方法を説明する。
@建物は、固有周期 0.15秒、0.3秒、0.6秒、0.8秒、減衰定数 5%の範囲のものとし、1質点モデルとした。
A模擬地震波(建築基準法施行令第88条、第82条の5第三・五号、平成12年建設省告示1457号の加速度応答スペクトルに基づく)を、工学的基盤、第1種地盤、第2種地盤ごとに、10波(ランダム位相)ずつ作成した。
B上記地盤ごとに作成した10波ごとに、どの程度の増幅(低減)率の地震波が、建物応答で
・損傷限界(C0=0.2 ⇒196.2gal)、
・安全限界(C0=1.0 ⇒981gal)
に至るかを時刻歴応答解析で求めた。
Cその地震波ごとに、その解析結果から計測震度、震度を求めた。
D以上の計算を、建物にとって「安全側」と「危険側」の2つの場合について行った。

詳細結果は、下記から参照可能である。 耐震等級2・3の場合も掲載している。

建築基準法施行令第88条、第82条の5第三・五号に基づく地震力×1.0 倍(耐震等級1)の場合 [PDF形式:55kb]
建築基準法施行令第88条、第82条の5第三・五号に基づく地震力×1.25倍(耐震等級2)の場合 [PDF形式:55kb]
建築基準法施行令第88条、第82条の5第三・五号に基づく地震力×1.5 倍(耐震等級3)の場合 [PDF形式:55kb]



【ここまでの共通の※】

※A 「約300gal〜400gal程度で、震度6強〜7程度」の記載について
・1997年版の建設省住宅局建築指導課等監修「建築物の構造規定」においても、従来通り「約300galから400gal程度で、気象庁震度階の震度6強〜7程度」(17頁)と記載。 ⇒ 【参考】 1997年版「建築物の構造規定」
・2001年版の国土交通省住宅局建築指導課等編集「建築物の構造関係技術基準解説書」でも、「極めて稀に発生する荷重・外力」として「震度6強〜7程度」(48頁) と記載。 ⇒ 【参考】 2001年版「建築物の構造関係技術基準解説書」


※B 新耐震(1981年)では、80galで 8kine(一次設計)、400galで 40kine(ニ次設計)が設計用入力地震動の基準的なもので、ω=10 であり T=2π/ω≒0.6秒 となる。 この設計用入力地震動の周期と合致するので、「目安として」は妥当なものと考えられる。
新耐震(1981年)においては、80galで 8kine(一次設計)、400galで 40kine(ニ次設計)が設計用入力地震動という記載に関しては、
・渡部丹著「設計用入力地震動強さとそのレベルの設定−確率論から考えても」37-3、145頁、公共建築、1995年
・渡部丹著「設計用模擬地震動に関する研究」 建築研究報告No.92,March1981,建設省建築研究所
を参照。
この周期0.6秒を例に挙げたのは、旧震度階との継続性を維持した周期(約0.6秒)に着目するのが、わかりやすいためである。 さらに言えば、旧震度階では、震度6と7の境界加速度(400gal)は、「河角の式(I=2×log(a)+0.7)」に基づいておらず、1996年震度階改定時に、河角の式(最終的には定数項が違う修正式)に基づいた結果、旧と新の震度階の、震度6と7の境界加速度に大きなずれが生じた


※C フィルター設計と「河角の式(I=2×log(a)+0.7)/河角の修正式(I=2×log(a)+0.94)」の定数 07、0.94 について、少し詳しく説明する。
気象庁「震度と加速度」図3グラフについては、気象庁にヒアリングして同グラフを作成した。
グラフの作成手順は、
(1)震度階毎の計測震度の境界値から、河角の修正式で加速度を算出
(2)周期毎に、計測震度算出で使用する、ハイカットフィルター、ローカットフィルター、周期の効果を表すフィルターによる低減値をそれぞれ算出し、それらを乗じて低減係数を算出
(3)(1)と(2)を乗じて、各震度階に対応する加速度を周期毎に算出し、グラフを作成
となる。
旧震度階算出方法と、現行の震度階算出方法との関係を調べるため、加速度a[gal]について河角の式で算出した震度と、加速度b[gal]について河角の修正式で算出した震度が等しいとすると、
I=2×log(a)+0.7=2×log(b)+0.94
が成り立つ。 これより log(a/b)=0.12であり、a/b≒1.318となる。
つまり、現行の震度階算出方法で旧震度階算出方法と同じ震度を得るには、加速度に b/a≒1/1.318=0.759倍の差がある。
ここで、上記グラフで周期0.588秒(上記グラフエクセル中の「表」参照)のところを見ると、3種類のフィルターによる低減係数が0.759となっており、このように、周期約0.6秒付近(0.588秒)で、旧震度階算出方法と、現行の震度階算出方法とが一致するように、フィルター設計していることが分かる。


※D 「安全限界」の地震動の震度算出方法の動的解析に関して
住宅局建築指導課等監修「建築物の構造規定(1997年版)」の説明によると、

8.2.5 保有水平耐力 (1)保有水平耐力と必要保有水平耐力
 (前略、以下、140頁記載)
この尺度として考えられるものが、以下に示す考え方である。大きな地震動を受けた場合の建築物の挙動についてはN.M.Newmarkの研究以来一般に次のことが認められている。完全弾塑性復元力特性をもつ一質点系構造物が地震動を受けた場合、弾塑性応答と弾性応答との関係は地震による入力エネルギーが同量であるため図8.2-5に示す力−変形曲線の囲む面積が同じになる。
 これを建築物の耐震性とあわせて考えれば次のようになる。建築物が地震により崩壊しないためには、地震動に対して構造体が弾性状態にとどまるか、塑性状態に入っても構造体の抵抗力が急激に減ずることなく変形し得る必要があるということになる。
 つまり、図8.2-5で与えられる面積は地震時に建築物に入力し得るエネルギーの大きさを表すことになる。このように考えて、図8.2-5のOAのような力−変形関係をもつ建築物と、OCDのような力−変形関係をもつ建築物の耐震性が△OABと□(台形)OCDEの面積が等しければ同じであると評価するのである。
 建築物に要求すべき最終的な水平方向の抵抗力を必要保有水平耐力というとき、図8.2-5に示されるA点の耐力がQudで表される。その大きさは、弾性応答1Gの水平力である。

以上から、「安全限界」の、応答1Gの水平力(加速度)計算も、弾性応答を行うということである。
(要するに、「弾塑性応答」で計算すれば、1Gまで応答値は達しないが、「ねばり」を期待できるので、エネルギー的に等価になるように「弾性応答」で換算すれば、1G相当になるという考え方である。)




■実際の地震でも「震度6弱から全壊」=新耐震で全壊被害があった地震から

 2003年7月26日宮城県北部の地震以降に、1982年以降の木造(「新耐震」)の全壊被害があった地域の観測点での地震動を下表に掲載する。震度6弱から全壊が始まっている


【新耐震で全壊被害があった最近の地震動】
 加速度以外の速度、変位のデータが無いものは、時刻歴データを公表していないためである。
 全壊棟数の出典は、気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月)の第1章

 さらに、上記の2003年7月26日宮城県北部の地震以降の地震被害と、1995年兵庫県南部地震の西宮市での地震被害とを足し合わせて、「新耐震木造全壊率と計測震度との関係」を下図に掲載する。
 震度6弱から全壊が始まっているのが、より明瞭になる。

 震度階級と計測震度との関係は以下の通りである。
 震度6弱:計測震度5.5〜6.0  震度6強:計測震度6.0〜6.5  震度7:計測震度6.5〜


【1982年以降建物全壊率-計測震度 】
青▲は1995 年兵庫県南部地震の西宮市のプロット、
黒●▲は、平成15年の宮城県北部の地震、平成16年(2004 年)新潟県中越地震、平成17年の福岡県西方沖の地震、平成19年(2007 年)能登半島地震、平成19年(2007 年)新潟県中越沖地震、平成20年(2008 年)岩手・宮城内陸地震、平成20年の岩手県沿岸北部の地震

出典は、気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月) 第1章の 1 - 22頁 震度階級と計測震度との関係:波形記録有無含む全データは第3回検討会資料2-2 20頁より



■「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率驚異的上昇

 しかるに、以下の章で述べるように、昨年の政府地震調査委員会の発表では、「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率が驚異的に上昇し、関東・東海・近畿の多くの市区町村で50%を超えている(下表参照)。
 中央防災会議の発表でも、東海地震、東南海地震、南海地震、首都直下地震の発生確率は、30年以内に60〜70%、50年以内90%である(東海地震はすぐに来てもおかしくない状況)。且つ、関東・東海・近畿の広域で震度6弱以上を予測している(下地図の黄・橙・赤色地域)。
 以上のように、現行の建築基準法通りの建物の「安全限界」は震度6弱程度であるから、「震度6弱」から危険水位、「震度6強」では、「安全限界」を超えており(建築物が倒壊・崩壊しないという)安全が保証されない状態になっている




30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)




30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる4大都市(役場単位)
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
4大都市
場所
2009年
2008年
東京都区内大田区役所
67.93%
29.20%
 江戸川区役所
66.27%
30.94%
 葛飾区役所
64.31%
29.78%
 荒川区役所
63.55%
14.27%
 江東区役所
62.25%
40.17%
 足立区役所
61.75%
13.06%
 港区役所
61.32%
27.15%
 中央区役所
61.20%
24.76%
横浜市港北区役所
71.41%
30.48%
 栄区役所
69.00%
15.85%
 神奈川区役所
68.23%
29.62%
 鶴見区役所
67.82%
32.82%
 西区役所
67.66%
45.92%
 横浜市役所
66.73%
32.87%
 中区役所
66.73%
32.68%
 南区役所
55.96%
32.88%
 磯子区役所
55.22%
27.71%
名古屋南区役所
88.11%
67.52%
 天白区役所
84.57%
44.74%
 中村区役所
82.78%
64.48%
 中川区役所
81.40%
48.92%
 港区役所
77.57%
53.46%
 西区役所
77.17%
58.03%
 北区役所
72.33%
55.52%
 熱田区役所
53.50%
47.36%
 緑区役所
50.67%
60.03%
 中区役所
50.01%
39.36%
大阪市平野区役所
68.79%
28.55%
 鶴見区役所
68.61%
24.98%
 城東区役所
68.56%
30.19%
 都島区役所
68.52%
29.55%
 東成区役所
68.06%
25.73%
 旭区役所
65.80%
23.05%
 東淀川区役所
64.60%
21.84%
 住之江区役所
63.66%
26.75%
 西区役所
60.89%
23.52%
 大阪市役所
59.73%
23.04%
 福島区役所
59.04%
22.33%
 淀川区役所
57.65%
21.43%
 大正区役所
56.87%
24.31%
 西淀川区役所
56.14%
20.84%
 港区役所
55.06%
23.21%
 此花区役所
52.66%
22.00%


※各市区役場(周辺)での最大地震発生確率で、市区内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)

 
  地図をクリックすると、地震被害想定資料が参照可能。



 下記の話にそのままつながるが、加速度(震度)が比較的小さくても(「安全限界」加速度(400gal)を超えておれば)、変位がそれなりに大きいと、全壊等の被害が出る。つまり、地盤周期の長い、地盤の良くない場所で起こると、かなりの地震被害が出る。
 その地盤の良くない地域での、地震発生確率が、異常に上昇している。 ⇒ 地震発生確率50%を超える市区町村
 地震が頻発しているが、現在のところ、首都圏、中部・近畿圏で、M6弱以上の大地震が起こっていない。このような大都市圏では、軟弱地盤に住宅地が広がり、多くの人が住んでいる。
 今回の問題は、それを念頭に考えるべきである。



■変位の大きな地震の増加とその破壊力

 変位の大きな地震が増えている。


【変位の大きい地震動】

 それは埋立地、軟弱地盤での宅地等の造成が増えているからである。
 そのような地盤では地震加速度が増幅するだけでなく、地震の変位が増える。

 そうなると、
倒壊の基準となる層間変形角を容易に超えるだけでなく、
保有水平耐力の前提となる変形量が、地震の変位の大きさで、倒壊・崩壊過程での余裕として、考えるわけにはゆかなくなる。

 加速度がそれほど大きくなくても、(応答値 200gal(地動加速度 80〜100gal)程度で破壊が始まるので) 300〜400galの地動加速度で、50cmも変位すれば、倒壊する建物が増える。
 そのような地震でも震度6弱である(現行震度階は「加速度基準」のため、変位が反映されにくい)。

 軟弱地盤においては、変位が大きくなった地震動では、震度6弱でも倒壊が始まる

 上記説明のように、
 そのような地盤の良くない地域での地震発生確率が異常に上昇している。 ⇒ 地震発生確率50%を超える市区町村
 地震が頻発しているが、現在のところ、首都圏、中部・近畿圏で、M6弱以上の大地震が起こっていない。このような大都市圏では、地盤の良くない地域に住宅地域、業務地域が拡がっている
 このような地域においては、変位が大きくなり、震度6弱でも倒壊が始まる

 今回の「耐震基準の問題」は、
地盤の良くない地域での、地震発生確率が異常に上昇している
地盤の良くない地域では、変位が大きくなり、震度6弱でも倒壊が始まる
ことを念頭に考えるべきである。



【参考】 加速度(震度)が小さくて地震被害の大きい地震、加速度(震度)が大きくても地震被害の少ない地震

 震度6弱から全壊が始まっているが、震度6強でも倒壊の少ない地震があるのは、現行の気象庁震度階が、「加速度」をベースに計算を行っているゆえの問題である。同じ加速度であれば、変位・速度の差がそれほど震度に反映されない問題である。

加速度(震度)が大きくても、短周期(変位が小さい)の地震の場合は、全壊等の被害がそれほどで発生しない。

加速度(震度)が比較的小さくても(「安全限界」加速度(400gal)を超えており)、変位がそれなりに大きいと、全壊等の被害が出る。
地盤周期の長い、地盤の良くない場所で起こると、かなりの地震被害が出る。
地震が頻発しているが、現在のところ、首都圏、中部・近畿圏で、M6弱以上の大地震が起こっていない。
このような大都市圏では、軟弱地盤に住宅地が広がり、多くの人が住んでいる。
それを念頭に考えるべきである。

★加速度(震度)が小さくて地震被害の大きい地震、加速度(震度)が大きくても地震被害の少ない地震について
 加速度(震度)が比較的小さくても(「安全限界」加速度(400gal)を少し超えているだけでも)、地震被害の大きい地震は、変位が大きい地震、中・長周期成分が主成分の地震である。


【震度と全壊率が逆転した地震動】
 上表は、震度の小さい方が、全壊率が大きい地震動の比較である(震度5.8: 11.1%、震度6.1: 0%/1982年以降の木造(「新耐震」)全壊率)。加速度は震度が大きいほうがはるかに大きい(震度5.8: 490gal、震度6.1: 1566gal/水平成分合成)、しかし変位がまったく違う(震度5.8: 80.1cm、震度6.1: 3.8cm/水平成分合成)。


【震度がほぼ同じで変位の大きさがまったく違う地震動】
 上表のように、震度がほぼ同じ(6.2と6.1)で、変位がまったく違う(66.2cmと3.8cm)地震動が存在する。加速度は、平成19年新潟県中越沖地震の方が約半分と小さいにもかかわらず、全壊棟数は、観測点のある柏崎市だけで1000棟以上であり、平成15年宮城県沖の地震の方は、全国でも僅か2棟である。

★阪神大震災の場合
神戸海洋気象台等の地盤の良い所では、加速度(震度)が大きくても、それほど周期が長くない(変位もそれほど大きくない)ので、全壊等の被害がそれほど発生していない。

JR鷹取駅周辺等の地盤の良くない所では、上記神戸海洋気象台観測波ほどの加速度ではないが、変位が大きいので、全壊等の被害がかなり発生している。

★全壊率の指標 (加速度+変位 ⇒ 「速度」)
 「加速度」より、「速度」の方が、全壊率との、相関性が高い。

一定以上の(応答)加速度と一定以上の(応答)変位に到達すると倒壊が始まる。」
ので、
「全壊率(倒壊率)は、「(応答)加速度+(応答)変位」との、相関性が高い。」
が正しいと考えられる。 (応答)と書くことによって「周期=共振」概念も加味できる。

 つまり、
「全壊率(倒壊率)は、「加速度+変位」との、相関性が高い。」

 このことをアバウト(加速度+変位のアバウトな合成指標)に表現すれば
全壊率(倒壊率)は、「速度」との相関性が高い。」



■耐力として余裕があるか

 以上を整理すると、


1996年(気象庁震度階改定)以前:
 建物の安全限界の加速度300〜400gal震度6-7境界の地動加速度400gal
  ⇒ 「震度6-7(境界:400gal)まで倒壊等の被害が生じない」と言える

1996年(気象庁震度階改定)以降:
 建物の安全限界の加速度300〜400gal<<震度6強-7境界の地動加速度1500gal
  ⇒ 「震度6強-7(境界:1500gal)まで倒壊等の被害が生じない」とは全く言えない


となる。
 以上の話は、地表面地震動ではなく、建築物への真の地震入力の震度で、且つ構造躯体(「建築物の構造耐力上主要な部分」)のみの耐力の場合であり、且つ標準せん断力係数C0=0.2、C0=1.0の構造計算をしている場合である。


 耐力としてどれだけ余裕があるかを見るために、
有利な話、不利な話を列挙すると


★有利な話
余裕を持って設計している場合
不静定次数が高い場合
仕上材等の二次部材(建築基準法では認めていない)
地震入力方向については、建物にとって有利な方向(正方形建物の場合45度入力等)で入力する場合
「建物と地盤の相互作用」が有利に働く場合


★不利な話
余裕を持って設計していない場合も多い
不静定次数が高くない場合
仕上材等の二次部材についても、バランスを崩す場合もあり偏心形成、短柱の形成等、全て有利に働くとは限らない。また耐力が得られない場合も多い
設計、施工のミス(手抜きの場合もある)
使用上の問題、経年劣化
地震入力方向については、阪神・淡路大震災でのJMA神戸波のように、ほぼ南北方向で建物に不利な方向で入力する場合もある
「建物と地盤の相互作用」が不利に働く場合もある
2階建て木造住宅等の4号建築(木造の場合は、2階以下、延面積500u以下、高さ13m以下、軒高9m以下)は、仕様規定のみで、標準せん断力係数C0=0.2、C0=1.0の計算もしていない場合も多い
  →「新耐震でも76.75%で耐震性に問題がある」(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査 2頁)
31m以下の建物で、不整形(剛性率・偏心率が規定値外)で無い場合は、標準せん断力係数C0=1.0の計算をしていない場合が多い


 結局、不利な話も考えると、有利な話だけをしていると危険な可能性を持つ。  



■「相互作用」で補完する説明にも限界

 (現在、1998年建築基準法改正で2000年に施行された「限界耐力計算」では、「建物と地盤の相互作用」の効果を、一般建物の設計にも利用可能となった。
 しかし、
現在の耐震基準が「実効入力地震動」という形で、「設計用地震動」を、既に「地表面地震動」に対して低減したものであれば、二重に低減した形となり、非常に危険である。 ⇒ 【参考】「設計用地震力の評価」
 結局、以下に述べる議論は、地表面地震動は、地表面地震動として確定し、その後、建物への入力として、「建物と地盤の相互作用」が有利に働く場合は、低減するのは良い。「建物と地盤の相互作用」は、場合によっては不利に働く場合もあるし、木造住宅のような軽量のものでは期待できないこともある。そのため、耐震基準として全国一律に、既に低減しているのであれぱ、問題である。)


 1997年(1997年版「建築物の構造規定」)以降、「建物と地盤の相互作用」で、説明する方向に、すなわち、「実効入力地震動」で、地動加速度と建物入力加速度の違いで説明しようとしてきた。建物が倒壊・全壊するレベルの地震動でも、「建物と地盤の相互作用」が有利に働けば、倒壊・全壊しない場合もあるという説明である。
 しかし、後掲の「建物と地盤の相互作用」文献のように、「建物と地盤の相互作用」についても、「必ず有利に働く」という考え方は、非常に危険である


★木造の場合は、「地盤建物相互作用による建物周期の伸びは小さいこと、減衰効果もそれほど大きくない」※3 の通りで期待できない。

★中層建物の場合でも、「大被害に至らないまでも相互作用効果のために応答が増大する逆転現象ケースも見られた」※2 の通りである。

★軟弱地盤に建つ場合が増えているが「長周期側に大きなピークを持つ地震動に対しては相互作用による周期の伸びによって応答が増大する場合もある」※1 の通りである。

★観測結果から「建物と地盤の相互作用」の入力損失の効果は、地震動の短周期側では確認されている。例えば、建築研究所新館また釧路合同庁舎では地震動の周期0.5〜0.6秒以下の効果は確認されている。しかし、「地震動の周期約0.7秒以上では、「建物と地盤の相互作用」による建物への実効入力の低減効果はほとんど期待できない」※4 ということであれば、阪神大震災で最大加速度を観測した神戸海洋気象台観測波(卓越周期約0.7秒)同等以上の地震動では、地震入力を低減する効果が無いことになる(下表参照)。
つまり、このような一般的な地盤では、阪神大震災で最大加速度波クラスもしくはそれ以上の破壊力のある(速度・変位の大きい)地震動※では、効果が期待できないということになる(※大きな加速度の地震動ほど地震動の周期は伸びる)
また、今までの地震被害との関係で見れば、地震動周期0.5秒以下での低減効果であれば、それほど建物の全壊等にかかわる被害には貢献しない。(阪神大震災の、「安全限界」の加速度を大きく超える地震動(建物が倒壊・全壊するレベルの地震動)でも、倒壊等の被害が少なかった理由は、後述の説明のように、地震変位が、倒壊させるほどの変位ではなかったことによる可能性が大きい。)


【ローカットフィルターによる震度の低減/JR鷹取波


【ローカットフィルターによる震度の低減/JMA神戸波

上表は、「建物と地盤の相互作用」の入力損失の効果として、0.4秒、0.6秒のローカットフィルターを掛けてみたものである。しかし、ほとんど震度・計測震度低減に貢献しない。例えば、0.6秒のローカットフィルターの場合は、0.6秒以下の全ての周期にわたって、100%カットされるので、「建物と地盤の相互作用」による入力損失よりも、極端な(100%)低減のフィルターである。そういうものであっても、上表の通り、震度低減には貢献しない。

★しかも、建築基準法通りの建物では、「安全限界」が、震度6弱程度(300〜400gal)で、震度6強-7の境界加速度でさえ「日本で起きる一般的な地震」では1,500galと考えられるので、「建物と地盤の相互作用」が有利に働いたとしても、到底無理がある。


【ローカットフィルターによる震度の低減/タルザナ波


【ローカットフィルターによる震度の低減/日野波

上表は、「建物と地盤の相互作用」の入力損失の効果として、震度7になる、以下の地震に、ローカットフィルターを掛けてみたものである。

  タルザナ波(1994年ノースリッジ地震)
  日野波(2000年鳥取西部地震 KiK-net日野(TTRH02))

前述のように、0.6秒のローカットフィルターの場合は、0.6秒以下の全ての周期にわたって、100%カットされるので、「建物と地盤の相互作用」による入力損失よりも、極端な(100%)低減のフィルターである。そのような極端なローカットフィルターをかけた後(入力損失後)であっても、加速度は、「安全限界」の 300〜400gal を、はるかに超えている
また、加速度がローカットフィルター(入力損失)によって下がったとしても、中・長周期成分は温存されているので、これらの波は、非常に破壊力のある波である。
つまり、「建物と地盤の相互作用」による入力損失によって、短周期成分がカットされたとしても、中・長周期成分が残っている限り、実質の破壊力も温存される。 ⇒ 全壊率の指標


【「建物と地盤の相互作用」文献】
1 東京大学地震研究所:「兵庫県南部地震のように長周期側に大きなピークを持つ地震動に対しては相互作用による周期の伸びによって応答が増大する場合もあり得ること、等を明らかにした。」(壁谷澤研究室)

2 京都大学防災研究所:「低層建物は相互作用の効果で大被害を免れる場合もあるが、その恩恵を常に受けるわけではなく、(中略)中層建物の場合、大被害に至らないまでも相互作用効果のために応答が増大する逆転現象ケースも見られた。」(相互作用と上部構造の応答,第6回構造物と地盤の動的相互作用シンポジウム,2001年3月5日)

3 (独)建築研究所:「木造住宅における地盤建物相互作用による建物周期の伸びは小さいこと、減衰効果もそれほど大きくないこと、また、これらの振動特性は、地盤種別の影響を受けることなどが判った。」(既存木造建物の地震応答観測(その1) 大都市大震災軽減化特別プロジェクト(平成15年度) 2004年5月 495頁)

4 (独)建築研究所:「地震時における建築物への実効入力地震動の評価に関する研究(研究期間 平成17〜19 年度)」において、「原田の提案式1)の妥当性を観測記録により検証した。(中略) 簡易式の適用性を確認することができた。」その結果の「図1 観測におけるフーリエスペクトル比と原田の結果との比較(全観測地震動)」(下図参照)に従えば、地震動の周期約0.7秒以上では、「建物と地盤の相互作用」による建物への実効入力の低減効果はほとんど期待できない、ということになる。 ⇒ 参考論文1
また、釧路合同庁舎の地下1階と地表に対するフーリエスペクトル比でもほぼ同様の観測結果が得られている(「建築研究所の強震観測」鹿嶋俊英著 防災科学技術研究所研究資料 第264号2005年3月 38頁図13(下図参照))。
また、広尾町役場の1階と敷地内地盤上のK-NET広尾観測地点に対するフーリエスペクトル比でもほぼ同様(地震動の周期約0.35秒以下の効果=0.35秒以下の効果とは、計測震度を計算する時の「ひげ」を取るフィルター程度の効果でしかない))の観測結果が得られている(「建築研究所の強震観測」鹿嶋俊英著 防災科学技術研究所研究資料 第264号2005年3月 36頁図8(下図参照))。
このことは、約2秒の免震装置では、周期1秒台の地震動の免震はほとんど困難であり、一般的な地盤ではそれよりも固いので、うなずけるものである

【図1 観測におけるフーリエスペクトル比と原田の結果との比較(全観測地震動)/建築研究所新館】



【図13 地下1階と地表に対するフーリエスペクトル比/釧路合同庁舎】



【図8 K-NET広尾と広尾町役場の記録のフーリエスペクトル比/広尾町役場】



■国の耐震基準の基本的考え方

 ここで振り返ってみると、

・1996年の気象庁震度階改定まで
 建物の安全限界の加速度300〜400gal内に、地動加速度400galがほぼ収まり、「震度6-7(境界:400gal)まで倒壊等の被害が生じない」という考え方は、構造部材要素だけの計算に基づく考え方(「安全側の考え方」)であったのが、

・1996年の気象庁震度階改定以降
 建物の安全限界の加速度300〜400galと、地動加速度1500galとの差を補うために、構造部材要素だけでは足りないので、以上述べた各種要素を動員して、有利に働く場合不利に働く場合もある要素を、有利な要素だけをみて(それでもまだ足りないが)「震度6強-7(境界:1500gal)まで倒壊等の被害が生じない」という、あってはならない非常に「危険側の考え方」になっていないか。 ⇒ 【参考】 100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)

 言うまでも無いことだが、「国民の生命と財産を守る」という国の耐震基準の考え方としては、本来の、 「安全側の考え方」に立ち返るべきであろう。そして、ギリギリで余裕の無い状態、というよりも不足している状態を一刻も早く解消すべきである。 ⇒ 姉歯事件の問題



【参考】 100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)

 1995年阪神・淡路大震災以降、以下のように、100kine以上、1000gal以上の地震動が多数観測されている。
 政府中央防災会議から「地震はいつどこで発生してもおかしくない」と発表され、阪神・淡路大震災以降、現在までのところ、100kine 1000gaを超える強震動が、首都圏・中部圏・近畿圏で起こっていないことは、不幸中の幸いである。


【1995年以降の強い地震動の加速度・速度・変位】

 この表のデーターは、気象庁のデーター 、気象庁のデーターの内*印の付いた観測点は地方公共団体の設置した震度計のデーターK-NETKiK-net((独)防災科学技術研究所)のデーターによっている。上記データーの、3成分の加速度データーのあるもののうち、震度の大きい順に抽出した。データーに速度・変位の記載が無い場合は、弊社が加速度時刻歴データーから算定している。加速度時刻歴データーの無い場合は速度・変位の算出は困難なので、空欄となっている。

 この表の地震波の並び順は、地震ごとに、計測震度順で並べた。この表をクリックすると計測震度・震度、水平ニ方向の合成値を含んだPDFの表が参照可能である。

 この表での赤字記載について、800gal以上・80kine以上・20cm以上は赤字とし、1000gal以上・100kine以上・40cm以上をさらに太字とした。

 ここで、時期、時期で、1000gal以下、2000gal以下、4000gal以下しか観測されなかったのは、単に加速度型強震計の「測定可能範囲」による可能性がある
 すなわち、
(独)防災科学技術研究所は2007年度末までに強震観測網(K-NET, KiK-net)のほぼ全観測点において、地上設置型の加速度型強震計を測定可能範囲が、2000galのものから4000galのものへ換装」した。阪神・淡路大震災当時は測定可能範囲1000gal、その後、2000galに、そして4000galの時代に入った。 単に、それまでに、1000gal以下、2000gal以下、4000gal以下しか観測されていなかったのは、加速度型強震計の「測定可能範囲」の問題だった可能性がある。ちなみに、「震度」についても、阪神・淡路大震災後の1996年改定(1991年部分試行)までは、震度観測は体感(「体感震度」)で行われていたが、1996年改定後は、器械により観測される「計測震度」(計測震度は加速度波形から計算される)となった。以上のように、阪神・淡路大震災以降、地震計測に関して、大きく進歩したといえる。



■実効入力地震動からみても

★「実効的なもの」と「建物と地盤の相互作用」について
 1998年建築基準法改正で2000年に施行された「限界耐力計算」では、「建物と地盤の相互作用」の入力損失効果を、一般建物の設計にも利用可能となった。

 しかし、1997年版「建築物の構造規定」、2001年版、2007年版の「建築物の構造関係技術基準解説書」の説明で、阪神大震災では、800galが観測されているにもかかわらず、現行基準を、300〜400galでよいという話を、「地表面で観測された強震記録に比べて、建築物に作用する実効入力地震動は小さい」すなわち「建物と地盤の相互作用」による入力損失効果によって説明している。
 そういう話なら、現行の「最大級の地震動」の加速度は、入力損失を既に考慮したものとなり、「限界耐力計算」での「相互作用」による入力損失計算は、二重の低減計算となり、大問題となる。

 また、800galが、神戸海洋気象台周辺のような地盤の良い所では、「相互作用」で、300〜400galまで下がらない。また軽量の木造では「相互作用」による入力損失はそれほど期待できない。また増幅する場合もある。 ⇒ 「相互作用」

 ここで、「実効入力地震動」の「実効的」なるものの概念を考えると、
「建物と地盤の相互作用」による入力損失効果を持ち出すより(効果が無い場合、増幅する場合もあるので)、下記説明での「気象庁計測震度計算」のような、「建物への作用時間(継続時間)」という説明の方が良かったではないか。地震波のピークは 800galであったとしても、建物への作用時間を考えた「実効的」なものは、400galだったという説明の方が良かった。その方が気象庁震度との整合性がついた。

★実効入力地震動からみても
 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修気象庁)212頁の記載に従えば、
1996年に気象庁は、前年の兵庫県南部地震の現地調査の結果を見て、震度6と7との境界加速度(400gal)を大きく引き上げる震度階改定を行った。

 この説明に従えば、
1948年の福井地震の被災状況をみて、1949年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を400galとし、
1995年の阪神大震災の被災状況をみて、1996年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を、800gal(河角式の通り)まで引上げているので、
1996年改定段階で、実質2倍に引き上げたことになる。
(1981年に建築基準法改正で、在来木造の必要壁量を1950年段階の約2倍に上げているので、この話は対応する。)

1949年に、実効的なものとして、400galとし、
1996年に、実効的なものとして(継続時間=「建物への作用時間」を考慮して)、800galとしたわけである。

1997年版「建築物の構造規定」、2001年版、2007年版の「建築物の構造関係技術基準解説書」の説明に従えば、「実効入力地震動」に相当し、

実効入力地震動 400gal ⇒ 地表面地震動 800gal
実効入力地震動 800gal ⇒ 地表面地震動 1500gal(内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より)

というようになる。

 以上のことから考えても、1996年の気象庁震度階改定で、2倍程度差が生じている
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得なくなるのである。

※ 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)8頁、「昭和24(1949)年〜平成8(1996年)地震津波業務規則 別表第4付表」の「階級Z」の説明「激震。家屋の倒壊が30パーセント以上に及び」とある。



■震度を「速度」で換算して考えてみても

 以上の話は、現行の気象庁震度階の震度計算における「加速度基準」に従って論を進めてきた。
 しかし、現行の気象庁震度階には、後述のような「計測震度計算プログラムのローカットフィルター問題」があるので、中央防災会議の全壊率テーブル等にしたがって、震度を「速度」で換算して考えてみることにした。

 内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」から、

震度
5弱
5強
6弱
6強
最大速度(kine)
4〜10
10〜20
20〜40
40〜60
60〜100
100
となる。

 現行建築基準法の「耐震基準」の、倒壊等の被害を生じない「安全限界」の地震動の速度は、40kineである。
 (この表から見ても、現行「耐震基準」は、「5強〜6弱」である。前述の時刻歴応答解析結果と合致する。)

 それに対して、震度7は、100kine以上である。

 また、全壊率は、「加速度」よりも「速度」の方が、より相関していることは、「全壊率の指標」の通りである。

 以上のことからも、建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とする限り、速度においても2倍以上乖離しているので、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得ないのである。

 この「速度基準」での説明の方が、気象庁の現行震度階の「加速度基準」による問題に煩わされずに、現行建築基準法の「耐震基準」の問題を明瞭にすることができる。

 ※出典は、以下の文献である。
 ・「設計用入力地震動強さとそのレベルの設定−確率論から考えても」渡部丹 37-3、145頁、公共建築、1995年
 ・「設計用模擬地震動に関する研究」渡部丹 建築研究報告No.92,March1981,建設省建築研究所
 ⇒ 詳細説明

 また、倒壊等の被害を生じない「安全限界」の地震動の加速度 300〜400galを、内閣府「地震被害想定支援マニュアル」の表からみても、20〜40galゾーンに入り、40kineの値は大きめであるが、決して小さくは無い。

震度
5弱
5強
6弱
6強
最大速度(kine)
4〜10
10〜20
2040
40〜60
60〜100
100〜
最大加速度(gal)
        100       240        520        830  1100  1500



■震度6強〜震度7程度でも倒壊しないためには「耐震基準」を改定すべきである

 1996年に、気象庁が、前年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の現地調査の結果を見て、震度7の説明文の内容とほぼ一致するように※a、すなわち、家屋の倒壊が30%以上になるように※a2、震度6と7との境界加速度(400gal)を大きく引き上げる震度階改定を行った(800〜1500gal※b)。 ⇒ 説明1 
 その時点で(それ以降も)耐震基準の改定を行わなかったので、「現行の耐震基準」と矛盾することになってしまった。

 その結果、建築基準法通り、もしくはそれ以上の設計での、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建物が、実大実験で、ことごとく、震度6強の地震動で倒壊した。

 結局、建築基準法の耐震基準が「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」としている限り、「安全限界」の加速度(300〜400gal)も、同等(800〜1500gal※b)に改定すべきである。

※a 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)の212頁、「兵庫県南部地震の現地調査の結果、(中略)震度7を計測震度6.5以上と定義すれば、対応する現象が現在の震度7の説明文の内容とほぼ一致すると考えられる。」と記載。

※a2 「対応する現象が現在の震度7の説明文の内容」については、同書「震度を知る−基礎知識とその活用」の8頁、「昭和24(1949)年〜平成8(1996年)地震津波業務規則 別表第4付表」の「階級Z」の説明「激震。家屋の倒壊が30パーセント以上に及び」とある。

※b 800galといっても、800galが数秒間継続という条件がつくので、実質の加速度は大きくなり、内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」では、震度6強と7の境界加速度を1500gal程度となる。






【参考】 「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じない」について

 「耐震基準」の解説書である、住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書※」では、

建築物が倒壊・崩壊しない地震力」について、
1981年6月の「新耐震基準」施行以降、1997年版まで内容は、
 「地動の最大加速度で約300gal から400gal 程度で、気象庁震度階の震度6強〜7程度である。
という形で一貫している。
2001年版でも、「震度6強〜7程度」と記載
2007年版になって、2001年版と実質的内容は同じであるが、「震度6強〜7程度」の記載だけがなくなった。しかし、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」のように、関連図書・HPでは未だに「震度6強〜7程度」の記載が残っている。
 ⇒ 【参考】 住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」等


※本書は住宅局建築指導課監修による建築物の構造関係技術基準解説書で、1994年〜1997年は「建築物の構造規定」という名称、それ以前は「構造計算指針・同解説」(1981年「新耐震基準」施行以降)という名称であった。



【参考】 住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」等

 気象庁震度階改定の1996年以降の、住宅局建築指導課監修(編集)の「建築物の構造関係技術基準解説書」(本書は住宅局建築指導課監修(編集)による建築物の構造関係技術基準解説書で、1994年〜1997年は「建築物の構造規定」という名称、それ以前は「構造計算指針・同解説」(1981年「新耐震基準」施行以降)という名称であった)は、以下の3冊である。

「建築物が倒壊・崩壊しない地震力」について、
1981年6月の「新耐震基準」施行以降、1997年版まで内容は、
 「地動の最大加速度で約300gal から400gal 程度で、気象庁震度階の震度6強〜7程度である。
という形で一貫している。
2001年版でも、「震度6強〜7程度」と記載
2007年版になって、2001年版と実質的内容は同じであるが、「震度6強〜7程度」の記載だけがなくなった。しかし、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」のように、関連図書・HPでは未だに「震度6強〜7程度」の記載が残っている。

★1997年版の建設省住宅局建築指導課監修「建築物の構造規定」から

2.3 耐震性
2.3.1 設計用地震力

 建築基準法施行令では、耐震計算のための地震力の大きさとして2段階のものを考えることとしている。まず、耐用年限中に数度は遭遇する程度の地震(中地震動)に対しては、建築物の機能を保持することとする。また、建築物の耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の地震(大地震動)に対し、建築物の架構に部分的なひび割れ等の損傷が生じても、最終的に崩壊からの人命の保護を図る
 中地震動程度の地震力としては気象庁震度階の震度5強程度を考え、建築物の全体に作用する水平力として標準せん断力係数0.2以上、すなわちC0=0.2以上を採用している(木造建築物にあっては、地盤が著しく軟弱な区域内ではC0=0.3以上)。この水平力を生じさせる地震動の強さは、地動の最大加速度にして80〜100gal程度である。昭和56年5月まで用いられてきた建築基準法・同施行令でいう水平震度0.2以上に対し許容応力度設計するという耐震設計法は、約半世紀の歴史を持ち、通常の多くの建築物についてはこの方法で設計しておけば、計算外の余力が十分にあって、大地震に対しても崩壊しないという経験を持っている。
 大地震動時の地震力としては、関東大震災級の地動を想定していると考えてよい。その強さは、地動の最大加速度で約300gal から400gal 程度で、気象庁震度階の震度6強〜7程度である
 入力地震波の最大加速度と建築物の応答加速度とは、建築物の動的な構造特性を示す要因の一つである1次固有周期により結びつけられていて、建築基準法令で想定されているような建築物の範囲では、建築物が弾性挙動をすれば、建築物の最大応答加速度は、入力地震波の最大加速度のおおむね2.5倍から3倍の値となる。この値は、建築物の一次固有周期が長くなるにつれて、小さくなっていく性質のものである。この議論によれば、おおよそ300から400gal程度の地震動に対し、建築物が弾性挙動をするとすれば、その建築物の最大応答加速度は、おおむね1000galとなる。これを力に直すと、建築物の重量と同じ大きさの力((1G=980gal)による力)が水平にかかることになる。大地震動に対する耐震性のチェックの場合の水平力の大きさは、この1Gを基本に考えている(C0=1.0以上)。しかし、このように大きな水平力に対し、必ずしも建築物を弾性設計しなければならないというものではない。建築物に靭性があれば部分的に破損(ひび割れや降伏)してもすぐには崩壊しないことから、これに期待して設計することができる。(1997年版の建設省住宅局建築指導課監修「建築物の構造規定」16〜17頁)

 この後、1998年に建築基準法の改正(2000年施行)があったが、この部分は改正されていない。
 ただし、1997年版と2001年版以降とでは
耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の地震(大地震動) ⇒ 「最大級の荷重・外力(極めて稀に発生する荷重・外力)」
耐用年限中に数度は遭遇する程度の地震(中地震動) ⇒ 「中程度の荷重・外力(稀に発生する荷重・外力)」
の用語の変更があった。

 また、説明の加筆としては、
中程度の荷重・外力時:「標準せん断力係数0.2以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」
最大級の荷重・外力時:「標準せん断力係数1.0以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」
の定義が加わった。
以下に説明する。

★2001年版の国土交通省住宅局建築指導課等編集「建築物の構造関係技術基準解説書」から

建築物が倒壊・崩壊しない「最大級の荷重・外力(極めて稀に発生する荷重・外力)」として
震度6強〜7程度を想定(具体的には、標準層せん断力係数1.0以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力)」(48頁)

構造耐力上主要な部分に損傷が生じない「中程度の荷重・外力(稀に発生する荷重・外力)」として
震度5強程度を想定(具体的には、標準層せん断力係数0.2以上(地盤が軟弱な地域に木造を建てる場合は0.3以上)又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力)」(48頁)

となっている。

★2007年版の国土交通省住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」から

建築物が倒壊・崩壊しない「最大級の荷重・外力(極めて稀に発生する荷重・外力)」として
「震度6強〜7程度を想定」の記載が抹消されており、
「標準せん断力係数1.0以上又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」(49頁)

構造耐力上主要な部分に損傷が生じない「中程度の荷重・外力(稀に発生する荷重・外力)」として
「震度5強程度を想定」の記載が抹消されており、
「標準せん断力係数0.2以上(地盤が軟弱な地域に木造を建てる場合は0.3以上)又はこれに相当する加速度応答スペクトルに基づく地震力」(49頁)

となっている。



【参考】「設計用地震力の評価」について/住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」等から

 「設計用地震力の評価」について、「建物と地盤の相互作用」と関係があるので、記載する。前記説明の1997年版、2001年版ともに、ほぼ同文であるので、2007年版の「建築物の構造関係技術基準解説書」だけを掲載する。

★2007年版の国土交通省住宅局建築指導課監修「建築物の構造関係技術基準解説書」から

(参考)設計用地震力の評価
 平成7年1月17日の兵庫県南部地震は我が国の地震観測史上最大級の地震動記録を残した地震であるが、
 (中略)
 同地震に際しては、地表面で800gal程度の大きな地震動の最大加速度が観測されているが、一般に、地表面で観測された強震記録に比べて、建築物に作用する実効入力地震動は小さいことから、実際に建築物に作用した地震動はこれよりも小さいと考えられる。同地震においても、神戸市中央区、長田区の建築物の下層又は最下層の床で観測された最大加速度は300〜350galに留まっていることを考慮すれば、建築物に作用した地震力は標準せん断力係数換算で、ほぼ1.0かこれを数割うわまわった程度と考えられる。すなわち、同地震により建築物に作用した地震力は、激震地においても、建築基準法令で規定する地震力の最低値と同じか、やや上回る程度のレベルであったと推定される。
 しかし、実際の建築物では計算上考慮していない部材が力を負担すること、一般に不静定次数が高いこと、すなわち、一部の部材の破壊がただちに建築物全体の崩壊につながる危険性が低いこと等から、建築物全体としては計算以上の余力があるために、昭和56年以降の耐震基準により適切に設計・施工された建築物は大きな被害を受けなかったものと思われる。したがって、最低基準としての建築基準法令の地震力レベルは、概ね妥当なものであったと考えられる。
 なお、上下動については、設計用地震力を定めていないが、同地震の上下動記録を用いたいくつかの地震応答解析結果では、建築物全体の挙動に及ぼす影響は小さいという結果が得られている。



【参考】 震度=加速度基準での混乱

 震度6弱から全壊が始まっているが、震度6強でも倒壊の少ない地震があるのは、現行の気象庁震度階が、「加速度」をベースに計算を行っているゆえの問題である。同じ加速度であれば、変位・速度の差がそれほど震度に反映されない問題である。

加速度(震度)が大きくても、短周期(変位が小さい)の地震の場合は、地震被害がそれほどで発生しない。

加速度(震度)が大きくて、変位がそれなりに大きいと、地震被害が出る。
地盤周期の長い、地盤の良くない場所で起こると、かなりの地震被害が出る。
地震が頻発しているが、現在のところ、首都圏、中部・近畿圏で、M6弱以上の大地震が起こっていない。
このような大都市圏では、軟弱地盤に住宅地が広がり、多くの人が住んでいる。
それを念頭に考えるべきである。

★加速度(震度)が大きくても地震被害の少ない地震について
 加速度(震度)が大きくても、地震被害の少ない地震は、変位が小さい地震、短周期成分が主成分の地震である。
 ⇒ 参考論文1「地震動と建物等の被害」 参考論文2「短周期・大加速度地震動と建物等の被害」


【加速度(震度)が大きい割に変位の小さい代表的地震動=地震被害の少ない地震動】



【震度がほぼ同じで変位の大きさがまったく違う地震動】
 上表のように、震度がほぼ同じ(6.2と6.1)で、変位がまったく違う(66.2cmと3.8cm)地震動が存在する。加速度は、平成19年新潟県中越沖地震の方が約半分と小さいにもかかわらず、全壊棟数は、観測点のある柏崎市だけで1000棟以上であり、平成15年宮城県沖の地震の方は、全国でも僅か2棟である。

★加速度(震度)が小さくて地震被害の大きい地震について
 加速度(震度)が比較的小さくても、地震被害の大きい地震は、変位が大きい地震、中・長周期成分が主成分の地震である。


【震度と全壊率が逆転した地震動】
 上表は、震度の小さい方が、全壊率が大きい地震動の比較である(震度5.8: 11.1%、震度6.1: 0%/1982年以降の木造(「新耐震」)全壊率)。加速度は震度が大きいほうがはるかに大きい(震度5.8: 490gal、震度6.1: 1566gal/水平成分合成)、しかし変位がまったく違う(震度5.8: 80.1cm、震度6.1: 3.8cm/水平成分合成)。

★阪神大震災の場合
神戸海洋気象台等の地盤の良い所では、加速度(震度)が大きくても、それほど周期が長くない(変位もそれほど大きくない)ので、倒壊等の被害がそれほど発生していない。

JR鷹取駅周辺等の地盤の良くない所では、上記神戸海洋気象台観測波ほどの加速度ではないが、変位が大きいので、倒壊等の被害がかなり発生している。

★全壊率の指標 ( 加速度+変位 ⇒ 「速度」)
 「加速度」より、「速度」の方が、全壊率(倒壊率)との、相関性が高い。

一定以上の(応答)加速度と一定以上の(応答)変位に到達すると倒壊が始まる。」
ので、
「全壊率(倒壊率)は、「(応答)加速度+(応答)変位」との、相関性が高い。」
が正しいと考えられる。 (応答)と書くことによって「周期=共振」概念も加味できる。

 つまり、
「全壊率(倒壊率)は、「加速度+変位」との、相関性が高い。」

 このことをアバウト(加速度+変位のアバウトな合成指標)に表現すれば
全壊率(倒壊率)は、「速度」との相関性が高い。」
ということになる。



【参考】 「気象庁震度階級関連解説表」の震度7解説の問題

 2009年3月31日に改定になった「気象庁震度階級関連解説表」では、
木造建物(住宅)で、「耐震性が高い」(昭和57年以降の「新耐震」を想定)ものは、
震度7の解説において、「壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。まれに傾くことがある。」
となっている。

 しかし、
気象庁の震度階改定(1996年)以降、唯一、震度7が観測されたのが、
2004年新潟県中越地震での、気象庁川口だけである。
それも、計測震度6.5、震度7ぎりぎりである。
それにもかかわらず、
「新耐震」の木造の全壊率は、約20
である。(「震度に関する検討会 報告書(平成21年3月)」の、1−45頁の、計測震度6.5の、川口での、昭和57年(1982年)以降の木造では、全壊19.4%、半壊以上71.6%となっている。)

 また、上記「震度に関する検討会 報告書」では、震度6弱から、新耐震基準の建物の全壊が始まる
この「震度に関する検討会 報告書」の1-45頁以降において、新耐震木造の全壊率は、
平成19年新潟県中越沖地震の刈羽村割町新田、震度6弱(計測震度6.0また5.8(IAU計算))で 全壊率 11.1
平成15年宮城県北部地震の前谷地、震度6弱(計測震度5.7)で 全壊率 9.5

 この「震度に関する検討会 報告書」から、2003年7月26日宮城県北部の地震以降の、新耐震木造で全壊被害があった地震動を整理したものが以下の表である。




【参考】 気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルターの問題点について
  周期1.6秒を超えると、震度7の地震動が、震度6強(弱)にランクダウン (1)


 現行の震度階が地震被害との関係において合わないということが多く報告されている。
その最大の理由のひとつは、長周期成分をもった(速度・変位の大きい)地震波の、震度の過小評価である。 具体的に言えば、1.6秒以上の成分に関して震度が過小評価されており、同じ加速度でも、1.6秒以上の成分によって速度・変位の大きくなる地震波ほど計測震度が下がるという問題である(検討委員会では「プラスの補正を行う」となっているので、全く逆である)。

 現行の気象庁震度階の計算において
地震波の周期による影響を補正するフィルター
 図3:震度計算のためのフィルター特性
の1.6秒からのローカットフィルター(長周期側のカットフィルター)が問題である。
 図3:周期および加速度と震度(理論値)の関係上記※3も参考)  ⇒ フィルター処理整理
そのため、上グラフの1.6秒より右側が半転し、1.6秒以上の長周期成分をもった地震波の方が過小評価されている(計測震度が小さくなる)。
例えば、800galの1.6秒より、800galの2秒の方が、さらに800galの3秒の方が、計測震度が小さくなる。
気象庁計測震度プログラムに基づけば、
300gal正弦波 継続時間20秒の場合
・周期 1.6秒(変位 19cm、速度 76cm/s)で、計測震度 5.9 (5.95) 震度6弱
・周期 2.0秒(変位 30cm、速度 95cm/s)で、計測震度 5.7 (5.79) 震度6弱
・周期 2.5秒(変位 47cm、速度 119cm/s)で、計測震度 5.5 (5.51) 震度6弱
・周期 3.0秒(変位 68cm、速度 143cm/s)で、計測震度 5.2 (5.24) 震度5強
400gal正弦波 継続時間20秒の場合
・周期 1.6秒(変位 26cm、速度 102cm/s)で、計測震度 6.2 (6.20) 震度6強
・周期 2.0秒(変位 41cm、速度 127cm/s)で、計測震度 6.0 (6.04) 震度6強
・周期 2.5秒(変位 63cm、速度 159cm/s)で、計測震度 5.7 (5.76) 震度6弱

・周期 3.0秒(変位 91cm、速度 191cm/s)で、計測震度 5.5 (5.50) 震度6弱・5強境界

600gal正弦波 継続時間20秒の場合
・周期 1.6秒(変位 39cm、速度 153cm/s)で、計測震度 6.5 (6.55) 震度
・周期 2.0秒(変位 61cm、速度 191cm/s)で、計測震度
6.3 (6.39) 震度6強
・周期 2.5秒(変位 95cm、速度 239cm/s)で、計測震度
6.1 (6.11) 震度6強
・周期 3.0秒(変位 137cm、速度 286cm/s)で、計測震度
5.8 (5.85) 震度6弱
(200cm/s以上は現実的でないと考え、800gal正弦波の場合は割愛しているが、震度7が震度6強に下がっている。)
となる。 震度7より、はるかに速度・変位が大きい破壊力のある地震動の方が、震度6弱になったり等する。 これは明らかにおかしい(※共振を別にすれば、同じ加速度では変位が大きい方が破壊力がある)

 そこで、1.6秒からのローカットフィルター(長周期側のカットフィルター)を掛けない形にしたものが、
 図3:周期および加速度と震度(理論値)の関係 ⇒ フィルター処理整理
となる。
 これに基づいて計算すると、長周期成分のある地震波の方が震度が大きくなり、例えば、JR鷹取波は、現状の計測震度は、6.4(6.409)で震度6強であるが、計測震度 6.5(6.59) 震度7になり、葺合も、現状震度6強であるが、計測震度 6.5(6.59) 震度7になる。
 ただし、これでは限りなく下がりすぎるので、現行の建築基準法の耐震基準ギリギリの建物が全壊(倒壊)する加速度で下げ止まりにする必要がある。



●フィルター処理整理
 ちなみにローカットフィルター、ハイカットフィルターも両方無い場合の図3は、
 周期および加速度と震度(理論値)の関係
となる。 ただこの場合でも、短周期側に震度値のマイナス補正、長周期側に震度値のプラス補正がされている。 現行の震度階は、ローカットフィルターによって、「長周期側に震度値のプラス補正」を無効にするだけ無く、さらにマイナスにしている。
 全てのフィルター処理を整理すると、

(1) 全てのフィルターを掛けない場合 = 「河角の式( I=2×log(a)+0.7)」


(2) (1)に、短周期側にマイナス補正、長周期側にプラス補正した場合 = 「 I=2×log(a)+0.7+log(k・t)」


(3) (2)に、ハイカットフィルターを掛けた場合 = ローカットフィルター無しのもの


(4) (3)に、ローカットフィルターを掛けた場合 = 現行


となる。



●1988年〜1995年の気象庁の検討(委員)会の経緯
 そのため、計測震度算出における長周期成分の取り扱いについての、気象庁の委員会の経緯を調べてみた。調べた限りでは、以下の通りである。


★1988年の震度観測検討委員会では、長周期成分をプラス補正する方向で検討
 震度観測のあり方について検討するため、昭和60年に設けられていた、震度観測検討委員会は、
1988年(昭和63年)2月に「震度観測検討委員会報告書」を発表し、震度と加速度の関係式について、
「これは河角による震度と加速度の関係式において地震動の人体等に対する影響を考慮し、短周期側では震度を小さく長周期側では大きくするような補正を行ったものに相当する。」(文献1 193頁)
 また、その「解説資料」では、長周期側の震度の補正について、
周期の長い場合には、速度や変位振幅がかなり大きくなり、同一加速度ではあっても揺れの程度としては強く感じられると思われる。このような場合は、震度を大きくする補正が必要と考えられる。」(文献1 201頁)
長周期側t2では、河角式により加速度から換算される震度値にプラスの補正を行う。」(文献1 202頁)
との記載がある。
 以上のように、「震度観測検討委員会」は、長周期成分の影響を重視し、プラスの補正を行う方向で考えていたことが分かる。


★1995年の震度問題検討会も、震度観測検討委員会の考え方を継承
 兵庫県南部地震の後に、震度観測の計測化・速報化を目的として、震度問題検討会が設けられ、
1995年(平成7年)7月5日に「震度問題検討会検討結果中間報告」、11月29日に「震度問題検討会検討結果最終報告」を発表した。
 この「震度問題検討会検討結果中間報告」の中で、震度についての考え方を整理し、
「(2)(中略) イ)建物被害との相関を考慮して、震度算出に用いる地震動の周期の範囲を従来より長周期側へ拡げる。(後略)」(文献1 210頁)
としている。
 また「震度問題検討会検討結果最終報告」では、「震度観測検討委員会報告書」の内容を継承し、さらに、その処理方法について、
「しかし、実際にこの式を適用して震度を計算する際には、周期の決定に任意性が残るため、単純に最大加速度とその周期を式(2)に代入するのではなく、次項に述べるように、地震動全体を周波数領域でフィルター処理する方法を採用した。」(文献1 221頁)
としている。


★1995年11月29日の「震度問題検討会検討結果最終報告」では、依然同内容が記載されているが、計測震度算出の具体的な作業手順では、全く逆の内容となっている。
 すなわち、「震度問題検討会検討結果最終報告」の「計測震度の算出方法」において、使用することになっているフィルターは、
ア)式(2)の周期に関係した項に対応するフィルター
イ)ハイカットフィルター
ウ)ローカットフィルター
の3種類であり、図1フィルターの総合特性(文献1 224頁)から明らかなように、長周期側の成分は、「プラスの補正」ではなく、逆に低減されてしまっている。


★ローカットフィルターについて
 ローカットフィルターについて整理すると、文献1の1988年1995年両検討(委員)会の報告書の中にはその解説が無く、式が突然出てくるのみである。
 1988年の震度観測検討委員会段階から、ローカットフィルターの式が同書47頁にあがっているが、しかし、26頁の「人間の感覚は周期の短い振動を感じにくい。」でハイカットフィルターの説明はあるが、ローカットフィルターを掛ける説明はない。 さらに、27頁の図1.4.4の「等感度曲線」でも、水平振動の場合では、長周期側は水平のため、ローカットフィルターを掛ける根拠になっていない(1988年当時の震度階では「水平動」に限定している。 また、1995年以降の改定震度階でも、図1.4.4の「等感度曲線」を根拠にするなら、上下動にのみローカットフィルターは掛けるべきであろう)。
 以上のことから、
周期の長い場合には、速度や変位振幅がかなり大きくなり、同一加速度ではあっても揺れの程度としては強く感じられると思われる。このような場合は、震度を大きくする補正が必要と考えられる。」(同書201頁)
長周期側t2では、河角式により加速度から換算される震度値にプラスの補正を行う。」(同書202頁)
を無効にするような、ローカットフィルターを掛ける根拠の説明が全くない。


文献1: 「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)



【参考】 気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルターの問題点について
  周期1.6秒を超えると、震度7の地震動が、震度6強(弱)にランクダウン (2)


 以上の気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルターのため、1.6秒を超えると、震度7の地震動が存在困難(観測困難)となってくる。
 そのため、
 非常に破壊力のある変位・速度の大きい地震動が、震度6強(6弱)にランクダウンする。


★正弦波(継続時間1分)で考えてみると、
1.6秒を超える地震動では、速度150kine以下では、震度7の地震動が存在できなくなる。
速度170kine以下では、変位50cm以上の震度7の地震動も存在できなくなる。
地震動としては、速度180kineくらいが限度と考えると、ほとんど存在できないことになる。

  【正弦波(速度別、継続時間60秒)の周期−計測震度】


  【正弦波(速度別、継続時間60秒)の変位−計測震度】


 上記の、速度基準で作成した正弦波と計測震度のグラフでは、周期が長くなるに従い、計測震度が直線的に下がっていく様子がわかる。速度150kine以下では、1.6秒を超えると震度7の地震動が存在できなくなってくる。


★ランダム波(継続時間1分以上(81.92秒))で考えてみても、
詳細PDFの通り、
・1.6〜3.2秒成分のみの地震動作成では、速度200kine以下で震度7は存在しない。
・1.6〜2.4秒成分のみの地震動作成では、速度180kine以下で震度7は存在しない。
・1.6〜2.0秒成分のみの地震動作成では、速度150kine以下で震度7は存在しない。
よって、
1.6秒以上の成分のみの地震動では、震度7の地震動が存在困難(観測困難)となる。


★理由は、上記説明の気象庁の計測震度プログラムの、周期1.6秒以降に掛けられている相当にきついローカットフィルターのために、より破壊力のある変位・速度の大きい地震動ほど、震度7にならず、震度6強(6弱)にランクダウンしてしまうからである。そのため、非常に破壊力のある、変位・速度の大きい震度7は、存在できず、観測されにくくなっている。


★上記の、震度6強と7との境界加速度が、400galから800〜1500gal程度に上がった問題に加えて、非常に破壊力のある変位・速度の大きい地震動ほど、震度7にならず、震度6強(6弱)にランクダウンされる


 以上のことからも、「震度6強〜7まで倒壊しない」という一般認識が、未だ残っていることは非常に問題であり、国民の生命と安全を守る上で、一刻も早く否定しておくべきものである。



【参考】 中央防災会議の全壊率について (気象庁計測震度計算プログラムのローカットフィルター無考慮のため、全壊率は上がることになる)

 政府中央防災会議の被害想定での、
建物全壊棟数の根拠が「計測震度と全壊率のグラフ」
例えば、中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(第31回)
9頁の「計測震度と全壊率のグラフ」
によっていますが、この横軸の計測震度の、1995年兵庫県南部地震の西宮市のデータ(最も多いプロット)に関しては、実際の計測震度ではなく、建物被害からの推定で、それも単純な式で算出している(山崎文雄教授、中央防災会議に確認済み)。
 そのため、現状の計測震度計算プログラムのローカットフィルターが掛かっていないものになっている。
 1.6秒を超える成分を多く持った(速度が大きい、建物破壊力のある)地震動は、計測震度が下がる補正がなされていないものである。
 ローカットフィルターかける前では、震度7の、JR鷹取(計測震度 6.5(6.59))、葺合(計測震度 6.5(6.59))というような、非常に破壊力のある地震波が、震度6強(鷹取・葺合ともに計測震度 6.4)に下がってしまう補正がなされていないということである。
 そのため、正しい気象庁計測震度で考えれば、上記「計測震度と全壊率のグラフ」の震度7は、震度6強以下にランクダウンしてみるべきものである。
 そのため、本来の震度7相当の破壊力あるものが、震度6強以下にランクダウンしてくるので、震度6強の全壊率が、非常に上がることになる。

 また同様に、震度7相当だけでなく、(破壊力のある)速度・変位の大きい地震動においては、震度6強相当のものが6弱に、震度6弱相当のものが5強にランクダウンしてくるので、それらの建物被害率は上がることになる(以上のことは中央防災会議に確認済み)。

 詳細に説明すると、
 まず、中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(第31回)
9頁の「計測震度と全壊率のグラフ」の、横軸の計測震度は、ほとんどが「建物被害が発生する確率」からの推定である。

【計測震度と全壊率のグラフ(木造建物)】

 この「計測震度と全壊率のグラフ」の説明は、初掲載の中央防災会議 東海地震対策専門調査会(第4回)が一番詳しい。その後、これを踏襲している(中央防災会議に確認)。
 東海地震対策専門調査会(第4回)の30頁の次の次の頁(画面上の9頁)である。
 上記グラフの大勢を占める、1995年兵庫県南部地震の西宮市のプロットは、全て、「建物被害が発生する確率」からの推定である。

 具体的には、
山口直也,山崎文雄:詳細な建物情報を含む被災度調査結果に基づく西宮市の地震動分布の再推定 2000.1
の208頁の式(4)の、
PR(I)=Φ((I−λ)/ζ)
である。Pは「被害が発生する確率」、Iは「計測震度」である。
 この式を用いて、西宮市の建物被害状況⇒「被害が発生する確率」から「計測震度」が算出され、そのため、このグラフの大勢を占める、1995年兵庫県南部地震の西宮市のプロットは、全て、建物被害確率からの推定である(山崎文雄教授、中央防災会議に確認済み)。
 また、この式は、単純な式であるから、現状の計測震度計算の、長周期側の相当にきついローカットフィルターが全く掛かっていないものになっている(実際には地震波を作らない限り、フィルターは掛かけられない。そのことを、山崎文雄教授、中央防災会議に確認済み)。
 1.6秒を超える成分を多く持った、建物破壊力を持った、速度・変位が大きい地震動は、計測震度が下がる補正がなされていないことになる。
 そのため、正しい気象庁計測震度で考えれば、上記計測震度と全壊率のグラフ」の震度7は、建物破壊力を持った速度・変位が大きい地震動ほど、軒並み震度6強以下にランクダウンしてしまうことになる

 例えば、継続時間1分以上(81.92秒)のランダム波で考えてみると、1.6秒を超える成分のみの地震動では、速度200kine以下では、震度7の地震動が存在困難(観測困難)となる(詳細内容)。

 この話は、2009年10月27日の、建築基準法の1.44倍の耐力の建物を倒壊させた地震動が、最大加速度947gal、最大速度162kine、最大振幅93cm という驚異的なものにもかかわらず、震度6強であることに、最も特徴的に明示されている(実験説明 倒壊映像)。



【参考】 阪神・淡路大震災建物被害率について

【報告書】
阪神大震災被害状況調査報告書((財)建設工学研究所)
平成7年 阪神・淡路大震災 建築震災調査委員会中間報告(建築震災調査委員会)
平成7年兵庫県南部地震被害調査最終報告書(建設省建築研究所)
※この報告書の全壊率について、中央防災会議の「計測震度と全壊率のグラフ」の根拠にもなった下記の「山口直也,山崎文雄:1995年兵庫県南部地震の建物被害率による地震動分布の推定1999.1」によれば、
「建築研究所の被害率は(西宮)市の被害率の3分の1ほどになっており、この範囲では回帰直線の勾配はおよそ0.3であった。同様の検討を周辺の自治体について行ったところ、回帰曲線の勾配は0.3〜0.6の範囲にあり」
とある通り、この報告書の「全壊率」は、自治体の調査に比べてかなり小さめの値になっている。

【分析/上記の中央防災会議の「計測震度と全壊率のグラフ」 に関わる論文※等】
1.山口直也,山崎文雄:1995年兵庫県南部地震の建物被害率による地震動分布の推定 1999.1
2.山口直也,山崎文雄:詳細な建物情報を含む被災度調査結果に基づく西宮市の地震動分布の再推定 2000.1
3.山口直也,山崎文雄:西宮市の被災度調査結果に基づく建物被害関数の構築 2000.11
4.村尾修,山崎文雄:構造・建築年を考慮した建物被害データに基づく灘区の地震動分布の再推定 1999.9
5.村尾修,山崎文雄:自治体の被害調査結果に基づく兵庫県南部地震の建物被害関数 2000.1



【参考】 新耐震(1982年以降)の木造全壊率について (改定震度階でみると)

★阪神・淡路大震災の場合
 一般に流布している阪神・淡路大震災の震度は、1996年改定前の旧震度階のものである
 強震記録に基づき、1996年改定の震度階で計算しなおすと、震度7は存在せず、全て震度6強までの震度となる
 そのため、震度6強までの震度での、新耐震(1982年以降に建てられた)の木造の全壊率は、以下の通りである。
【区単位でみると】
全壊数の多い順では長田区(15,521棟)、東灘区(13,687棟)に次いで灘区(12,757棟)である。
・灘区(臨海・山麓地域以外)では、18.9%である。
 出典:村尾修,山崎文雄:構造・建築年を考慮した建物被害データに基づく灘区の地震動分布の再推定 1999.9
 の143頁の表1の「灘区の対象地域内(臨海・山麓地域以外)の建物被害棟数」
 1982−94年、計2031棟に対して全壊棟数384棟、
 であるので、新耐震(1982年以降に建てられた)の木造の全壊率は 18.9%である。
【地区単位でみると】
・東灘区の森南1〜3丁目、本庄町1・2丁目、本山中町1〜4丁目、田中町1・2丁目では、下記報告書では100%近いと記載されている。
 出典:阪神大震災被害状況調査報告書 127頁((財)建設工学研究所)

 このように、直下型の断層地震の場合は、特に震度6強エリアは非常に小さいため、区単位ではなく、もっと小さいエリアでの「全壊率」の方が精度は高くなる (建物での震度がわかっているピンポイント的調査が正確であるが、震度計がおかれている建物は非常に少なく、そうなると実物大実験が最も正確なものとなる。実物大実験でないと、「震度と建物の破壊関係」の本当のところはわからないといえる)。

★1996年気象庁震度階改定以降
 震度6弱での、新耐震(1982年以降に建てられた)の木造の全壊率は、例えば、
・平成15年宮城県北部地震の前谷地の震度6弱(計測震度5.7)では 全壊率 9.5%
・平成19年新潟県中越沖地震の刈羽村割町新田の震度6弱-強境界(計測震度6.0または5.8)では 全壊率 11.1%
である。
 出典:気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月) 第1章 計測震度と被害等との関係について



【参考】 「全壊」と「倒壊」について

★気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月)第1章 計測震度と被害等との関係について」より (1-1〜2頁(同文 1-28頁)の「3)計測震度と被害との関係は、次のとおりに整理される。」より)

@計測震度は罹災証明による全壊率との相関は比較的良い
*罹災証明の「全壊」は、住家全部あるいは一部の階が倒壊するものに加え、住家の主要構造物の被害額が住家の時価50%以上のものを含んでいる。このことから、罹災証明の「全壊」は、「建物が倒れる」ものだけでなく、「建物が傾く」などの被害も含む。
A負傷者と全壊数との相関は比較的良い
全壊数は、内閣府による地震の被害推定の際に死者数の算定に用いられるなどしている。また、負傷者数との相関も良いことが分かった。 ⇒ 1-31〜32参照
B計測震度を、防災の初動対応の指標として用いることに、大きな問題はない計測震度は、倒壊などの建物被害との相関でみると計測震度は不十分な面があるが、全壊率との相関は高く、全壊数が負傷者数、死者数と関係することから、防災の初動対応に用いる指標として、大きな問題はないと考える。

倒壊など重大な建物被害と計測震度の相関は必ずしも良くない。境指標、清野指標など重大な建物被害にも対応する指標が提案されているが、まだデータが十分ではない。今後も重大な建物被害と関係する指標の調査・検討を続ける必要がある。
なお、それまでの間、顕著な地震発生時には、地震の特徴や各地の揺れの特徴を示すためのものとして、気象庁は、報道発表の機会などを活用して地震波の特徴などについても、速やかに社会に示すことが重要である。



【参考】 「耐震性不十分な戸数」について

 政府中央防災会議「建築物の耐震化緊急対策方針」の2005年に、国土交通省において「住宅・建築物の地震防災推進会議」が設けられた。
 その「住宅・建築物の地震防災推進会議」の資料に基づくと、我が国の住宅については総数約4,700万戸のうち約1,150万戸(約25%)、建築物については総数約340万棟のうち約120万棟(約35%)、特に戸建木造住宅については総数約2,450万戸のうち約1,000万戸(約40%)が耐震性不十分と推計される、となっている。
 しかし、この数値は、「震度6弱程度で耐震性を満たすとする」場合である。






■地震非常事態というべき状況

 要約

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」は震度6弱程度だったことが判明した


 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上(下地図の黄・橙・赤色地域)が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた(下表参照)。





30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)




■この10年間での地震死亡者約75万人/自然災害死亡者のうちの約7割

 国連は、2010年1月28日、2000〜09年までの10年間で、世界で自然災害により死亡した約78万人のうち約6割(ハイチ大地震まで含めると約7割 約75万人)が地震被害による死者だったとする集計結果を発表した。
スマトラ沖地震で死者22万人以上
パキスタン地震で死者7万人以上
四川大地震で死者8万人以上
 この国連集計以降、2010年に入って
ハイチ大地震で死者25〜30万人
 1月のハイチ大地震は、国連発表の統計には含まれていないが、死者30万人に達する可能性があり、20世紀以降で最悪の震災となるのは確実と言われている。
チリでM8.8の巨大地震
 2月には、チリでM8.8の巨大地震が発生した。M8.8は、1900年以降に世界で発生した地震の中で7番目の大きさである。
中国青海省で地震
 4月に、中国青海省で発生した地震では、死者2000人以上である。14日には、中国地震台網センター(CENC)は、中国が新たな地震活動期に入ったことを示すものだという見解を発表した。
 まさに、地球全体が活動期に入ってきている様相である。
 世界の地震の約1割が日本列島に集まることを考えると日本においては特に予断を許さない状況といえる。



■頻発する地震

 2000年以降、以下のように震度6弱以上の被害地震が頻発し、この10年間で14回も発生している。下記の項目での説明のように、1950年以降での、この10年間の異常さがわかる。 ⇒ 【参考】 観測値4000gal時代に

 2009年 8月11日 駿河湾の地震    M6.5 震度6弱 全壊    棟 住家被害  8,681棟
 2008年 7月24日 岩手県沿岸北部地震 M6.8 震度6弱 全壊   1棟 住家被害    382棟
 2008年 6月14日 岩手・宮城内陸地震 M7.2 震度6強 全壊  30棟 住家被害  2,701棟
 2007年 7月16日 新潟県中越沖地震  M6.8 震度6強 全壊1331棟 住家被害 44,344棟
 2007年 3月25日 能登半島地震    M6.9 震度6強 全壊 686棟 住家被害 29,384棟
 2005年 8月16日 宮城県沖の地震   M7.2 震度6弱 全壊   1棟 住家被害    985棟
 2005年 3月20日 福岡県西方沖地震  M7.0 震度6弱 全壊 133棟 住家被害  8,997棟
 2004年10月23日 新潟県中越地震   M6.8 震度7  全壊3175棟 住家被害122,676棟
 2003年 9月26日 十勝沖地震     M8.0 震度6弱 全壊 116棟 住家被害  2,073棟
 2003年 7月26日 宮城県北部地震   M6.4 震度6強 全壊1276棟 住家被害 16,061棟
 2003年 5月26日 宮城県沖の地震   M7.1 震度6弱 全壊   2棟 住家被害  2,428棟
 2001年 3月26日 芸予地震      M6.7 震度6弱 全壊  70棟 住家被害 50,067棟
 2000年10月 6日 鳥取西部地震    M7.3 震度6強 全壊 435棟 住家被害 22,080棟
 2000年7月〜8月 三宅島新島神津島近海地震  M6.5 震度6弱 全壊  15棟 住家被害    209棟


※棟数は消防庁調べ。2010年3月12日まで。



■地震活動期

 これらの地震は政府中央防災会議の「建築物の耐震化緊急対策方針」が示す、日本列島が活動期に入り、「わが国において、地震はいつどこで発生してもおかしくない状況にある」ことを裏付けるものとなった。 ⇒ 補足
 地震活動期に関して、西日本に関して、第140回地震予知連絡会(平成12年11月)で1995年兵庫県南部地震以後地震活動期に入ったという報告(日本地震学会資料)がなされているが、東日本に関しても、表3のように被害地震が頻発し、その結果、1999年1月1日〜2008年12月31日の10年間で、各県別に下表のように、震度4以上の地震があった。それ以前の50年間(1949年1月1日〜 1998年12月31日の50年間)の10年間平均に比べて、5倍以上の異常な地震回数になっていることがわかる。また、その直前の 1989年1月1日〜1998年12月31日の10年間と比較しても、その顕著な差がわかる。 ⇒ 詳細編

●直近 1999年1月1日〜2008年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1999年1月1日〜2008年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数
震度4以上
10年間
合計
 
震度4以上
50年間
遭遇回数

震度4以上
200年間
遭遇回数

5弱
5強
6弱
6強
北海道
 88
 4
 
 
 98
 490
1960
青森県
 12
 2
 
 
 16
  80
 320
秋田県
  5
 1
 
 
 
  8
  40
 160
岩手県
 29
 1
 
 34
 170
 680
宮城県
 41
 5
 
 53
 265
1060
山形県
 12
 2
 
 
 
 15
  75
 300
福島県
 30
 4
 
 
 
 35
 175
 700
新潟県
 73
11
100
 500
2000
茨城県
 37
 8
 
 
 
 46
 230
 920
栃木県
 42
 2
 
 
 
 
 44
 220
 880
群馬県
 11
 3
 
 
 
 
 14
  70
 280
埼玉県
 25
 3
 
 
 
 
 28
 140
 560
千葉県
 27
 3
 
 
 
 31
 155
 620
東京都
260
19
 
 
293
1465
5860
神奈川県
 17
 1
 
 
 
 19
  95
 380
10年間平均/県
 47
4.6
2.1
1.2
0.4
0.1
 55
50年間平均
/県
236
23
10
0.3
 278
200年間平均
遭遇回数/県
945
92
41
24
1.3
1112
※当該10年間からの推計。


●1949年1月1日〜1998年12月31日の50年間  ⇒ 詳細

 【東日本地方 震度別地震回数表/1949年1月1日〜 1998年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの50年間の地震回数※2
 
震度4以上
50年間
合計

 
震度4以上
200年間
遭遇回数

5弱
5強
6弱
6強
北海道
100
19
 
 
 
 
 122
 488
青森県
 44
 5
 
 
 
 
  50
 200
秋田県
 15
 1
 
  
 
 
 
  16
  64
岩手県
 58
 7
 
 
 
 
  66
 264
宮城県
 33
 5
 
 
 
 
 
  38
 152
山形県
  11 
 2
 
 
 
 
 
  13
  52
福島県
 41
 5
 
 
 
 
 
  46
 184
新潟県
 15
 1
 
 
 
 
 
  16
  64
茨城県
 76
 
 
 
 
 
 
  76
 304
栃木県
 42
 1
 
 
 
 
 
  43
 172
群馬県
  3
 1
 
 
 
 
 
   4
  16
埼玉県
 23
 
 
 
 
 
 
  23
  92
千葉県
 72
 4
 
 
 
 
 
  76
 304
東京都
156
27
 
 
 
 
 184
 736
神奈川県
 37
 1
 
 
 
 
 
  38
 152
        
50年間平均
/県
 48
 0
0.4
  54
200年間平均
遭遇回数/県
194
21
 0
1.6
 216
※当該50年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。


●1989年1月1日〜 1998年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1989年1月1日〜1998年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 28
 5
 
 
 
 35
 175
 700
青森県
  5
 3
 
 
 
  9
  45
 180
秋田県
  4
 
 
 
 
 
  4
  20
  80
岩手県
 15
 2
 
 
 
 18
  90
 360
宮城県
 11
 3
 
 
 
 
 14
  70
 280
山形県
  2
 
 
 
 
 
  2
  10
  40
福島県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
新潟県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
茨城県
 19
 
 
 
 
 
 19
  95
 380
栃木県
 10
 1
 
 
 
 
 11
  55
 220
群馬県
 
 1
 
 
 
 
  1
   5
  20
埼玉県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
千葉県
 14
 2
 
 
 
 
 16
  80
 320
東京都
 36
 3
 
 
 
 
 39
 195
 780
神奈川県
 10
 
 
 
 
 
 10
  50
 200
10年間平均/県
 12
1.3
 0
0.27
 13
50年間平均/県※
 58
6.7
 0
1.3
  66
200年間平均
遭遇回数/県※
233
27
 0
5.3
 265
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。



■30年以内 震度6弱以上の地震発生確率の異常な高さ

 昨年7月21日に地震調査委員会から衝撃的な発表があった。今後30年以内の「震度6弱以上の地震」に見舞われる確率が驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えたという発表である。この「震度6弱以上の地震」は、建築基準法の「安全限界」もしくはそれを超える可能性がある地震ということになり、建物が倒壊・崩壊のおそれのある、危険水域の地震であるということになる
 下表に示すように、日本の中枢地帯の関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えている。



30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)




30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる市区町村(役場単位)
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
都道府県
場所
2009年
2008年
北海道浜中町役場
63.89%
20.21%
北海道根室市役所
63.19%
62.22%
北海道白糠町役場
61.44%
34.12%
北海道厚岸町役場
57.45%
64.97%
北海道別海町役場
56.32%
24.93%
宮城県(旧)雄勝町役場
58.36%
6.45%
宮城県(旧)桃生町役場
57.77%
20.05%
宮城県(旧)豊里町役場
57.17%
19.76%
宮城県(旧)登米町役場
53.64%
19.07%
宮城県(旧)南郷町役場
52.58%
22.67%
宮城県(旧)米山町役場
51.06%
20.53%
茨城県神栖市役所
78.13%
12.50%
茨城県(旧)神栖町役場
78.13%
12.50%
茨城県(旧)東町役場
69.67%
18.99%
茨城県(旧)桜川村役場
66.12%
9.60%
茨城県稲敷市役所
64.37%
31.02%
茨城県(旧)江戸崎町役場
64.37%
31.02%
茨城県(旧)藤代町役場
62.84%
20.28%
茨城県(旧)玉造町役場
57.74%
27.12%
埼玉県三郷市役所
65.39%
27.34%
埼玉県八潮市役所
63.55%
20.93%
埼玉県志木市役所
58.78%
27.67%
埼玉県さいたま市桜区役所
56.99%
26.34%
埼玉県富士見市役所
56.60%
27.23%
埼玉県春日部市役所
52.85%
12.31%
埼玉県(旧)庄和町役場
51.80%
10.99%
千葉県(旧)蓮沼村役場
77.03%
17.85%
千葉県(旧)松尾町役場
76.93%
16.88%
千葉県(旧)干潟町役場
76.54%
19.98%
千葉県山武市役所
75.63%
40.99%
千葉県(旧)成東町役場
75.63%
40.99%
千葉県東金市役所
73.66%
16.65%
千葉県大網白里町役場
71.38%
40.23%
千葉県本埜村役場
69.59%
10.64%
千葉県白子町役場
68.91%
41.19%
千葉県市川市役所
66.57%
28.37%
千葉県長生村役場
64.59%
26.92%
千葉県船橋市役所
64.48%
22.83%
千葉県千葉市美浜区役所
63.98%
26.10%
千葉県千葉市役所
63.86%
27.22%
千葉県浦安市役所
61.85%
26.95%
千葉県一宮町役場
58.22%
40.74%
千葉県千葉市花見川区役所
57.81%
34.37%
千葉県木更津市役所
54.87%
31.32%
千葉県松戸市役所
53.48%
28.96%
千葉県(旧)佐原市役所
53.26%
35.83%
千葉県香取市役所
53.26%
35.83%
東京都大田区役所
67.93%
29.20%
東京都江戸川区役所
66.27%
30.94%
東京都葛飾区役所
64.31%
29.78%
東京都荒川区役所
63.55%
14.27%
東京都江東区役所
62.25%
40.17%
東京都足立区役所
61.75%
13.06%
東京都港区役所
61.32%
27.15%
東京都中央区役所
61.20%
24.76%
神奈川県小田原市役所
88.71%
73.41%
神奈川県寒川町役場
78.32%
43.55%
神奈川県海老名市役所
73.37%
37.32%
神奈川県厚木市役所
72.89%
34.17%
神奈川県横浜市港北区役所
71.41%
30.48%
神奈川県横浜市栄区役所
69.00%
15.85%
神奈川県川崎市中原区役所
68.80%
19.27%
神奈川県横浜市神奈川区役所
68.23%
29.62%
神奈川県川崎市幸区役所
68.15%
31.79%
神奈川県横浜市鶴見区役所
67.82%
32.82%
神奈川県川崎市役所
67.70%
37.34%
神奈川県横浜市西区役所
67.66%
45.92%
神奈川県川崎市川崎区役所
67.61%
37.38%
神奈川県横浜市役所
66.73%
32.87%
神奈川県横浜市中区役所
66.73%
32.68%
神奈川県南足柄市役所
58.91%
37.53%
神奈川県真鶴町役場
56.54%
34.76%
神奈川県横浜市南区役所
55.96%
32.88%
神奈川県横浜市磯子区役所
55.22%
27.71%
神奈川県鎌倉市役所
53.52%
38.19%
神奈川県箱根町役場
51.96%
36.07%
神奈川県開成町役場
50.89%
50.11%
神奈川県大井町役場
50.35%
66.76%
山梨県中央市役所
89.88%
86.41%
山梨県(旧)田富町役場
89.88%
86.41%
山梨県(旧)玉穂町役場
89.63%
81.13%
山梨県(旧)富沢町役場
86.51%
81.16%
山梨県南部町役場
85.44%
90.40%
山梨県身延町役場
81.56%
76.24%
山梨県(旧)河口湖町役場
76.73%
36.81%
山梨県富士河口湖町役場
76.73%
36.81%
山梨県(旧)勝山村役場
75.82%
38.31%
山梨県(旧)下部町役場
74.58%
68.89%
山梨県(旧)中富町役場
74.42%
67.23%
山梨県早川町役場
73.76%
74.14%
山梨県鰍沢町役場
73.52%
63.95%
山梨県富士吉田市役所
73.21%
34.94%
山梨県増穂町役場
72.74%
61.66%
山梨県山中湖村役場
72.03%
28.20%
山梨県(旧)市川大門町役場
70.77%
59.59%
山梨県市川三郷町役場
70.77%
59.59%
山梨県(旧)六郷町役場
70.50%
63.02%
山梨県(旧)三珠町役場
68.41%
58.00%
山梨県(旧)甲西町役場
67.84%
56.08%
山梨県南アルプス市役所
65.41%
52.51%
山梨県北杜市役所
65.41%
52.51%
山梨県(旧)櫛形町役場
65.41%
52.51%
山梨県(旧)若草町役場
65.34%
53.43%
山梨県西桂町役場
64.42%
29.90%
山梨県昭和町役場
62.44%
48.53%
山梨県(旧)白根町役場
59.74%
45.51%
山梨県甲斐市役所
58.49%
43.53%
山梨県(旧)竜王町役場
58.49%
43.53%
山梨県(旧)明野村役場
58.47%
26.82%
山梨県(旧)豊富村役場
57.78%
68.56%
山梨県都留市役所
57.09%
26.31%
山梨県(旧)八田村役場
56.42%
42.53%
山梨県(旧)長坂町役場
55.63%
25.48%
山梨県山梨県庁
55.05%
82.25%
山梨県甲府市役所
55.05%
82.35%
山梨県(旧)八代町役場
55.01%
42.24%
山梨県(旧)高根町役場
54.09%
22.51%
山梨県(旧)双葉町役場
53.82%
40.38%
山梨県(旧)中道町役場
53.63%
85.86%
山梨県笛吹市役所
53.40%
40.12%
山梨県(旧)石和町役場
53.40%
40.12%
山梨県(旧)敷島町役場
51.58%
38.18%
山梨県韮崎市役所
51.47%
54.84%
山梨県(旧)春日居町役場
50.36%
36.32%
長野県天龍村役場
60.31%
47.18%
長野県諏訪市役所
58.30%
51.56%
長野県下諏訪町役場
54.73%
15.96%
長野県阿南町役場
54.60%
38.87%
岐阜県(旧)平田町役場
73.37%
29.68%
岐阜県輪之内町役場
72.50%
27.68%
岐阜県安八町役場
69.47%
25.27%
岐阜県(旧)墨俣町役場
67.73%
24.23%
岐阜県岐南町役場
65.94%
25.32%
岐阜県瑞穂市役所
65.18%
22.49%
岐阜県(旧)穂積町役場
65.18%
22.49%
岐阜県岐阜県庁
64.80%
23.42%
岐阜県大垣市役所
63.71%
22.24%
岐阜県(旧)巣南町役場
61.27%
20.66%
岐阜県海津市役所
60.35%
32.28%
岐阜県(旧)海津町役場
60.35%
32.28%
岐阜県羽島市役所
55.74%
23.34%
岐阜県神戸町役場
55.02%
18.89%
岐阜県笠松町役場
52.13%
19.90%
岐阜県(旧)柳津町役場
52.03%
19.90%
静岡県(旧)浅羽町役場
96.44%
92.84%
静岡県(旧)福田町役場
96.38%
93.40%
静岡県新居町役場
96.36%
94.29%
静岡県袋井市役所
96.26%
88.66%
静岡県(旧)雄踏町役場
96.19%
95.89%
静岡県(旧)竜洋町役場
96.18%
93.29%
静岡県(旧)舞阪町役場
96.18%
95.47%
静岡県(旧)大須賀町役場
95.82%
85.87%
静岡県(旧)三ヶ日町役場
95.81%
93.38%
静岡県(旧)細江町役場
95.77%
93.20%
静岡県湖西市役所
95.67%
91.50%
静岡県(旧)大東町役場
95.28%
89.02%
静岡県御前崎市役所
94.88%
92.07%
静岡県(旧)浜岡町役場
94.88%
92.07%
静岡県(旧)小笠町役場
94.72%
91.75%
静岡県岡部町役場
94.51%
90.10%
静岡県浜松市役所
94.29%
82.49%
静岡県(旧)豊田町役場
94.18%
90.91%
静岡県(旧)相良町役場
94.01%
90.64%
静岡県牧之原市役所
93.83%
89.88%
静岡県(旧)榛原町役場
93.83%
89.88%
静岡県磐田市役所
93.46%
90.88%
静岡県函南町役場
93.41%
74.39%
静岡県(旧)韮山町役場
92.72%
73.74%
静岡県沼津市役所
92.58%
77.78%
静岡県(旧)浜北市役所
92.53%
87.02%
静岡県(旧)引佐町役場
92.02%
86.78%
静岡県焼津市役所
91.20%
90.10%
静岡県吉田町役場
91.13%
88.34%
静岡県松崎町役場
91.12%
69.06%
静岡県大井川町役場
90.73%
87.77%
静岡県静岡市駿河区役所
90.28%
88.29%
静岡県静岡市清水区役所
90.16%
89.39%
静岡県(旧)清水市役所
90.16%
89.39%
静岡県菊川市役所
89.79%
84.41%
静岡県(旧)菊川町役場
89.79%
84.41%
静岡県(旧)蒲原町役場
89.75%
87.66%
静岡県藤枝市役所
89.70%
85.42%
静岡県掛川市役所
89.58%
77.18%
静岡県静岡県庁
89.55%
86.78%
静岡県静岡市役所
89.55%
86.80%
静岡県静岡市葵区役所
89.55%
86.80%
静岡県(旧)静岡市役所
89.55%
86.80%
静岡県(旧)豊岡村役場
89.53%
81.82%
静岡県富士市役所
89.33%
86.81%
静岡県(旧)戸田村役場
89.17%
78.58%
静岡県森町役場
88.31%
80.53%
静岡県島田市役所
88.20%
80.99%
静岡県富士宮市役所
87.94%
82.85%
静岡県(旧)金谷町役場
87.89%
79.02%
静岡県(旧)御前崎町役場
87.39%
87.71%
静岡県芝川町役場
87.11%
86.11%
静岡県由比町役場
86.51%
85.16%
静岡県(旧)賀茂村役場
86.39%
62.55%
静岡県富士川町役場
86.39%
85.52%
静岡県(旧)天竜市役所
85.11%
55.89%
静岡県清水町役場
84.67%
77.83%
静岡県三島市役所
83.74%
61.37%
静岡県西伊豆町役場
82.89%
74.42%
静岡県(旧)土肥町役場
82.10%
73.22%
静岡県長泉町役場
81.99%
57.55%
静岡県川根町役場
78.70%
68.39%
静岡県御殿場市役所
76.40%
38.02%
静岡県裾野市役所
75.92%
51.90%
静岡県(旧)大仁町役場
74.98%
58.74%
静岡県南伊豆町役場
71.12%
75.24%
静岡県伊豆の国市役所
70.74%
54.96%
静岡県(旧)伊豆長岡町役場
70.74%
54.96%
静岡県(旧)中川根町役場
68.65%
52.48%
静岡県川根本町役場
68.65%
52.48%
静岡県下田市役所
61.51%
47.22%
静岡県伊豆市役所
58.98%
38.16%
静岡県(旧)修善寺町役場
58.98%
38.16%
静岡県河津町役場
58.81%
44.79%
静岡県東伊豆町役場
58.32%
41.23%
静岡県(旧)本川根町役場
57.82%
53.64%
静岡県(旧)水窪町役場
55.67%
39.41%
静岡県(旧)佐久間町役場
50.39%
42.77%
愛知県吉良町役場
94.57%
85.46%
愛知県西尾市役所
94.22%
79.53%
愛知県御津町役場
93.18%
85.38%
愛知県一色町役場
92.19%
80.09%
愛知県豊橋市役所
91.89%
90.09%
愛知県小坂井町役場
91.20%
89.19%
愛知県豊川市役所
89.19%
86.49%
愛知県名古屋市南区役所
88.11%
67.52%
愛知県幸田町役場
84.82%
75.31%
愛知県名古屋市天白区役所
84.57%
44.74%
愛知県田原市役所
84.53%
87.73%
愛知県(旧)田原町役場
84.53%
87.73%
愛知県半田市役所
83.59%
83.03%
愛知県(旧)西枇杷島町役場
83.28%
43.98%
愛知県常滑市役所
83.20%
68.38%
愛知県甚目寺町役場
83.13%
42.24%
愛知県(旧)一宮町役場
83.02%
84.93%
愛知県名古屋市中村区役所
82.78%
64.48%
愛知県美和町役場
82.66%
40.28%
愛知県(旧)佐織町役場
82.57%
38.62%
愛知県蒲郡市役所
81.72%
85.89%
愛知県(旧)平和町役場
81.56%
37.18%
愛知県名古屋市中川区役所
81.40%
48.92%
愛知県春日町役場
80.83%
39.81%
愛知県大治町役場
80.23%
44.22%
愛知県蟹江町役場
80.03%
46.07%
愛知県豊山町役場
79.83%
41.60%
愛知県七宝町役場
79.48%
43.67%
愛知県稲沢市役所
79.37%
34.01%
愛知県飛島村役場
77.97%
74.60%
愛知県名古屋市港区役所
77.57%
53.46%
愛知県碧南市役所
77.21%
70.61%
愛知県名古屋市西区役所
77.17%
58.03%
愛知県美浜町役場
76.55%
44.07%
愛知県(旧)十四山村役場
76.48%
72.68%
愛知県安城市役所
76.21%
62.58%
愛知県(旧)赤羽根町役場
75.35%
90.48%
愛知県津島市役所
75.33%
40.08%
愛知県弥富市役所
75.01%
69.99%
愛知県(旧)弥富町役場
75.01%
69.99%
愛知県新城市役所
74.89%
82.68%
愛知県清須市役所
74.84%
43.68%
愛知県(旧)新川町役場
74.84%
43.68%
愛知県(旧)尾西市役所
74.66%
25.74%
愛知県愛西市役所
74.59%
41.47%
愛知県(旧)佐屋町役場
74.59%
41.47%
愛知県知多市役所
72.73%
71.95%
愛知県(旧)木曽川町役場
72.47%
22.91%
愛知県名古屋市北区役所
72.33%
55.52%
愛知県(旧)清洲町役場
71.79%
39.16%
愛知県(旧)立田村役場
70.71%
38.58%
愛知県幡豆町役場
69.71%
42.88%
愛知県(旧)鳳来町役場
69.04%
66.24%
愛知県東海市役所
67.25%
24.54%
愛知県(旧)師勝町役場
67.14%
40.58%
愛知県北名古屋市役所
67.05%
34.04%
愛知県(旧)西春町役場
67.05%
34.04%
愛知県豊明市役所
67.02%
64.34%
愛知県知立市役所
66.87%
58.61%
愛知県(旧)祖父江町役場
66.13%
33.26%
愛知県武豊町役場
66.07%
63.13%
愛知県(旧)八開村役場
65.98%
34.79%
愛知県大口町役場
65.63%
17.61%
愛知県設楽町役場
65.17%
49.32%
愛知県高浜市役所
64.22%
64.71%
愛知県南知多町役場
62.79%
49.05%
愛知県岩倉市役所
62.04%
28.97%
愛知県刈谷市役所
61.40%
58.17%
愛知県(旧)作手村役場
59.04%
45.57%
愛知県(旧)額田町役場
58.87%
64.07%
愛知県一宮市役所
58.27%
25.35%
愛知県名古屋市熱田区役所
53.50%
47.36%
愛知県東郷町役場
53.23%
39.48%
愛知県阿久比町役場
53.22%
39.40%
愛知県岡崎市役所
52.43%
63.30%
愛知県東浦町役場
52.19%
73.47%
愛知県名古屋市緑区役所
50.67%
60.03%
愛知県東栄町役場
50.18%
50.71%
愛知県名古屋市中区役所
50.01%
39.36%
三重県(旧)磯部町役場
87.09%
73.37%
三重県(旧)鵜殿村役場
86.72%
83.70%
三重県紀宝町役場
85.99%
82.17%
三重県(旧)南勢町役場
85.25%
50.34%
三重県南伊勢町役場
85.25%
50.34%
三重県津市役所
85.20%
62.55%
三重県(旧)香良洲町役場
83.56%
65.74%
三重県(旧)紀伊長島町役場
83.23%
45.07%
三重県(旧)三雲町役場
82.60%
66.89%
三重県熊野市役所
81.56%
62.17%
三重県(旧)海山町役場
81.12%
73.63%
三重県紀北町役場
81.12%
73.63%
三重県(旧)御薗村役場
80.49%
73.90%
三重県(旧)二見町役場
79.53%
44.91%
三重県(旧)楠町役場
77.77%
55.20%
三重県伊勢市役所
77.64%
72.59%
三重県(旧)志摩町役場
77.02%
74.48%
三重県御浜町役場
76.48%
80.56%
三重県四日市市役所
75.69%
51.20%
三重県(旧)河芸町役場
75.49%
59.59%
三重県(旧)小俣町役場
72.61%
68.02%
三重県木曽岬町役場
72.43%
47.92%
三重県(旧)安濃町役場
70.46%
42.63%
三重県川越町役場
70.44%
48.70%
三重県(旧)南島町役場
70.15%
47.29%
三重県(旧)大王町役場
69.92%
74.39%
三重県松阪市役所
69.48%
60.04%
三重県(旧)浜島町役場
69.45%
53.42%
三重県志摩市役所
69.13%
73.52%
三重県(旧)阿児町役場
69.13%
73.52%
三重県朝日町役場
68.68%
49.44%
三重県明和町役場
68.14%
65.63%
三重県桑名市役所
67.20%
34.98%
三重県(旧)長島町役場
64.93%
70.21%
三重県多気町役場
63.70%
61.23%
三重県(旧)一志町役場
62.76%
51.48%
三重県度会町役場
60.29%
65.86%
三重県玉城町役場
58.59%
63.95%
三重県(旧)大内山村役場
57.78%
42.49%
三重県(旧)嬉野町役場
53.04%
56.19%
三重県(旧)飯高町役場
52.01%
34.02%
三重県三重県庁
50.92%
47.64%
三重県大台町役場
50.25%
56.71%
滋賀県竜王町役場
51.66%
7.09%
京都府井手町役場
61.40%
29.93%
京都府京都市伏見区役所
53.03%
20.58%
京都府八幡市役所
52.98%
21.66%
京都府大山崎町役場
51.69%
19.58%
大阪府大阪市平野区役所
68.79%
28.55%
大阪府大阪市鶴見区役所
68.61%
24.98%
大阪府大阪市城東区役所
68.56%
30.19%
大阪府大阪市都島区役所
68.52%
29.55%
大阪府藤井寺市役所
68.11%
20.43%
大阪府大阪市東成区役所
68.06%
25.73%
大阪府八尾市役所
67.34%
21.06%
大阪府東大阪市役所
67.04%
28.19%
大阪府門真市役所
66.06%
23.64%
大阪府大阪市旭区役所
65.80%
23.05%
大阪府堺市役所
65.33%
23.78%
大阪府堺市堺区役所
65.33%
23.78%
大阪府(旧)堺市役所
65.33%
23.78%
大阪府大阪市東淀川区役所
64.60%
21.84%
大阪府守口市役所
64.40%
23.02%
大阪府大東市役所
63.91%
26.23%
大阪府大阪市住之江区役所
63.66%
26.75%
大阪府摂津市役所
61.36%
21.15%
大阪府吹田市役所
61.01%
20.66%
大阪府大阪市西区役所
60.89%
23.52%
大阪府寝屋川市役所
60.36%
17.15%
大阪府大阪市役所
59.73%
23.04%
大阪府大阪市福島区役所
59.04%
22.33%
大阪府大阪市淀川区役所
57.65%
21.43%
大阪府大阪市大正区役所
56.87%
24.31%
大阪府大阪市西淀川区役所
56.14%
20.84%
大阪府大阪市港区役所
55.06%
23.21%
大阪府高槻市役所
54.05%
11.77%
大阪府大阪市此花区役所
52.66%
22.00%
大阪府島本町役場
52.17%
19.57%
兵庫県(旧)南淡町役場
52.30%
26.28%
奈良県橿原市役所
73.63%
46.54%
奈良県田原本町役場
73.40%
43.56%
奈良県広陵町役場
73.30%
42.26%
奈良県三宅町役場
73.25%
41.39%
奈良県大和高田市役所
72.64%
43.25%
奈良県奈良市役所
67.15%
16.02%
奈良県王寺町役場
66.31%
36.92%
奈良県三郷町役場
65.36%
5.88%
奈良県川西町役場
54.92%
40.78%
和歌山県(旧)古座町役場
86.80%
80.14%
和歌山県那智勝浦町役場
86.05%
71.93%
和歌山県新宮市役所
85.63%
83.19%
和歌山県(旧)串本町役場
85.23%
80.11%
和歌山県串本町役場
85.23%
80.11%
和歌山県(旧)南部川村役場
85.00%
64.43%
和歌山県すさみ町役場
84.50%
63.96%
和歌山県御坊市役所
83.39%
62.70%
和歌山県(旧)南部町役場
81.32%
71.75%
和歌山県みなべ町役場
81.32%
71.75%
和歌山県太地町役場
81.12%
73.15%
和歌山県(旧)日置川町役場
80.18%
77.36%
和歌山県印南町役場
78.84%
58.29%
和歌山県田辺市役所
78.10%
72.53%
和歌山県上富田町役場
74.50%
65.72%
和歌山県(旧)本宮町役場
71.04%
44.15%
和歌山県有田市役所
69.50%
50.64%
和歌山県美浜町役場
67.82%
63.09%
和歌山県日高町役場
67.38%
60.85%
和歌山県(旧)大塔村役場
66.41%
41.83%
和歌山県由良町役場
65.93%
58.49%
和歌山県和歌山県庁
65.47%
32.96%
和歌山県(旧)中辺路町役場
62.46%
58.27%
和歌山県湯浅町役場
61.54%
51.56%
和歌山県広川町役場
61.54%
51.68%
和歌山県白浜町役場
59.14%
50.67%
和歌山県(旧)川辺町役場
56.65%
23.64%
和歌山県日高川町役場
56.65%
23.64%
和歌山県(旧)下津町役場
56.42%
47.66%
和歌山県海南市役所
54.91%
56.82%
和歌山県古座川町役場
54.00%
74.55%
徳島県阿南市役所
68.93%
54.61%
徳島県藍住町役場
66.08%
43.17%
徳島県(旧)由岐町役場
65.34%
57.08%
徳島県(旧)日和佐町役場
64.73%
35.43%
徳島県美波町役場
64.73%
35.43%
徳島県牟岐町役場
63.38%
56.52%
徳島県小松島市役所
62.94%
50.67%
徳島県北島町役場
62.67%
43.41%
徳島県松茂町役場
62.04%
43.00%
徳島県吉野川市役所
61.45%
40.22%
徳島県(旧)鴨島町役場
61.45%
40.22%
徳島県(旧)那賀川町役場
60.95%
53.53%
徳島県徳島県庁
60.72%
46.81%
徳島県(旧)海南町役場
60.61%
56.38%
徳島県(旧)海部町役場
60.61%
56.39%
徳島県海陽町役場
60.61%
56.38%
徳島県徳島市役所
59.70%
46.53%
徳島県(旧)宍喰町役場
59.44%
56.24%
徳島県(旧)羽ノ浦町役場
57.98%
53.10%
徳島県(旧)川島町役場
57.28%
39.00%
徳島県石井町役場
55.17%
42.77%
徳島県(旧)木頭村役場
53.21%
33.43%
徳島県(旧)相生町役場
52.88%
45.98%
徳島県鳴門市役所
50.23%
46.78%
香川県(旧)山本町役場
54.33%
23.69%
香川県(旧)三野町役場
54.30%
30.14%
香川県三木町役場
52.82%
20.02%
愛媛県松前町役場
65.00%
40.20%
愛媛県宇和島市役所
64.76%
52.78%
愛媛県(旧)吉田町役場
64.51%
44.69%
愛媛県(旧)三瓶町役場
62.69%
18.71%
愛媛県(旧)津島町役場
61.44%
48.03%
愛媛県(旧)城辺町役場
59.81%
54.83%
愛媛県愛南町役場
59.81%
54.83%
愛媛県(旧)北条市役所
58.59%
28.84%
愛媛県(旧)川之江市役所
58.02%
40.79%
愛媛県今治市役所
57.60%
28.62%
愛媛県(旧)東予市役所
56.07%
37.31%
愛媛県新居浜市役所
55.69%
38.06%
愛媛県(旧)御荘町役場
51.89%
60.04%
愛媛県(旧)丹原町役場
51.77%
27.49%
愛媛県(旧)保内町役場
51.52%
40.22%
愛媛県松野町役場
51.20%
35.18%
愛媛県大洲市役所
50.00%
41.91%
高知県宿毛市役所
65.09%
59.18%
高知県(旧)中村市役所
63.61%
55.93%
高知県四万十市役所
63.61%
55.93%
高知県高知市役所
62.29%
54.31%
高知県東洋町役場
62.01%
40.29%
高知県(旧)大方町役場
61.64%
57.10%
高知県春野町役場
61.60%
52.77%
高知県高知県庁
61.29%
54.31%
高知県奈半利町役場
60.67%
55.71%
高知県田野町役場
60.61%
55.81%
高知県室戸市役所
60.57%
54.14%
高知県(旧)赤岡町役場
60.20%
55.20%
高知県安芸市役所
60.06%
55.39%
高知県(旧)佐賀町役場
58.86%
52.89%
高知県芸西村役場
58.54%
55.18%
高知県安田町役場
58.43%
52.09%
高知県中土佐町役場
58.32%
52.30%
高知県(旧)夜須町役場
57.95%
55.24%
高知県土佐市役所
57.41%
53.88%
高知県北川村役場
56.77%
51.72%
高知県(旧)吉川村役場
56.50%
55.20%
高知県大月町役場
56.30%
42.38%
高知県黒潮町役場
56.30%
42.38%
高知県(旧)伊野町役場
55.45%
50.72%
高知県いの町役場
55.45%
50.72%
高知県三原村役場
54.31%
41.78%
高知県土佐清水市役所
54.10%
44.18%
高知県日高村役場
54.10%
47.67%
高知県(旧)香我美町役場
54.08%
51.60%
高知県(旧)西土佐村役場
53.73%
47.77%
高知県南国市役所
53.61%
54.91%
高知県佐川町役場
50.65%
43.55%
大分県(旧)鶴見町役場
55.59%
8.73%
大分県佐伯市役所
52.09%
32.54%


※県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、市区町村内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 印刷用(地震発生確率50%を超える各市区町村)





■政府中央防災会議の地震被害想定

 政府中央防災会議の地震被害想定の調査結果を、以下の図に示す。これらの震度分布図から、日本の中枢地帯の関東・東海・近畿地方の広範囲で「震度6強〜7」が発生する可能性のあることがわかる。
 この「震度6強〜7」は、現行の建築基準法通りの建物の「安全限界」を超えている

 なお、地図をクリックすると、地震被害想定資料が参照可能。

★海溝型大地震発生確率
北海道から九州にかけての大地震、
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震M8.3〜6.8
宮城県沖地震M7.5、三陸沖南部M7.7(宮城県沖連動の場合M8.0)
東海地震M8.0
東南海地震M8.1
南海地震M8.4
が、全て、50年以内に90%以上の確率で襲ってくると予測されている(政府地震調査研究推進本部発表)。 また、それに相前後して内陸部での直下地震も続発すると考えられている。 日本列島全体が地震の活動期に入ったといわれ、地震はいつどこで発生してもおかしくない」と、政府の中央防災会議から警告が発せられている。 このように、今世紀、特に今世紀前半に大地震が集中して起こる可能性が非常に高く、日本列島は未曾有の大災害に見舞われる可能性がある。

★首都直下地震
首都圏におけるM7級の地震発生確率は30年以内に70%、50年以内に90%以上と発表されている(政府地震調査研究推進本部発表)。
以下、政府中央防災会議の被害想定である。 ⇒ 首都圏直下型地震
東京湾北部地震M7.3       :全壊約85万棟、 死者約1万1000人
都心東部直下地震M6.9      :全壊約68万棟、 死者約1万1000人
都心西部直下地震M6.9      :全壊約79万棟、 死者約1万2000人
さいたま市直下地震M6.9     :全壊約26万棟、 死者約3300人
千葉市直下地震M6.9       :全壊約8.8万棟、死者約800人
川崎市直下地震M6.9       :全壊約18万棟、 死者約1800人
横浜市直下地震M6.9       :全壊約6.9万棟、死者約700人
立川市直下地震M6.9       :全壊約7.5万棟、死者約500人
羽田直下地震M6.9        :全壊約25万棟、 死者約3200人
市原市直下地震M6.9       :全壊約4.5万棟、死者約200人
成田直下地震M6.9        :全壊約1.8万棟、死者約200人
関東平野北西縁断層帯地震M7.2  :全壊約22万棟、 死者約1700人
立川断層帯地震M7.3       :全壊約48万棟、 死者約6300人
伊勢原断層帯地震M7.0      :全壊約16万棟、 死者約2600人
神縄・国府津−松田断層帯地震M7.5:全壊約22万棟、 死者約5600人
三浦断層群地震M7.2       :全壊約33万棟、 死者約7800人
プレート境界茨城県南部地震M7.3 :全壊約8.7万棟、死者約500人
プレート境界多摩地震M7.3    :全壊約56万棟、 死者約3800人


★近畿・中部圏直下型地震
東南海、南海地震が発生する前後に襲ってくる可能性のある、近畿・中部圏直下型地震について、政府中央防災会議(2006年12月)からも発表があった。京阪神圏、名古屋大都市圏のほぼ全域で震度7〜6強が予想されている。能登半島地震も、東南海、南海地震の発生前後に頻発するM7前後の内陸型地震のひとつと言われ、「西日本は本格的な地震の活動期に入った」とも言われている。 ⇒ 近畿圏・中部圏直下型地震
以下、政府中央防災会議の被害想定である。
猿投−高浜断層帯M7.6      :全壊約30万棟、 死者約1万1000人
名古屋市直下M6.9        :全壊約14万棟、 死者約4200人
加木屋断層帯M7.4        :全壊約12万棟、 死者約4100人
養老-桑名-四日市断層帯M7.7   :全壊約19万棟、 死者約5900人
布引山地東縁断層帯東部M7.6   :全壊約8.3万棟、死者約2800人
花折断層帯M7.4         :全壊約38万棟、 死者約1万1000人
京都西山断層帯M7.5       :全壊約40万棟、 死者約1万3000人
奈良盆地東縁断層帯M7.4     :全壊約14万棟、 死者約3700人
生駒断層帯M7.5         :全壊約56万棟、 死者約1万9000人
上町断層帯M7.6         :全壊約97万棟、 死者約4万2000人
中央構造線断層帯M7.8      :全壊約28万棟、 死者約1万1000人
阪神地域直下M6.9        :全壊約29万棟、 死者約6900人
山崎断層帯主部M8.0       :全壊約18万棟、 死者約7500人




■東海地震 過去30年で最も危険な状態

 特に心配される東海地震においても、防災科学技術研究所松村正三研究参事の研究で、東海地震の想定震源域である静岡県西部で2007年以降、プレート同士の固着域に、ひずみがたまり、過去30年で最も巨大地震が起こりやすくなっていることが、昨年10月の日本地震学会で発表された。





【参考】 震度別地震回数表からの比較について

 以下の10年間単位での比較で見ても、直近 1999年1月1日〜2008年12月31日 とその直前の 1989年1月1日〜1998年12月31日 の10年間とを比較しても、その顕著な差がわかる。
 また、 1989年1月1日〜1998年12月31日 とそれ以前の 1979年1月1日〜1988年12月31日1969年1月1日〜1978年12月31日1959年1月1日〜1968年12月31日 には、顕著な差が無い。
 また、1991年以降、計測震度が部分試行されているので、 1999年1月1日〜2008年12月31日 とその直前の 1989年1月1日〜1998年12月31日 の10年間とを比較は、ほぼ計測震度時代の比較にもなっているので、その顕著な差は重要である。
 また、 1989年1月1日〜1998年12月31日1979年1月1日〜1988年12月31日1969年1月1日〜1978年12月31日1959年1月1日〜1968年12月31日 に、さほど差が無いのも、計測震度時代以前と以後の比較で、ほぼ差が無いことを意味している。
 結局、 1999年1月1日〜2008年12月31日 は、それ以前の50年(平均は1949年1月1日〜 1998年12月31日の50年間)と比較して、顕著な差があることになる。

●10年間単位での比較

直近(1999年1月1日〜2008年12月31日)の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1999年1月1日〜2008年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 88
 4
 
 
 98
 490
1960
青森県
 12
 2
 
 
 16
  80
 320
秋田県
  5
 1
 
 
 
  8
  40
 160
岩手県
 29
 1
 
 34
 170
 680
宮城県
 41
 5
 
 53
 265
1060
山形県
 12
 2
 
 
 
 15
  75
 300
福島県
 30
 4
 
 
 
 35
 175
 700
新潟県
 73
11
100
 500
2000
茨城県
 37
 8
 
 
 
 46
 230
 920
栃木県
 42
 2
 
 
 
 
 44
 220
 880
群馬県
 11
 3
 
 
 
 
 14
  70
 280
埼玉県
 25
 3
 
 
 
 
 28
 140
 560
千葉県
 27
 3
 
 
 
 31
 155
 620
東京都
260
19
 
 
293
1465
5860
神奈川県
 17
 1
 
 
 
 19
  95
 380
10年間平均/県
 47
4.6
2.1
1.2
0.4
0.1
 55
50年間平均/県※
236
23
10
0.3
 278
200年間平均
遭遇回数/県※
945
92
41
24
1.3
1112
※当該10年間からの推計。


★1989年1月1日〜 1998年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1989年1月1日〜 1998年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 28
 5
 
 
 
 35
 175
 700
青森県
  5
 3
 
 
 
  9
  45
 180
秋田県
  4
 
 
 
 
 
  4
  20
  80
岩手県
 15
 2
 
 
 
 18
  90
 360
宮城県
 11
 3
 
 
 
 
 14
  70
 280
山形県
  2
 
 
 
 
 
  2
  10
  40
福島県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
新潟県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
茨城県
 19
 
 
 
 
 
 19
  95
 380
栃木県
 10
 1
 
 
 
 
 11
  55
 220
群馬県
 
 1
 
 
 
 
  1
   5
  20
埼玉県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
千葉県
 14
 2
 
 
 
 
 16
  80
 320
東京都
 36
 3
 
 
 
 
 39
 195
 780
神奈川県
 10
 
 
 
 
 
 10
  50
 200
10年間平均/県
 12
1.3
 0
0.27
 13
50年間平均/県※
 58
6.7
 0
1.3
  66
200年間平均
遭遇回数/県※
233
27
 0
5.3
 265
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。


★1979年1月1日〜 1988年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1979年1月1日〜 1988年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 23
 2
 
 
 
 26
 130
 520
青森県
 10
 1
 
 
 
 
 11
  55
 220
秋田県
  2
 1
 
 
 
 
  3
  15
 60
岩手県
 14
 1
 
 
 
 
 15
  75
 300
宮城県
  5
 
 
 
 
 
  5
  25
 100
山形県
  2
 
 
 
 
 
  2
  10
  40
福島県
 10
 3
 
 
 
 
 13
  65
 260
新潟県
  1
 
 
 
 
 
  1
  5
  20
茨城県
 15
 
 
 
 
 
 15
  75
 300
栃木県
 18
 
 
 
 
 
 18
  90
 360
群馬県
 
 
 
 
 
 
  0
   0
   0
埼玉県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
千葉県
 20
 1
 
 
 
 
 21
 105
 420
東京都
 46
 7
 
 
 
 
 53
 265
1060
神奈川県
 10
 
 
 
 
 
 10
  50
 200
10年間平均/県
 12
1.1
 0
0.07
 13
50年間平均/県※
 61
5.3
 0
0.3
  67
200年間平均
遭遇回数/県※
244
21
 0
1.3
 267
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。


★1969年1月1日〜 1978年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1969年1月1日〜 1978年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 21
 
 
 
 
 27
 130
 540
青森県
 14
 
 
 
 
 
 14
  70
 280
秋田県
  4
 
 
 
 
 
  4
  20
  80
岩手県
 13
 3
 
 
 
 
 16
  80
 320
宮城県
  5
 1
 
 
 
 
  6
  30
 120
山形県
  2
 1
 
 
 
 
  3
  15
  60
福島県
  8
 1
 
 
 
 
  9
  45
 180
新潟県
  1
 
 
 
 
 
  1
  5
  20
茨城県
 13
 
 
 
 
 
 13
  65
 260
栃木県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
群馬県
  1
 
 
 
 
 
  1
   5
  20
埼玉県
  5
 
 
 
 
 
  5
  25
 100
千葉県
 16
 
 
 
 
 
 16
  80
 320
東京都
 30
 2
 
 1
 
 
 33
 165
 660
神奈川県
  7
 1
 
 
 
 
  8
  40
 160
10年間平均/県
 10
 1
 0
0.07
 11
50年間平均/県※
 49
 5
 0
0.3
  54
200年間平均
遭遇回数/県※
196
20
 0
1.3
 217
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。


★1959年1月1日〜 1968年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1959年1月1日〜 1968年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 18
 4
 
 
 
 
 22
 110
 440
青森県
 11
 1
 
 
 
 
 12
  60
 240
秋田県
  5
 
 
 
 
 
  5
  25
 100
岩手県
 14
 1
 
 
 
 
 15
  75
 300
宮城県
 11
 1
 
 
 
 
 12
  60
 240
山形県
  5
 1
 
 
 
 
  6
  30
 120
福島県
 11
 1
 
 
 
 
 12
  60
 240
新潟県
  6
 1
 
 
 
 
  7
  35
 140
茨城県
 18
 
 
 
 
 
 18
  90
 360
栃木県
  3
    
 
 
 
 
  3
  15
  60
群馬県
  2
  
 
 
 
 
  2
  10
  40
埼玉県
  1
 
 
 
 
 
  1
   5
  20
千葉県
 12
  
 
 
 
 
 12
  60
 240
東京都
 36
 14
 
 
 
 
 50
 250
1000
神奈川県
  3
 
 
 
 
 
  3
  15
  60
10年間平均/県
 10
1.6
 0
 12
50年間平均/県※
 52
 0
  60
200年間平均
遭遇回数/県※
208
32
 0
 0
 240
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。


★1949年1月1日〜 1958年12月31日の10年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1949年1月1日〜 1958年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の地震回数※2
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 10
 2
 
 
 
 
 12
  60
 240
青森県
  4
  
 
 
 
 
  4
  20
  80
秋田県
   
  
 
 
 
 
  0
   0
   0
岩手県
  2
  
 
 
 
 
  2
  10
  40
宮城県
  1
 
 
 
 
 
  1
   5
  20
山形県
   
 
 
 
 
 
  0
   0
   0
福島県
  5
  
 
 
 
 
  5
  25
 100
新潟県
  
 
 
 
 
 
  0
   0
   0
茨城県
 11
 
 
 
 
 
 11
  55
 220
栃木県
  4
 
 
 
 
 
  4
  20
  80
群馬県
 
 
 
 
 
 
  0
   0
   0
埼玉県
  3
 
 
 
 
 
  3
  15
  60
千葉県
 10
 1
 
 
 
 
 21
 105
 420
東京都
  8
 1
 
 
 
 
  9
  45
 180
神奈川県
  7
 
 
 
 
 
  7
  35
 140
10年間平均/県
 4.3
0.3
 0
 4.6
50年間平均/県※
 22
1.3
 0
  23
200年間平均
遭遇回数/県※
 87
 0
  92
※当該10年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。



●50年間での比較

直近(1999年1月1日〜2008年12月31日)の10年間からの50年間推計

 【東日本地方 震度別地震回数表/1999年1月1日〜2008年12月31日(気象庁調べ)からの50年間推計】
 
震度ごとの50年間の地震回数推計※
 
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 440
20
20
10
 
 
 
 490
1960
青森県
  60
10
 5
 5
 
 
 
  80
 320
秋田県
  25
 5
10
 
 
 
 
  40
 160
岩手県
 145
 5
 5
10
 5
 
 
 170
 680
宮城県
 205
25
 5
20
10
 
 
 265
1060
山形県
  60
10
 5
 
 
 
 
  75
 300
福島県
 150
20
 5
 
 
 
 
 175
 700
新潟県
 365
55
45
15
15
 5
 
 500
2000
茨城県
 185
40
 5
 
 
 
 
 230
 920
栃木県
 210
10
 
 
 
 
 
 220
 880
群馬県
  55
15
 
 
 
 
 
  70
 280
埼玉県
 125
15
 
 
 
 
 
 140
 560
千葉県
 135
15
 5
 
 
 
 
 155
 620
東京都
1300
95
40
30
 
 
 
1465
5860
神奈川県
  85
 5
 5
 
 
 
 
  95
 380
        
50年間平均/県※
236
23
10
0.3
 278
200年間平均
遭遇回数/県※
945
92
41
24
1.3
1112
※当該10年間からの推計。


★1949年1月1日〜 1998年12月31日の50年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1949年1月1日〜 1998年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの50年間の地震回数※2
 
震度4以上
50年間
合計
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
100
19
 
 
 
 
 122
 488
青森県
 44
 5
 
 
 
 
  50
 200
秋田県
 15
 1
 
  
 
 
 
  16
  64
岩手県
 58
 7
 
 
 
 
  66
 264
宮城県
 33
 5
 
 
 
 
 
  38
 152
山形県
  11 
 2
 
 
 
 
 
  13
  52
福島県
 41
 5
 
 
 
 
 
  46
 184
新潟県
 15
 1
 
 
 
 
 
  16
  64
茨城県
 76
 
 
 
 
 
 
  76
 304
栃木県
 42
 1
 
 
 
 
 
  43
 172
群馬県
  3
 1
 
 
 
 
 
   4
  16
埼玉県
 23
 
 
 
 
 
 
  23
  92
千葉県
 72
 4
 
 
 
 
 
  76
 304
東京都
156
27
 
 
 
 
 184
 736
神奈川県
 37
 1
 
 
 
 
 
  38
 152
        
50年間平均/県
 48
 0
0.4
  54
200年間平均
遭遇回数/県※
194
21
 0
1.6
 216
※当該50年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。






■100kine・1000gal以上多数観測の時代

 要約

 地震防災対策として、地震静穏期・活動期関係なく、本来は、
直下型地震対策
海溝型巨大地震対策
の両方を行う必要がある。

特に、地震活動期に入った場合は、「直下型地震対策」にもウェイトをおく必要がある。
というのは、下記のように、直下型地震は、海溝型地震に比べて、地表面加速度が大きいからである。1000gal以上(100kine以上)が多く観測されている

直下型地震を含めた地震防災対策を考えた場合、「震度6強〜7程度」の加速度として、
内閣府防災部門 「地震被害想定支援マニュアル
震度6強と7の境界加速度の 1500gal は納得できるところである (なお、建築基準法の安全限界加速度は 300〜400gal である)。



■100kine以上・1000gal以上の地震動多数観測 (4000gal観測も)

 1995年阪神・淡路大震災以降、以下のように、100kine以上、1000gal以上の地震動が多数観測されている。
 政府中央防災会議から「地震はいつどこで発生してもおかしくない」と発表され、阪神・淡路大震災以降、現在までのところ、100kine 1000gaを超える強震動が、首都圏・中部圏・近畿圏で起こっていないことは、不幸中の幸いである。


【1995年以降の強い地震動の加速度・速度・変位】

 この表のデーターは、気象庁のデーター 、気象庁のデーターの内*印の付いた観測点は地方公共団体の設置した震度計のデーターK-NETKiK-net((独)防災科学技術研究所)のデーターによっている。上記データーの、3成分の加速度データーのあるもののうち、震度の大きい順に抽出した。データーに速度・変位の記載が無い場合は、弊社が加速度時刻歴データーから算定している。加速度時刻歴データーの無い場合は速度・変位の算出は困難なので、空欄となっている。

 この表の地震波の並び順は、地震ごとに、計測震度順で並べた。この表をクリックすると計測震度・震度、水平ニ方向の合成値を含んだPDFの表が参照可能である。

 この表での赤字記載について、800gal以上・80kine以上・20cm以上は赤字とし、1000gal以上・100kine以上・40cm以上をさらに太字とした。

 ここで、時期、時期で、1000gal以下、2000gal以下、4000gal以下しか観測されなかったのは、単に加速度型強震計の「測定可能範囲」による可能性がある
 すなわち、
(独)防災科学技術研究所は2007年度末までに強震観測網(K-NET, KiK-net)のほぼ全観測点において、地上設置型の加速度型強震計を測定可能範囲が2000galのものから4000galのものへ換装」した。阪神・淡路大震災当時の測定可能範囲1000gal時代から、2000gal時代、そして4000gal時代に入った。 単に、それまでに、1000gal以下、2000gal以下、4000gal以下しか観測されていなかったのは、加速度型強震計の「測定可能範囲」の問題だった可能性がある。ちなみに、「震度」についても、阪神・淡路大震災後の1996年改定(1991年部分試行)までは、震度観測は体感(「体感震度」)で行われていたが、1996年改定後は、器械により観測される「計測震度」(計測震度は加速度波形から計算される)となった。以上のように、阪神・淡路大震災以降、地震計測に関して、大きく進歩したといえる。



■全壊率の指標 ( 加速度+変位 ⇒ 「速度」)

 「加速度」より、「速度」の方が、全壊率(倒壊率)との、相関性が高い。

 さらに言えば、
一定以上の(応答)加速度と一定以上の(応答)変位に到達すると倒壊が始まる。」
ので、

「全壊率(倒壊率)は、「(応答)加速度+(応答)変位」との、相関性が高い。」
が正しいと考えられる。 (応答)と書くことによって「周期=共振」概念も加味できる。

 つまり、
「全壊率(倒壊率)は、「加速度+変位」との、相関性が高い。」

 このことをアバウト(加速度+変位のアバウトな合成指標)に表現すると
全壊率(倒壊率)は、「速度」との相関性が高い。」
となる。

★加速度(震度)が大きくても地震被害の少ない地震について
 加速度(震度)が大きくても、地震被害の少ない地震は、変位が小さい地震、短周期成分が主成分の地震である。
 ⇒ 参考論文1「地震動と建物等の被害」 参考論文2「短周期・大加速度地震動と建物等の被害」


【加速度(震度)が大きい割に変位の小さい代表的地震動=地震被害の少ない地震動】



【震度がほぼ同じで変位の大きさがまったく違う地震動】
 上表のように、震度がほぼ同じ(6.2と6.1)で、変位がまったく違う(66.2cmと3.8cm)地震動が存在する。加速度は、平成19年新潟県中越沖地震の方が約半分と小さいにもかかわらず、全壊棟数は、観測点のある柏崎市だけで1000棟以上であり、平成15年宮城県沖の地震の方は、全国でも僅か2棟である。

★加速度(震度)が小さくて地震被害の大きい地震について
 加速度(震度)が比較的小さくても(「安全限界」加速度(400gal)を少し超えているだけでも)、地震被害の大きい地震は、変位が大きい地震、中・長周期成分が主成分の地震である。


【震度と全壊率が逆転した地震動】
 上表は、震度の小さい方が、全壊率が大きい地震動の比較である(震度5.8: 11.1%、震度6.1: 0%/1982年以降の木造(「新耐震」)全壊率)。加速度は震度が大きいほうがはるかに大きい(震度5.8: 490gal、震度6.1: 1566gal/水平成分合成)、しかし変位がまったく違う(震度5.8: 80.1cm、震度6.1: 3.8cm/水平成分合成)。



■「民間独自の耐震基準づくり」 (150kine 1500gal基準も)

 下記の記事(1月7日、1月17日)のように、建築設計用地震動が、150kineの時代(現行建築基準法では40〜50kine)に入ってきたようである。
ω=10とすると、
150kine ⇒ 1500gal(現行建築基準法では300〜400gal)
となる。
内閣府防災部門 「地震被害想定支援マニュアル」から
の震度6強と7の境界加速度の
1500gal
に合致する。
民間独自で、150kine、1500gal基準をつくりはじめている。

★大阪府域直下地震設計研究会/暫定波 150kineで試算、検討項目抽出へ(2010年1月7日 日刊建設工業新聞)
 日本建築構造技術者協会(JSCA)関西支部(近藤一雄支部長)の「大阪府域内陸直下型地震に対する建築設計用地震動および設計法に関する研究会」は5日、大阪市中央区で専門委員会を開き、検討用暫定地震波を毎秒150センチとし、建築物の仮の応答解析(試算)を行うことで合意した。
 今後、暫定地震波で応答解析を行ううえでの検討項目を洗い出すとともに、耐震解析法を検証。既存建築物の耐震改修設計法の検証も視野に入れて研究を進めることになった。
 この日は、三つの地震波で行う応答解析に先だって実施する仮の応答解析用地震波を協議したほか、五つのワーキンググループの活動方針について意見交換した。
 同研究会は、地震による府域の人命・財産の損失を最小化できる設計法を確立するとともに、これを使って設計し、社会に説明することが建築構造技術者の責務と、JSCA関西支部が考え09年11月に設立。
 上町断層帯地震など大阪府の内陸直下型地震動に備えた建築物耐震設計法を確立するため、設計事務所やゼネコン、構造設計事務所、大阪ガス、関西電力、都市再生機構に加え、大阪市が参加している。
 今年9月末にも上町断層帯地震に対応する性能設計法を策定する予定。生駒、中央構造線、有馬高槻の3断層帯の設計法も順次確立し、5年間で全体的な研究成果をとりまとめる。

★超高層に独自耐震基準 大阪の40社、上町断層帯に対応(2010年1月17日 朝日新聞
 「新たな基準案では、150〜170kineで耐震性が十分か確認する。」



■土木においても建築の耐震基準の2倍 (C0=2.0相当)

耐震基準には、大きく
地震静穏期の耐震基準
地震活動期の耐震基準
という考え方がある。
地震活動期には、直下型地震が活発化するので、
海溝型地震の耐震基準
直下型地震の耐震基準
という区分につながる。

阪神・淡路大震災までは、
土木の「道路橋示方書」は、ほぼ、建築基準法と同じだったが、
阪神・淡路大震災後、「道路橋示方書」の方は、大きな改定をしている。
すなわち、
1996年に「兵庫県南部地震の甚大な被害の経験を踏まえ、マグニチュード7級の内陸直下で発生する地震による地震動に対しても必要な耐震性を確保することを主な内容とする改訂」が行われている (改訂では、さらに、設計地震動において、改定前のレベル1地震動に加え、発生確率は低いが極めて大きな、レベル2地震動も新たに規定された)。
その結果、設計水平震度の標準値については、今回改定の、内陸直下型地震を想定したレベル2地震動の「タイプU(直下型地震)」の場合、最大で2.0(2G 相当)となった。
つまり、
建築基準法の耐震基準に置き換えれば、標準せん断力係数C0=2.0となる。
「安全限界」に至る「極めて稀に発生する地震動(最大級の地震動)」時の標準せん断力係数C0=2.0ということになり、現行の建築基準法の標準せん断力係数C0=1.0の
2倍ということになる。
また、レベル2地震動の「タイプT(海溝型地震)」の場合、最大で1.0で、建築基準法(標準せん断力係数C0=1.0)と同じである。

以上のことを整理すると、
★建築基準法では、
海溝型地震の耐震基準(標準せん断力係数C0=1.0)
だけだが、
★「道路橋示方書」では、
海溝型地震の耐震基準(建築基準法の標準せん断力係数C0=1.0相当)
直下型地震の耐震基準(建築基準法の標準せん断力係数C0=2.0相当)
の2つの基準で行っていることになる。

詳細は、「道路橋示方書・同解説 X耐震設計編」平成14年3月版(改定は平成8年12月版から)をご参照のこと。



■防災対策=直下型地震+海溝型巨大地震対策

★なぜ、「耐震基準」と実際の地震動とに、大きな乖離が生じたのか。
 「大地震動程度の地震力としては、関東大震災級の地動を想定していると考えてよい。その強さは、地動の最大加速度で約300gal から400gal 程度」(「建築物の構造規定」)の通り、「耐震基準」の地震の対象を、海溝型大地震にしていた。
 今までは、海溝型大地震の前兆として起こる、また海溝型大地震のときにも誘発する可能性もある「直下型地震」を対象に入れていなかった。

 阪神・淡路大震災以降、近年の被害地震は、ほとんどが直下型地震である。
 これら地震では、100kine以上・1000gal以上の地震動が、多数観測されている。
 また、海溝型大地震でも、最近では、以上のように、1000galを超える地震も多く観測されている。

 このような観測結果からも、「耐震基準」を見直すべき時期に来ている。

★地震静穏期・活動期について
地震静穏期、活動期に関して、
首都地域(南関東地方)の場合は、
「首都直下地震の被害想定(概要)」(中央防災会議資料)の2頁の「首都直下地震の切迫性」の通り、約100年間隔で、「地震静穏期」「地震活動期」を繰り返すと見ている。
中部・近畿・中国・四国地方の場合は、
「21世紀前半は西日本の地震活動期」(日本地震学会:なゐふる第39号)
「中部から近畿、それに中国四国地方には、30年から100年の地震活動の静穏期をはさんで、60年ほどの地震活動期がくり返されるという性質があります。そして活動期の最後に近い時期に、この地域の南にある南海トラフという海溝でマグニチュード8クラスの巨大地震が起こるというのも、この地域の特徴です。」
の通り、30年から100年の地震活動の静穏期をはさんで、60年ほどの地震活動期がくり返される。

そして、南関東・中部・近畿・中国・四国地方が「地震活動期」に入ったのではないかと言われている。
「地震活動期」に入ると、直下型地震が増え、海溝型の巨大地震が、活動期の最後に近い時期に発生する。

★防災対策=直下型地震+海溝型巨大地震対策
地震静穏期、活動期に関して、
地震防災対策として、地震静穏期・活動期関係なく、本来は、
直下型地震対策
海溝型巨大地震対策
の両方を行う必要がある。

 特に、地震活動期に入った場合は、「直下型地震対策」にもウェイトをおく必要がある。
というのは、上記のように直下型地震は、海溝型地震に比べて、地表面加速度が大きいからである。1000gal以上が多く観測されている (なお、上記には、十勝沖地震、宮城県沖の地震等の「海溝型地震」も含まれており、「海溝型地震」でも1000galを超えている)。

 直下型地震も考えた場合、「震度6強〜7程度」の加速度として、
内閣府防災部門 「地震被害想定支援マニュアル」の震度6強と7の境界加速度の 1500gal は納得できるところである (気象庁が1996年改定時に震度階の震度6-7境界加速度をアップせざるを得なくなったのも、直下型地震である阪神・淡路大震災の震度6-7(旧震度)地域での加速度の勘案からでもある※)。

 土木の場合も、上述のように、,「道路橋示方書」において、「タイプU(直下型地震)」を、阪神・淡路大震災後に設けている。
 しかし、建築の場合、建築基準法では、海溝型巨大地震の耐震基準、すなわち、安全限界加速度の「300〜400gal」(大正時代の関東地震の海溝型巨大地震のもの)だけである。ただ、阪神・淡路大震災後の建築基準法の改正で「免震」を、個別物件単位での大臣認定無しで確認申請だけで建てられるようにした (これは後述のように直下型地震対策といっても良い)。しかし、非免震建物の「耐震基準」自体は変更しなかった。最近になって、上述のように、民間が独自で、直下型地震対応の「耐震基準」づくりをはじめた

 このように、前述の耐震基準問題と当然関係があるが、実際の地震動のデータからも、耐震基準アップをせざるを得ない時期でもある


※「震度を知る−基礎知識とその活用」(監修:気象庁、発行:鰍ャょうせい、平成8年9月30日初版発行、平成9年4月15日第3版発行)212頁。






■大きな節目の年、耐震基準引上げへ

 要約

 現行の建築基準法通りの建物の「安全限界」は震度6弱程度であるから、「震度6弱」から危険水位、「震度6強」では「安全限界」を超え、(建築物が倒壊・崩壊等しないという)安全が保証されない状態になっている
 しかるに、政府地震調査委員会の発表では、「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率が驚異的上昇関東・東海・近畿の多くの市区町村で50%を超え、中央防災会議の発表では、関東・東海・近畿の広域で震度6強以上を予測している

 2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 上記の「安全限界」の問題が連動するのは「標準せん断力係数=0.2」であり、その概念自体は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと4年で90年となる。現在、国の水準から考えると、この「標準せん断力係数=0.2」を大幅にアップすべき段階にきている。そして、この改定は、地震列島日本にとって、有史以来の、地震被害根絶という「悲願」達成につながるものにすべきである。

【現行耐震基準における耐震等級+新耐震等級の比較】


            震度4〜5弱  震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal   300〜400gal程度 

  


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■


            震度5弱        震度6弱〜6強 
   地動加速度:0gal  100〜125gal     375〜500gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■


            震度5弱           震度6強 
   地動加速度:0gal  120〜150gal       450〜600gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


             震度5弱〜5強        震度6強 
   地動加速度:0gal   140〜175gal        525〜700gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級4)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


              震度5弱〜5強          震度6強 
   地動加速度:0gal    160〜200gal         600〜800gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級5)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■


                                                            震度7 
   地動加速度:0gal                                             約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性




■大きな節目の年

 2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 「戦時中の材料節約を目的」とした建築基準法の「耐震基準」も、すでに60年を経過し、標準せん断力係数C0=0.2を、大きく見直すべき時期に来ている。この標準せん断力係数C0=0.2の概念自体(当初は水平震度k)は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと14年で、100年となる。現在のわが国の水準から考えて、見直すべき好機である。
 住宅局建築指導課監修(昭和56年発行)の「新しい耐震設計」によれば、「1950年建築基準法の構造規定は戦時中の材料節約を目的とした構造設計の合理化の要請から建築学会でまとめられたものをもとにしてできたものである」(20頁)ということであり、1950年の建築基準法の公布当時にも、設計震度(現状の標準せん断力係数C0)0.2を、「当時にあっても設計震度を 0.3〜0.4とすべきであるとの議論もあった」(20頁)ということである。すなわち、耐震性能を2倍にすべきという議論が1950年当時でもあったということである。



■現行の建築基準法の損傷限界・安全限界について

 前述の通り、現行の建築基準法の損傷限界・安全限界は以下のとおりである。

★損傷限界=震度4〜5弱程度(80〜100gal程度)
「損傷限界」とは、建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じない限界のことであり、これを超えると、建物の損傷が始まる
それが、震度4〜5弱程度である。
阪神・淡路大震災以降、震度4〜5弱の地震が頻発している。 ⇒ 地震1地震2地震3
果たして、これで良いのか、という問題である。

★安全限界=震度6弱程度(300〜400gal程度)
「安全限界」とは、建築物が倒壊・崩壊等しない限界のことで、これを超えると、建物の倒壊・崩壊が始まる
それが、震度6弱程度である。
阪神・淡路大震災以降、震度6弱以上の地震が頻発している。 ⇒ 地震1地震2地震3
果たして、これで良いのか、という問題である。


             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

  



基準法通り建物


 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■




■震度6強〜震度7程度でも倒壊しないための「耐震基準」改定の目安

 建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とする場合、標準せん断力係数をどの程度上げざるを得なくなるか、を考えてみる。



●「加速度基準」で考えて ⇒ 詳細

 建築基準法通りの建物が倒壊等の被害を生じない、「安全限界」の加速度は、300〜400gal である。その震度は、長年にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、1996年の気象庁震度階改定により、震度6弱程度に引き下げられている。

 【1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較】
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。


 上表からわかるように、「加速度」で考えて、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍以上差が生じているので、2倍以上、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。



●「実効入力地震動」から考えてみても ⇒ 詳細

 気象庁は、
1948年の福井地震の被災状況をみて、1949年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を400galとし、
1995年の阪神大震災の被災状況をみて、1996年に、家屋の倒壊が30%以上となる(震度7相当の)地震加速度を、800gal(河角式の通り)まで引上げているので、
1996年改定段階で、実質2倍に引き上げたことになる。
(1981年に建築基準法改正で、在来木造の必要壁量を1950年段階の約2倍に上げているので、この話は対応する。)

1949年に、実効的なものとして、400galとし、
1996年に、実効的なものとして(継続時間=「建物への作用時間」を考慮して)、800galとしたわけである。

「建築物の構造関係技術基準解説書」の「実効入力地震動」に相当し、

実効入力地震動 400gal ⇒ 地表面地震動 800gal
実効入力地震動 800gal ⇒ 地表面地震動 1500gal(内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より)

というようになる。

 このように「実効入力地震動(加速度)」で考えてみても、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍程度差が生じているので、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。



●「速度基準」で考えてみても  ⇒ 詳細

 中央防災会議の全壊率テーブル等にしたがって、震度を「速度」で換算して考えても、同様の結果となった。全壊率は、「加速度」よりも「速度」の方が、より相関していることは、「全壊率の指標」の通りである。

 内閣府の「地震被害想定支援マニュアル」から、

震度
5弱
5強
6弱
6強
最大速度(kine)
4〜10
10〜20
20〜40
40〜60
60〜100
100
となる。

現行建築基準法の「耐震基準」の、倒壊等の被害を生じない「安全限界」の地震動の速度は、40kineである。
この表 から見ても、現行「耐震基準」は、「5強〜6弱」である。これは時刻歴応答解析結果と合致する。

 ※出典:
 ・「設計用入力地震動強さとそのレベルの設定−確率論から考えても」渡部丹 37-3、145頁、公共建築、1995年
 ・「設計用模擬地震動に関する研究」渡部丹 建築研究報告No.92,March1981,建設省建築研究所


それに対して、
震度7は、100kine以上である。

 このように「速度」で考えても、
震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標
とする限りは、1996年の気象庁震度階改定で、2倍以上差が生じているので、2倍以上、標準せん断力係数を上げざるを得なくなる。



■安全限界・損傷限界の引上げへ

 以上のことから、建築基準法の耐震基準を「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」とする限りは、2倍程度、標準せん断力係数を上げざるを得ないのである。 ⇒ 【参考】地震活動期の耐震基準案

 ここで、耐震性能を2倍(標準せん断力係数0.4)に引上げれば、 ⇒ 新耐震等級5

★安全限界
 震度  : 6弱(現状)       ⇒ 6強程度
 加速度 : 300〜400gal(現状) ⇒ 600〜800gal程度
となり、「震度6強程度」まで、倒壊・崩壊を防ぐことができる。

★損傷限界
 震度  : 4〜5弱(現状)    ⇒ 5弱〜5強程度
 加速度 : 80〜100gal(現状)  ⇒ 160〜200gal程度
となり、「震度5弱〜5強程度」まで、損傷を防ぐことができる。

 建物の構造躯体が損傷しない限界である「損傷限界」については、現状の建築基準法通りの建物では、震度4〜5弱程度である。これは、日本の一般的建物が震度4〜5弱以上の地震ごとに損傷・破壊し、国民の資産価値が減少することを意味している。ここで、たとえ耐震性能を2倍(標準せん断力係数0.4)に引上げたとしても、震度5弱〜5強程度に「損傷限界」が上がるだけである。
 それ以上の「損傷限界」の引上げを考えた場合は、免震構造しかない。免震では、通常、震度6弱〜6強程度まで「無損傷」状態が得られるので、免震構造の普及が、日本の資産価値を一番保全することになる。



■耐震基準引上げの機会は今しか無い

★安全限界
 「安全限界」は、国民の生命に直結する問題であるから、上記のような、標準せん断力係数の2倍程度の引上げは、最低限であろう

★損傷限界
 「損傷限界」も、現在のわが国の水準、世界における役割から考えて、国の資産価値の保全、震災時その直後の経済活動継続性をも考え、引上げるべき段階に至っているが、たとえば、標準せん断力係数を2倍(標準せん断力係数0.4)に引上げたとしても、上記のように、震度5弱〜5強程度に「損傷限界」が上がるだけであり、不十分である。免震によって震度6弱〜6強程度への引上げは可能であるので、それへの誘導も図るべきであろう

 現在、上述したような耐震上の重大問題が生じており、また昨今、大地震が頻発し、自然が最大限の警鐘を鳴らしている、この時こそ、国家100年の計を考え、対策を講じるべき時期であり、今をおいて、その時は無いかもしれない。

 ⇒ 【参考】 「民間独自の耐震基準づくり」について (150kine 1500gal時代)
 ⇒ 【参考】 土木においても建築の耐震基準の2倍 (C0=2.0相当)



■「暫定措置」案

 「暫定措置」案として、以下のものが考えられる。

1.「既存不適格問題」解消
 今回改正すると、現行の建築基準法令に適合した建物が、「既存不適格」になるという問題のことであり、そのため、現行の法令に適合した建物は、当分の間(暫定期間中)、「既存不適格」にはしない、ということである。

2.「耐震性能表示制度」導入
 その代わり、「耐震性能表示制度」(耐震等級1・2・3・4・5=品格法を援用+ルート1の場合は標準せん断力係数、ルート2の場合は層間変形角・剛性率・偏心率も、ルート3の場合は保有水平耐力も、4号建築の場合は壁量等)を導入して 、「耐震等級3・4・5」に誘導する。最終的に、「耐震等級3(C0=0.3)」以上、太平洋側等の危険地帯は「耐震等級5(C0=0.4)」以上に誘導する。

3.建築確認申請の簡易化=「適判」問題を解消
 「耐震等級3」以上、太平洋側等の危険地帯は「耐震等級5」以上にすれば、
「耐震計算ルート2(枝番あり)」は、「構造計算適合性判定(適判)」対象にはしない。
「耐震計算ルート3」の高さ31mも緩和する。
 これによって、ほとんど建物が「適判」対象にならない。


【現行耐震基準における耐震等級+新耐震等級の比較】



             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

  


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■


            震度5弱         震度6弱〜6強 
   地動加速度:0gal  100〜125gal      375〜500gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■


             震度5弱           震度6強 
   地動加速度:0gal   120〜150gal       450〜600gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


               震度5弱〜5強        震度6強 
   地動加速度:0gal    140〜175gal        525〜700gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級4)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


              震度5弱〜5強            震度6強 
   地動加速度:0gal    160〜200gal          600〜800gal程度

 


耐震・制震住宅
(新耐震等級5)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■


                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性



 上図は、戸建住宅クラスの耐震等級の比較である。
★「耐震」は、1981年改正以降の建築基準法の耐震基準(=新耐震)に準拠したものを指す。「耐震等級」は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に定める等級で、「等級1」が建築基準法と同等、「等級2」がその1.25倍、「等級3」が1.5倍の耐震性能である。さらに新耐震等級として、「等級4」がその1.75倍、「等級5」が2倍の耐震性能である。
 「耐震等級1」における、「無損傷」と「小〜大破壊に至る可能性」の境界加速度「震度4〜5弱/80〜100gal」、および「小〜大破壊に至る可能性」と「倒壊・崩壊の可能性」の境界加速度「震度6弱/300〜400gal程度」は、『2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書』『1997年度版 建築物の構造規定』(国土交通省(建設省)住宅局建築指導課他監修)に記載の「最大級の地震動(大地震動)=300〜400gal」「中地震動=80〜100gal」に則っており、震度に関しては前述のとおり
「耐震等級2」「耐震等級3」における、上記の境界加速度は、「耐震等級2」では「耐震等級1」の1.25倍、「耐震等級3」では1.5倍となる(品確法)。さらに新耐震等級の、「等級4」では1.75倍、「等級5」では2倍となる。

★「制震」は、現行の建築基準法・品確法に規定はなく対象外のため、耐震と同じ扱いとなるが、実際の性能も、大手ハウスメーカー2社の実物大実験において応答加速度低減効果はほとんど認められていない。※1・2

★「免震」は、平成12年告示第2009号第6第3項第一号および第4項第三号(最終改定平成19年告示第601号)の規定により、「最大級の地震動」による地震力に対し、許容応力度計算、すなわち「無損傷」が求められている。「最大級の地震動(大地震動)」は上記の通り300〜400galであるが、免震の場合は地盤増幅を加味するので、震度6弱〜6強程度である。これは、標準せん断力係数1.2相当であり、耐震」と比較すると(耐震では0.2であるので)、なんと6倍相当の強度を有することになる。さらに、良い「免震」になるほど、「無損傷」領域が広がる。
(なお、図中の加速度表記は、建物への入力加速度値で、2,400gal※は弊社の規格型免震装置装備の住宅実物大実験に基づく値である。ただ、弊社の規格型免震装置も平成12年告示第2009号に従っているが、加速度に対しては告示以上の性能を発揮し、変位に関しては免震装置の変位を超えられない。)


※1 日本建築学会大会学術講演梗概集2005年9月講演番号22035,22036,22037
※2 日本建築学会大会学術講演梗概集2007年8月講演番号21284,21285




■地震静穏期と地震活動期の建築基準法

 今回、「耐震基準」の引上げを行えば、 

1995年頃から西日本が活動期に入り、気象庁がいち早く震度階を改定した。
2003年頃以降、東日本も地震が頻発して、それに合わせて、建築基準法の耐震基準も改定した。

 2010年当時の建築基準法は、関東大震災後の地震静穏期に入ってから成立した(地震静穏期の建築基準法)。
 新しい耐震基準の改定は、地震活動期へ突入の段階で行われた(地震活動期の建築基準法)。
 そのおかげで、その後の、本格的活動期に発生した大地震の災害を防ぐことができた。
 それまでは、地震による災害の度に、後追い的に、建築基準法の改定を行ってきたが、この時の改定だけは、地震災害が起きる前に改定することができた。

と後世に伝えられるだろう。

 ⇒ 【参考】地震活動期の建築基準法の耐震基準案





【参考】 標準せん断力係数C0=0.2について

★1924年市街地建築物法施行規則改正の「震度」について
 【北沢五郎博士「震度談」より(「建築学大系15巻」月報 1957年9月)】
 建築法規で震度の規定を定めたのは大正12年の震災の後である。その後米国その他でも規定したから、地震国日本がその範を示したともいえる。後藤新平さんが総裁となって、復興院ができ、佐野利器先生が、大学教授現職のまま建築局長となられて、復興の大網を決定されたが、その一部として建築法規の改正をされ、震度法規を定められた。私は法規改正の係であり、先生の御指示により震度0.1という条文を書き上げた。
 当時今村博士が地震学教室におられ、その調査の結果が、大地震の震度は東京下町で0.3であったということがいわれていたと記憶する。佐野先生がそれによられたか、どうかは知らぬが、法規には0.1と規定し許容強度をとり、そして震度0.3で計算をして、破壊強度以内で収るかどうかを調べろといわれた。つまり先生のお考をそんたくするに、耐震計算としては、下町の震度を0.3として、破壊の一歩手前にあるようにするには、0.1で計算して許容強度を採ればよいというお考えであったかと思う。
 さて左様に法規原案を作り、震災予防調査会へ行かれて、その案を諮問せられた。私はお供をした。調査会々員は、工学理学の大家で地震の今村・中村博士、物理の寺田※・長岡・田中館博士、地震研究所を創められた末広博士その他であった。
 震度0.3の地震に耐えられるように震度0.1を採ると説明されると、造船の末広博士が、船のほうでも、暴風その他の場合に処する計算は同様の考えでやっているといわれた。しかし、将来東京・横浜に起りうる地震の震度は、どの程度かという推定については各委員も困られたようであったが、結局今村・中村両博士の予想を求めることになり、両博士はそれに対する返答を躊躇された。
 どなたであったか、両博士に向って、御両所とも専門なのだから、そのぐらいのことはいえるだろうと発言された。私は聞いていてひどいことをいう人もあるものだと感じたことを覚えている。両博士も仕方なく、相談を始められたが、これが相当の時間を要した。最後に両博士から出た案は東京0.3 横浜0.35ということであり、佐野先生の御提案は調査会が同意したことになった。
 しかし少時経過して、震災予防調査会から復興院に対して意見書が出てきた。それは震度は0.3とし強度を破壊強度以内として計算するようにということであった。これは現行の長期、短期のゆき方と同様なものである。しかし当事者といってもわれわれ若輩は計算の手数を理由に原案で押しとおしたが、年を経過していまの方法についに変ったのである。


※物理学者の寺田寅彦は、0.4くらいが適当と考えていたようである。(杉山英男著「地震と木造住宅」丸善 1996年 193頁より)

★1950年建築基準法の「震度」について
 【建設省住宅局建築指導課監修(昭和56年発行)「新しい耐震設計」の19〜20頁より】
 1950年に建築基準法が公示された。(中略)
 この時に設計震度としてはk=0.2以上が標準として定められた。
 この値を定めるには種々議論された結果であるが、市街地建築物法時代が k=0.1以上であったのに対し、許容応力度がほぼ2倍に引上げられたのに対し、設計震度も2倍に引上げられたもので、当時の地震動に対する研究段階では、設計震度の値そのものについて議論するだけの資料が不足で、関東震災後の先輩の判断をそのまま踏襲したのが実情である。ただし当時にあっても設計震度を0.3〜0.4とすべきであるとの議論もあった
 もともと1950年建築基準法の構造規定は戦時中の材料節約を目的とした構造設計の合理化の要請から建築学会でまとめられたものをもとにしてできたものである

 【建設省住宅局建築指導課監修(昭和56年発行)「新しい耐震設計」の55頁より】
 短期の許容応力度の数値を、従来に比べ、2倍に引上げたことにより、外力となる地震力の算定に用いる水平震度を、従来の0.1以上から、0.2以上に引上げている。 (中略) このように建築基準法(1950年)の耐震基準は、市街地建築物法(1924年)の耐震基準と基本的には変わっていない (後略)  ※( )は注記。

※「設計震度を0.3〜0.4とすべきであるとの議論もあった」について
 例えば、谷口忠委員の 0.3の案がある。

 【谷口忠委員、建築物ノ荷重第6章改正案 昭 21.7.8】
第6章 地震力
第14条 地震力ハ固定荷重及積載荷重二水平震度ヲ乗ジテ之レヲ算定スル。(積雪期)長キ地方ニ在リテハ積載荷重二対シテ適当二之レヲ考慮スルモノトスル。
第15条 水平震度ハ0.3ヲ標準トスル。但シ既往ニ大ナル震害ナキコト確実ナル地域ハ之レヲ減ズルコトガ出来ル。
第16条 標準震度ハ軟弱地盤ニ木造ノ間仕切壁少ナキ柔ナルモノ存スル場合ハ之ヲ増大シ、鉄筋コンクリート造又ハ鉄骨造ノ間仕切壁多キ低キ剛ナルモノ存スル場合ハ之ヲ減ズルコトガ出来ル。
第17条 5階建以上ノ建築物又ハ10米ヲ超エル独立煙突鉄塔ノ類ハ其ノ超エル部分ノ水平震度ハ之ヲ増大スル

★1981年の新耐震において
 1981年の新耐震では、1950年建築基準法までは、地表面地震動加速度(震度)を0.2G(k=0.2)としてきたものを、建物の応答値として0.2G(=C0)を使用し、地表面地震動加速度は、80〜100galに下げてしまったことである(杉山英男著「地震と木造住宅」194頁より)。 ⇒ 参考
 要するに、1981年の新耐震では、1924年市街地建築物法、さらに「戦時中の材料節約を目的とした構造設計の合理化の要請」でできた貧困な1950年建築基準法よりも、地表面地震動加速度を、半分以下(200gal ⇒ 80〜100gal)に下げてしまったということになる。
 逆に言えば、この段階で、地表面地震動加速度 200galは、1924年からの値そのままにして、建物の応答値を400galにする、すなわち、標準せん断力係数C0=0.4にすることもできた、大きなチャンスであったということである。しかし逆に下げてしまったということになる。
 この段階で、標準せん断力係数C0=0.4に上げていれば、現在ほど構造の規定も複雑なものにならなかったであろう。ギリギリ(いや足りない状況)の中で、大元(C0)をいじらず、細部だけで調整しようとしたために複雑なものになってしまったと言えよう。そういう意味でも、標準せん断力係数C0を上げざるを得ない限界に来ている。そして、標準せん断力係数C0を上げれば、簡素化が可能ということである。



【参考】地震活動期の建築基準法の耐震基準案

 建築基準法の「耐震基準※」の骨子は、以下の通りである。


 .耐用年限中に数度は遭遇する程度の(「稀に発生する」)地震動に対して、構造耐力上主要な部分に損傷が生
   じないこと。 つまり無損傷であること。 ⇒ 「損傷限界
 .耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の(「極めて稀に発生する」)地震動に対して、建築物が倒壊・崩
   壊しない
こと。 ⇒ 「安全限界



※「1997年建築物の構造規定/建設省住宅局建築指導課他監修」の16-19頁、「2001年度版「建築物の構造関係技術基準解説書/国土交通省住宅局建築指導課他監修」の46-50頁、307-309頁、「2007年度版「建築物の構造関係技術基準解説書/国土交通省住宅局建築指導課他監修」の48-53頁、417-419頁。
なお、上記文は、1997年版によっている。2001年度版の308頁では、「数度は遭遇」が「1回程度遭遇」となっており、「稀に発生する」が1997年版の「極めて稀に発生する」と同等のものになり、より大きい地震を想定していることになるからである。そのためか2007年度版の418頁ではこの記述が抹消されている。



地震静穏期の、概ね1950年から2000年までの期間では、

  耐用年限を通常建物の50年と考えた場合、下記「震度別地震回数表」から
  .耐用年限中に数度は遭遇する程度の(「稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度5弱程度(50年間で5回程度)に対して、無損傷であること損傷限界
  2.耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の(「極めて稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度6弱程度(50年間で1回遭遇するかもしれない)に対して、倒壊・崩壊しないこと安全限界



 以上のごとく、「地震静穏期」では、耐用年限中の遭遇回数からの震度は、現行建築基準法通りで良いであろう。
 しかし、「地震活動期」では、耐用年限中の遭遇回数(数度/一度)から該当する震度をみると、全く違うものになる。 「地震活動期」では、書き直しが必要となる。

 以下は、地震が頻発している直近10年間から、推計したもので、仮に「地震活動期」の例としたが、地震活動が本格化すればさらに震度を大きくする必要がある。


地震活動期では、

 ★耐用年限を通常建物の50年と考えた場合、下記「震度別地震回数表」から
  .耐用年限中に数度は遭遇する程度の(「稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度6弱程度(50年間で6回程度)の地震動に対して、無損傷であること損傷限界
  .耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の(「極めて稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度7程度(50年間で1回遭遇するかもしれない)の地震動に対して、倒壊・崩壊しないこと安全限界

 ★耐用年限を長期優良住宅の200年※と考えた場合、下記「震度別地震回数表」から
  .耐用年限中に数度は遭遇する程度の(「稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度6強程度(200年間で8回程度)の地震動に対して、無損傷であること損傷限界
  .耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の(「極めて稀に発生する」)地震動
    ⇒ 震度7以上(200年間で1回遭遇するかもしれない)の地震動に対して、倒壊・崩壊しないこと安全限界


  ※当初「200年住宅」と言っていたことに基づく。


 以上を整理し、さらに、標準せん断力係数C0(≒応答水平震度)を、現行法との地動加速度比から算出すると 、以下の表「地震活動期の建築基準法の耐震基準案」のようになる。

 また、上記の免震・制震・耐震の比較グラフから明らかなように、地震活動期の場合、「通常の住宅」・「長期優良住宅」共に、上記「耐震基準」を満たしているのは「免震」しかない
  ⇒ 関連1 


地震活動期の建築基準法の耐震基準案 (標準せん断力係数C0は現行法との地動加速度比から算出※6)

 


地震静穏期

耐用年限中に
遭遇する

地震の震度
加速度
(下記の耐震基準
値を上回ること)

標準せん断力係数
0
耐用年限中に
遭遇する

地震の震度
加速度
(下記の耐震基準
値を上回ること)

標準せん断力係数
0
通常建物

(50年程度)


稀に発生
する地震

(耐用年限中
数度遭遇
する程度の
地震動)

に対して
無損傷

震度5弱程度

80〜100gal※1
80〜140gal※2
0.2

(現行基準法)
震度6弱程度

250〜450gal※2
0.6〜0.9※3


極めて稀に
発生する地震

(耐用年限中
一度遭遇する
かもしれない
地震動)

に対して
倒壊しない

震度6弱程度※2

300〜400gal※1
250〜450gal※2
1.0

(現行基準法)
震度程度

800gal〜※2
2.7〜※3

(3.1〜4.5※4)
長期優良住宅

(200年程度)


稀に発生
する地震

(耐用年限中
数度遭遇
する程度の
地震動)

に対して
無損傷

※5
※5
震度6強程度

450〜800gal※2
1.1〜1.6※3


極めて稀に
発生する地震

(耐用年限中
一度遭遇する
かもしれない
地震動)

に対して
倒壊しない

※5
※5
震度程度

800gal〜※2
2.7〜※3

(5.6〜8.0※4)

※1 2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書/国土交通省住宅局建築指導課他監修、及び1997年度版建
   築物の構造規定/建設省住宅局建築指導課他監修に基づく。
   最大級の地震動/大地震動=300〜400gal、中程度の地震動/中地震動=80〜100gal となっている。
※2 現気象庁震度階では、 地震周期約0.6秒が数秒間継続した場合
   震度4:25gal〜、震度5弱:80gal〜、震度5強:140gal〜、:震度6弱250gal〜、震度6強:450gal〜、
   震度7:800gal〜となっている。
    旧気象庁震度階とは250galまではよく合致し、震度7に関しては、800gal〜になっている。
   また、震度6強も、加速度は450gal〜となり、「約300から400gal程度」では、震度6弱となっている。
※3 現行基準法の「極めて稀に発生する地震」の想定加速度と当該地震加速度との比(下限値同士と上限値同士
   の比)を、現行基準法の「極めて稀に発生する地震」に対する標準せん断力係数C0=1.0に掛けた値。
※4 「稀に発生する地震」に対する標準せん断力係数C0の5倍の値。 5倍の値は、現行基準法の「極めて稀に発生
   する地震」に対する標準せん断力係数C0=1.0と「稀に発生する地震」に対する標準せん断力係数C0=0.2
   との比。
※5 気象庁の1996年9月以前の震度5・6には弱・強の区分が無いので省略。
※6 「建物と地盤の相互作用」に関して、プラスに働く場合マイナスに働く場合もあり、考慮していない。



●震度別地震回数表/50年間での比較  ⇒ 【参考】 震度別地震回数表からの比較について 参照

直近(1999年1月1日〜2008年12月31日)の10年間からの50年間推計

 【東日本地方 震度別地震回数表/1999年1月1日〜2008年12月31日(気象庁調べ)からの50年間推計】
 
震度ごとの50年間の地震回数推計※
 
震度4以上
50年間
遭遇回数※
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 440
20
20
10
 
 
 
 490
1960
青森県
  60
10
 5
 5
 
 
 
  80
 320
秋田県
  25
 5
10
 
 
 
 
  40
 160
岩手県
 145
 5
 5
10
 5
 
 
 170
 680
宮城県
 205
25
 5
20
10
 
 
 265
1060
山形県
  60
10
 5
 
 
 
 
  75
 300
福島県
 150
20
 5
 
 
 
 
 175
 700
新潟県
 365
55
45
15
15
 5
 
 500
2000
茨城県
 185
40
 5
 
 
 
 
 230
 920
栃木県
 210
10
 
 
 
 
 
 220
 880
群馬県
  55
15
 
 
 
 
 
  70
 280
埼玉県
 125
15
 
 
 
 
 
 140
 560
千葉県
 135
15
 5
 
 
 
 
 155
 620
東京都
1300
95
40
30
 
 
 
1465
5860
神奈川県
  85
 5
 5
 
 
 
 
  95
 380
        
50年間平均/県※
236
23
10
0.3
 278
200年間平均
遭遇回数/県※
945
92
41
24
1.3
1112
※当該10年間からの推計。


★1949年1月1日〜 1998年12月31日の50年間

 【東日本地方 震度別地震回数表/1949年1月1日〜 1998年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの50年間の地震回数※2
 
震度4以上
50年間
合計
震度4以上
200年間
遭遇回数※
5弱
5強
6弱
6強
北海道
100
19
 
 
 
 
 122
 488
青森県
 44
 5
 
 
 
 
  50
 200
秋田県
 15
 1
 
  
 
 
 
  16
  64
岩手県
 58
 7
 
 
 
 
  66
 264
宮城県
 33
 5
 
 
 
 
 
  38
 152
山形県
  11 
 2
 
 
 
 
 
  13
  52
福島県
 41
 5
 
 
 
 
 
  46
 184
新潟県
 15
 1
 
 
 
 
 
  16
  64
茨城県
 76
 
 
 
 
 
 
  76
 304
栃木県
 42
 1
 
 
 
 
 
  43
 172
群馬県
  3
 1
 
 
 
 
 
   4
  16
埼玉県
 23
 
 
 
 
 
 
  23
  92
千葉県
 72
 4
 
 
 
 
 
  76
 304
東京都
156
27
 
 
 
 
 184
 736
神奈川県
 37
 1
 
 
 
 
 
  38
 152
        
50年間平均/県
 48
 0
0.4
  54
200年間平均
遭遇回数/県※
194
21
 0
1.6
 216
※当該50年間からの推計。 ※2 1996年9月以前の震度5・6は、震度5弱・6弱として扱っています(気象庁)。






■有史以来の「悲願」達成、夢の実現へ

 要約

 有史以来の「悲願」達成と言った場合、地震によって二度と壊滅的にならない国づくり、さらに進んで地震被害を0にする国づくりである。

 江戸時代以降をみても、
 1703年元禄地震(関東地震)M7.9〜8.2、1707年宝永地震(東海・東南海・南海地震)M8.6 が、繁栄を極めた元禄文化を終わらせ、
 弘化・嘉永・安政年間の大地震の連続、すなわち、1854年11月4日安政東海地震M8.4、1854年11月5日安政南海地震M8.4、1855年10月2日安政江戸地震M7.0〜7.1 など、1847年善光寺地震M7.4 から1859年までの13年間に及ぶ地震の連続が、徳川幕府の終末を早めさせ、
 1923年の関東大震災M7.9 が大正デモクラシーを終焉させ、第二次世界大戦に至るまでその国家的大負債を解消できなかったという歴史がある。
 この歴史的繰り返しに今こそストップをかけなければいけない。

 未だに政府中央防災会議の地震被害想定発表のたびに、数万人の死者、100万棟近い全壊棟数が新聞紙面に踊っているのは、世界で1・2位を争う先進国としては、「国民の命を守るための政治」を国政の基本としている国としては、まことに恥ずかしい話である。
 それを脱却できる、地震被害を0にできる技術をもちながら実行に移さないのは、極めて怠慢と世界からそしられてもおかしくない話である。
 今こそ、このタイミングに、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成を目標に掲げ、第二の建国といってもよい歴史的大事業を実行すべきであろう。
 そして、この大事業のおかげで、25〜30年間は、建設ラッシュとなり、大きな内需拡大につながり、現在の経済不況から脱出できるだけでなく、25〜30年間という持続的経済成長が見込める。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 この事業は、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★過去最大にして非常に長期間にわたる「経済成長政策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたる。「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。まさに未曾有の事態であり、今現在においても、最も求められている経済政策といってもよい。



■国家にとって必要不可欠な基盤づくり、「国民の命を守る」基盤づくり

 今まで我が国の最大の不幸は、資源が無いということに加えて、百数十年ごとに巨大地震が日本の中枢地帯を襲い、壊滅的被害をもたらし、そのたびに、国家づくりをやり直さねばならないことであった。
 地震に限って言えば、我が国では、今まで「国民の命」の保証さえ十分ではなかった。
 今まで、それを防ぐ技術がなかったから仕方がなかった。

 しかし、それを防ぐ技術も誕生し、有史以来の悲願・夢が実現できる状況も整った。
 機は熟した、今まさに動き出すべき時であろう。



■第二の建国/日本の再生/地震被害を根絶する国づくり

 有史以来の「悲願」達成と言った場合、二度と地震によって壊滅的にならない国づくり、さらに進んで、地震による死者を0にする「国民の命を守る」国づくり、建物被害を0にする国づくりである。

 江戸時代以降をみても、
 1703年元禄地震(関東地震)M7.9〜8.2(大正より規模が大きい)、1707年宝永地震(東海・東南海・南海地震)M8.6(我が国最大級)が、繁栄を極めた元禄文化を終わらせ、
 弘化・嘉永・安政年間の大地震の連続、すなわち、1854年11月4日安政東海地震M8.4、1854年11月5日安政南海地震M8.4、1855年10月2日安政江戸地震M7.0〜7.1 など、1847年善光寺地震M7.4 から1859年までの13年間に及ぶ地震の連続が、徳川幕府の終末を早めさせ、
 1923年の関東大震災M7.9 が大正デモクラシーを終焉させ、第二次世界大戦に至るまでその国家的大負債を解消できなかったという歴史がある。
 この歴史的繰り返しに今こそストップをかけなければいけない。

 未だに政府中央防災会議の地震被害想定発表のたびに、数万人の死者、100万棟近い全壊棟数が新聞紙面に踊っているのは、「国民の命を守るための政治」を国政の基本としている国としては、まことに恥ずかしい話である。
 それを脱却できる技術(下記「地震被害を0にできる技術」参照)をもちながら実行に移さないのは、極めて怠慢とそしられてもおかしくない話である。
 このタイミングに、地震被害を根絶する国づくりを目標に掲げ、神武以来の第二の建国、「日本の再生」といってもよい歴史的大事業を成し遂げるべきであろう。



■未曾有の建設ラッシュが25〜30年続く、持続的経済成長

 1996年以降、建築基準法通りの建物が「震度6強〜7まで倒壊しない」というには、あまりに危険な状態になっている。建築基準法耐震基準の「安全限界」の加速度300〜400gal(30〜40kine)と、震度6強と7の境界加速度1500gal(100kine〜)との差があまりに大きすぎるからだ。耐震基準を引上げることによってしか、それは解消しない。

 この問題の解決のためには、できるだけ早期に耐震性アップを行う必要がある。それも、総数が5000万戸以上の改修または建替えの促進の話となり、未だかってない大きな内需拡大に繋がる話である。
 国が建替え促進策をとって、25〜30年間程度でほぼ建替えを終わらせれば、南海地震、東南海地震(歴史的に見て東海地震の単独発生は無いので東南海地震等と連動)、首都直下地震の発生確率は、30年以内に6〜7割(50年以内に8〜9割)であるので、まだ間に合う。
 その結果、25〜30年間は、建設ラッシュ(5000万戸以上を年間200万戸で建替えても25年間以上はかかる。未曾有の建設ラッシュが最低でも25年間は続く)となり、大きな内需拡大につながり、現在の経済不況から脱出できるだけでなく、持続的経済成長が見込める。しかも、耐震性アップした建物のおかげで、「地震に強い日本」という有史以来の「悲願」が達成できる。

 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物5000万戸以上という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたるが、「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない性質のものゆえに、過去最大にして非常に長期間にわたる、成熟期の最後に残された「経済成長政策」といってもよいものである。また、この「地震に強い日本」に向けての大事業は、我が国が世界経済の重要な役割を担っているため、世界経済の安定という視点からも、世界の国々から最も求められているものでもある。

 国土交通省が2010年1月29日に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。また、国土交通省の2010年度の建設投資の見通しも、1977年度以来の、33年ぶりの低水準としている。まさに未曾有の事態であり、今現在においても、最も求められている経済政策といってもよい。



■有史以来の「悲願」達成

 有史以来の「悲願」達成と言った場合、
 その夢をかなえる技術が、既に存在する。
 「免震」は、震度6強〜7程度であろうが(告示第2009号規定では震度6弱〜6強程度)、建物の構造躯体だけでなく家財等の被害までも「無被害」にできる技術である。二度と悲劇を繰り返さないために、そこまでのレベルアップ、または誘導策・促進策をとるべきであろう。
 誘導策・促進策をとり、免震装置の大量生産化が進めば、誰でも手に入れられる価格になる。また、免震によって上部構造コストが低減され、「耐震」より逆に安価になるケースも出てくる。それも免震装置コストが下がれば下がるだけ、より低層建物から可能になってくる。また、「耐震」の方は現在の2倍程度耐力アップをする必要があり、そのためコスト差は非常に小さくなるため、より低層建物から安価になる。

 以上述べたように、「耐震」と「免震」との性能差は、強度比で6倍相当、「耐震」の倒壊・崩壊が始まる限界まで「免震」は無損傷」と、極めて大きい。
 さらに、建物内部での揺れを比較すると、「耐震」はいくら耐震性を上げても建物内部での揺れは低減できず、部屋中は、例えば、2階建て戸建住宅の場合、地面で震度6弱の揺れが2階で震度6強に、震度6強では震度7の揺れにもなる(高層建物の場合には、上階ほど揺れはもっと増大する)。その結果、家具が転倒し、コンピューターのデータは壊れて失われ、事業がその段階からストップする。「免震」では、その心配は無く、経済活動が大地震中も、その後も継続して行われ、事業ストップによる莫大な経済損害は(海外との取引における損害賠償も)なくなる。 ⇒ 比較参照
 加えて、この「免震」によって、我が国の建築デザインは、地震による過大な制約から解放され、上部構造の設計自由度が飛躍的に増大し、建築文化が花開く。
 そして、建築デザインの自由度だけでなく、震度6強〜7程度でも「無被害」の都市づくり、国づくりが可能となる。まさにこの国が待ち望んでいた「夢の技術」である。そしてこの国の有史以来の「悲願」達成、「夢の実現」が可能となる



【地震被害を0にできる技術】

 以下の耐震と免震の比較(2階建て戸建住宅の場合)でわかるように、
 「耐震」は、地震入力の大きさに従い、際限なく地震力が入り、2階・屋根(R)階の応答加速度はさらに増幅する。
 「免震」は、「地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」の2重の低減効果が得られ、地震入力の大きさによらず、1階・2階・屋根(R)階の応答加速度は、ほぼ一定値が得られる。「免震」の方が、断然有利である。
 ⇒ 詳細参照



             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 


耐震建物
(基準法通り)


無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■
(地震力が際限なく入る)■■■■■■■■

                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 


免震建物
(良い免震)


無損傷
損傷の
可能性


地震入力
上階応答
大地震動時※
耐震
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
免震
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷








■日本復活のために

 バブル崩壊後の「空白の15年間」(現在も続いているが)が、余りにひどい状況である。
まったく停滞している。このままでは日本の未来は無い。





(主要8ヶ国(G8)+中国+インドのGDP比較 1985年〜 世界銀行資料)



 この政策提言に、「日本復活」という思いを込めた。
 このまま放っておいては日本は立ち直れる可能性は無く、日本経済は没落し、貧しい住宅、それも地震に対して半分程度の、耐力不足の住宅、建物だけが残る。悲惨な未来像である。
今回のチャンスを逃すと、明日の日本は無いと考えられる。

 この政策提言の実行によって、有史以来の、日本の「悲願」である「地震に強い日本」が実現し、30年程度という長期間にわたる持続的成長が可能になる。成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよい。また、我が国が最も世界から求められている政策でもある。





■姉歯事件以降の問題・混乱も解決へ

 要約

 今回の話は、実は姉歯事件から始まっている。
 建築基準法の半分の耐力で、なぜ「震度5強で倒壊の恐れがある」のかという疑問から始まっている。
 そして、今回の問題の大きさは、姉歯事件など比ではなかった。
 姉歯事件さえも、この問題の中で起こったといっても良い。
 そのため、これを解決しなければ、現在の建築全体に起こっている未曾有の危機も解決しない。
 というより、これを解決すれば、現在の起こっている大問題も解決するだけでなく、この国の有史以来の「悲願」も実現するのである。



■姉歯事件の問題

★「Qu/Qunが0.5以下の場合、震度5強で倒壊の恐れ」について
 姉歯事件は、最大級の許されざるべき事件である。
 姉歯事件は、建築設計者全てに対して、性悪説的に、過度の負担を強いることになった。
 しかし、この姉歯事件が、「耐震性と震度」に関する調査のスタートといってよかった。
 建築基準法の半分の耐力で、なぜ「震度5強で倒壊の恐れがある」のかという疑問だった※1。
 震度6強〜7(境界:1500gal)までもつのが建築基準法準拠の建物なら、その半分の耐力の建物なら 750galまでもつのであり、その場合、ギリギリ震度6強(6強・弱の境界)までは大丈夫ということになる(その場合にはあそこまで大騒ぎにならなかっただろうし、その後の、不況まで引き起こした建築確認申請手続の大改正までにはいかなかったかもしれない)。
 それが一挙に、震度5強まで下がることが腑に落ちなかった※2。
 今になって思えば、建築基準法通りの建物の安全限界に至る地震動が300〜400gal 震度6弱であり、その半分なら 150〜200galということで、震度5強ということになり、腑に落ちる。
 すなわち、建築基準法通りの建物の「震度6強から震度7程度に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない」は、1996年以前の旧震度階に基づいており、姉歯の「建築基準法の半分の耐力の建物」の方の「震度5強の地震により倒壊するおそれがある」という計算は、1996年の改定震度階(150〜200galでは 新・旧震度階の差は無いが、弱・強の区分は新震度階によっている)に基づいているということになる。 ⇒ 国土交通省の「マンションの耐震性等についてのQ&Aについて」のQ&A(10)Q&A(11)とを参照

※1 国土交通省の資料「構造計算偽装問題について」の2頁において、「Qu/Qun の数値は、指定確認検査機関より入手した構造図・構造計算書から推計した再計算。おおむね0.5以下の場合(★)は震度5強で倒壊の恐れがある。」と記載。

※2 震度は加速度の対数
震度は加速度の常用対数関係なので、震度が1違うということは、加速度比で 1/3.16 となり、それが強度(≒耐力)差と言うことになる。ということは、1/2では「震度7(または震度7と6強との境界)」から「震度5強」までは落ちない
「震度( I )は加速度( a )の常用対数(log)関係」については、
河角の式 : I=2×log(a)+0.7
河角の修正式 : I=2×log(a)+0.94 (1996年気象庁震度階改定版、加速度( a )は、周期約0.6秒※2でその加速度が数秒間継続した場合)
の通りである。



■建築全体が瀕死の状態から、建築文化の再生・復活へ

★2007年建築基準法改正
 この姉歯事件の衝撃※によって、2007年6月に建築基準法の改正が行われ、それ以降、建設業界は、深刻な不況に陥った。改正がこれほどまで呪われたことも無い。

※1996年以降、本来あるべき「震度6強〜7程度(すなわち、1500gal)では倒壊しない」に対して、現行の耐震基準が、300gal〜400galであり、1500galに対して、既に大きな耐力不足を起していた。その不足していたものに、さらにその半分の耐力(150gal〜200gal)のものを偽装によって建ててしまったことで、「震度5強で倒壊の恐れがある」ということになり、衝撃的なものになった。

★建設、未曾有の事態
 国土交通省が2010年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万戸台となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。また、国土交通省の2010年度の建設投資の見通しも、1977年度以来の、33年ぶりの低水準としている。
 まさに未曾有の事態である。

姉歯事件の問題
 建築確認申請業務を民間に開放したという問題もあるが、姉歯事件が起こる前までに、建築基準法の耐震基準のアップを済ましておれば、姉歯事件もあれほどの問題にならなかっただろう。
 現行耐震基準の建物が、震度7(1500gal)まで倒壊しなければ、姉歯事件のような耐力半分の建物でも、750galまで、すなわち、震度6強ぎりぎりの地震まで倒壊しないことになる。
 あれほど問題になってしまったのは、本来あるべき「震度6強〜7程度(すなわち、1500gal)では倒壊しない」に対して、現行の耐震基準が、300gal〜400galであり、1500galに対して、既に大きな耐力不足を起しており、さらにその半分の耐力(150gal〜200gal)にしたからだ。

★手続を厳格にしても、建築基準法の耐震不足は解決しない。
 そして、今回の2007年の建築基準法の改正によって、建築確認申請の手続を異常に厳格なものにしてしまった。
 しかし、いくら手続を厳格にしても、その耐力不足(加速度で言えば 300gal〜400galと1500galとの差、速度で言えば 30〜40kineと100〜150kineとの差)を補えるものではない。

★抜本的解決は、「耐震基準のアップ」しかない。そして、手続の厳格さを元に戻す。
 不足しているものは、厳格な手続、罰則の強化によって、補えるものではない。
 結局、この問題の抜本的解決は、建築基準法自体の「耐震基準のアップ」しかないのである。そして、2007年以前の審査の状態に戻す。手続の厳格さも、事務作業量も元に戻すことである。

★このままでは、我が国の建築文化は、死滅してしまう。
 限界に達している、厳格過ぎる、事務作業の多い、現行制度を改めないと、我が国の建築文化は、消滅してしまう。
 創造的作業は大変だけれども、夢のあることができた時代が過ぎ去り、事務作業ばかり大変で、創造的時間に振り向ける時間もなくなり、責任だけが大きくなるとすれば、誰も実収入の少ない建築設計などやりたがらなくなる。
 その結果、この国から建築文化は死滅してしまう。
 そういう危機感が、最も根底にある。



■創作的時間の回復/国全体の建築・都市の文化的豊かさへ

 この建築基準法の耐震基準の余裕のなさ、というよりも全く足りないといってもよい状態にあるのが、姉歯事件が衝撃的事件(1/2の強度では震度7から震度5強までは落ちない)さらに社会問題となるひとつの原因でもあり、その結果、建築確認申請の審査の厳格さとなって、建築設計者に過度の負担を強いることになった。
 そのため、建築設計者の芸術創造的な時間を奪い、さらに、その創作意欲さえも殺いでいる。さらに恐ろしいのは、若い人たちが、建築設計者の仕事(過大な責任だけを負わされる一方、仕事内容は確認申請業務の、非常に煩雑な作業の、単なる事務屋になりさがっている)に魅力を感じなくなり、建築設計者をめざさなくなる。結局、意欲的な次の世代がいなくなる、とも言われている。このことが、個々の建築、その集合としての都市、国全体の建築・都市の文化・芸術的な貧困を招き、将来における大禍根を残すとまで言われている。
 耐震基準を引上げて、耐力上の余裕を与えることによって、それが解消される。そして、「免震」までレベルアップすれば、安全性が増すだけでなく、設計における自由度が飛躍的に増大し、もっと創造的な活動にいそしめることにもなる。





【参考】「最高裁が震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する恐れ」について

 2010年7月10日発表の
最高裁:庁舎7棟すべてが震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する恐れがあり、4棟は倒壊・崩壊の危険性が高い」 (毎日新聞 2010年7月10日 東京朝刊)
は、国会議事堂と並ぶ、国を代表する建物の非常にショッキングな話である。

裁判所施設の耐震性に係るリスト(平成22年7月)」(裁判所発表)に従えば、

                   評価
 最高裁判所庁舎(大法廷棟) 0.57
 最高裁判所庁舎(小法廷棟) 0.79
 最高裁判所庁舎(図書館棟) 0.59
 最高裁判所庁舎(裁判官棟) 0.27
 最高裁判所庁舎(裁判部棟) 0.47
 最高裁判所庁舎(事務北棟) 0.48
 最高裁判所庁舎(事務西棟) 0.40

7棟全て、現行の「耐震基準」の満たさず、
特にひどいのが、
裁判官棟 0.27 である。

最高裁:庁舎7棟すべてが震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する恐れがあり、4棟は倒壊・崩壊の危険性が高い」 (毎日新聞 2010年7月10日 東京朝刊)

ということになる。

それに対して、
建築基準法通りの建物が
震度6強から震度7程度に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない」(国交省発表)
となっている。

しかし、これは、旧震度階での計算である。

★震度が1違うと、加速度比では 3.16倍違う。
現行気象庁震度階に従えば、震度は加速度の常用対数関係なので、震度が1違うということは、加速度比で 3.16倍 となり、それが強度(≒耐力)差と言うことになる。
そのため、現行気象庁震度階に従えば、耐力1/2の差では、「震度7(または震度7と6強との境界)」から「震度5強」までは落ちない。

★耐力1/2の不足では、
現行気象庁震度階に従えば、国の耐震基準(安全限界)は、震度6弱なので、
 震度6弱 ⇒ 震度5強
まで落ちるが、
国の耐震基準(安全限界)が、旧震度階に基づいて「震度6強から震度7程度まで大丈夫」としているので、
 震度7 ⇒ 震度5強
まで落ちるという説明となる。
非常に極端に見えてしまう。

★まったく同様に、学校建築等の公共建築が、極端な耐力不足で報道されているのは、同じ理由によるものである。

★今回の「耐震基準の問題」を知っている行政担当者からみれば、
「震度6強から震度7程度まで大丈夫」というのには、現在の耐震基準が、あまりも不十分で、実は半分程度の耐力しかないのに、さらに、(姉歯事件等のように)その半分にされてはたまらないというのが、本当の気持ちなのであろう。






■最後に、歴史から見て、足元フリー構法について

 要約

 現行の建築基準法の耐震基準 (安全限界の地震動入力加速度 300〜400gal に耐えられる構造) のままで、震度6強〜7の地震でも倒壊しない方法があるとするなら、それは「足元フリー構法」である。

 歴史を見ると、1920年以前には、そのことは知られていたようである。

 日本列島のように大地震多発地帯で、特に地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法=耐震構法」、すなわち、「地震力の頭打しない構法」は、不経済なだけでなく危険でもある。
 地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」が、地震列島日本が、長い歳月の末にようやくたどり着いた、最終的な構法である。建築基準法の想定以上の地震でも「倒壊・全壊」を防げる可能性のあるものである。現状の耐震基準における重大問題の発生から、耐震基準引上げを考えた場合、特に地震活動期に入り、地震の加速度が観測される度に上がっている状況からも、非常に着目すべき構法である。
 そして現代の「免震」はその発展形である。建物の「倒壊・崩壊防止」はいうまでもないが、より大きな地震での「無損傷」をめざした構法である。

 
地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
フリー
プレ免震の時代
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
足元
固定
耐震の時代
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
免震の時代
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。




 普通の日本造り家屋は、弱小なる地震動のときは、土台石より辷り動かさるゝこと無ければ、地面に固定せるが如くに振動すれども、 大地震となりて震動激烈なるときは、水平地震力強くして、木造家屋の下底と土台石との間に存する摩軋に超過することあるべく、斯かる場合には家屋は土台石より離れて多少移動すべく、即ち実際に地震の激動の幾分を遮断するの効果あるなり、木造家屋は、その柱が挫折する事なければ、決して全体として転倒せざれば、少しく注意して構造するに於ては、如何なる大地震に際するも倒るゝこと無かるべきなり、明治二十四年の濃尾地震、同二十七年の庄内地震の如き、大地震の震央地にても、存立せる農家ありき



■現行の耐震基準(地震入力 300〜400gal)のままでよい方法、足元フリー構法

 震度6強〜7の地震が来ても、建物への地震入力値は現行建築基準法耐震基準の、300〜400gal のままでよいとする方法があるとするなら、それは「足元フリー構法」である。

 歴史を見ると、1920年以前には、そのことは知られていたようである。

 現在の「建築基準法」の前身である「市街地建築物法」(1920年)成立期までの下記文献、
中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾著「木造日本風住家改良構造仕様」1896年
大森房吉著「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告1906年
を見ると、
ある一定以上の地震力では、「足元フリー構法 」しか方法がないことを、
日本最大の直下型地震である濃尾地震M8(1891年)と同時代の、大森房吉(1868〜1923年)、中村達太郎(1860〜1942年)、曽禰達蔵(1853〜1937年)、片山東熊(1854〜1917年)、辰野金吾(1854〜1919年)たちは知っていた(辰野金吾は東京駅設計者、片山東熊は赤坂離宮設計者、曽禰達蔵は丸の内の三菱オフィス街の設計者、大森房吉は日本の地震学の父と言われている)。

 しかし、濃尾地震を直接には知らない、次の世代から、現在の建築仕様の「足元固定(緊結)」が始まり、1920年の市街地建築物法で、まず大都市に、そして1950年の建築基準法で、全国に「足元固定(緊結)」が適用された。
  しかし、その市街地建築物法施行直後の関東大震災以降は、東海地方〜関東地方が地震静穏期に入ったので、それほど問題にならなかった。

 しかし、現在の、直下型地震の頻発、地震活動期への移行を考えると、 今回のタイミングを逸してならない。
 大地震が迫るこのタイミングに、「足元フリー構法」を考慮した、建築基準法の耐震基準と耐震仕様の大改定をすべきである。



■足元フリー/固定での「建築構造歴史」

 基礎と建物が緊結される(足元固定)の「耐震」で考えた場合、地震のたびに上がる加速度に対応して耐力アップの法改正をするのでは、際限がない。
 日本列島のように大地震多発地帯で、特に地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法=耐震構法」、すなわち、「地震力の頭打しない構法」では、非常に不経済になるだけでなく構造的に対応できない構法もあり、地震力の上限が予想できない場合には危険ですらある。
 地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」が、地震列島日本において長い歳月の末にようやくたどり着いた、最終的な構法である。そして現代の「免震」はその発展形である。









地震静穏期・地震活動期
繰返す















「足元フリー」へ
プレ免震の時代

(礎石建て構法等の足元フリー構法へ)

「掘立柱」構法から、地震ごとに
「礎石建て」構法に徐々に移行




1923年関東大震災
地震静穏期へ




「足元固定」へ
(足元アンカー構法へ)
1995年阪神大震災
地震活動期へ












「足元フリー」へ
免震の時代へ

(本格的「免震」の時代へ + 足元フリー構法復活へ)


地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
フリー
プレ免震の時代
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
足元
固定
耐震の時代
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
免震の時代
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。



(1) 足元フリーの時代プレ免震の時代) /1920年(市街地建築物法、1950年の建築基準法)まで 
  礎石に載せるだけの建築足元フリー=「プレ免震の時代」は6世紀末から1920〜50年頃まで1300年以上の歴史
  がある。礎石建物は、588年に造営が始まった法興寺(飛鳥寺)が最初といわれる。当初は寺院等に限られていた
  が、江戸時代には民家にも採用されるまで普及した。
  建築の足元フリーのおかげで、以下のような「地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」があり、大地震
  動時にスリップして、 建物への地震入力加速度を低減でき、倒壊・崩壊を免れることができる場合もある

           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
   地動加速度:0gal 80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


足元フリー住宅
(プレ免震)
摩擦係数0.3〜0.4
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
免震スタートして倒壊・崩壊免れる可能性も
(地震入力の頭打ち効果・地震応答低減効果)


(2) 足元固定(緊結)の時代耐震の時代) /1920年(特に1950年の建築基準法)以降
  関東大震災前の1920年に公布された市街地建築物法(1924年設計震度追加)、そして1950年の全国に適用され
  た建築基準法から、建築の足元は基礎に固定(緊結)となった。
  固定になってから、いくらでも地震力が入る。
  地震観測ごとに見直しをすると、「最大級の地震力」が、際限なく上がってしまう。 ⇒ 近年観測地震加速度


             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 

耐震・制震住宅
(耐震等級1)
(足元固定) 

無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■



  【入力値】
 ・足元フリー構法  :地震入力加速度=981gal×摩擦係数地震入力の頭打ち効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震入力加速度=地震加速度


  【応答値/2階建て戸建住宅の2階の場合】
 ・足元フリー構法  :地震応答加速度=981gal×摩擦係数地震応答低減効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震応答加速度=地震加速度×応答倍率(約1.5〜3


  次に、応答値を見ても、足元フリー構法が断然有利である。足元固定(緊結)構法が、2階建て戸建住宅の2階の
  場合応答倍率が約1.5〜3になるに対して、免震(スリップ)した場合の応答倍率は、スウェイ振動のおかげで
  1 に近づく。

  以上のように、免震(スリップ)が始まった場合には、入力+応答の2重の低減効果が得られ、足元フリー
  構法の方が断然有利
である。例えば、足元フリーの摩擦係数が 0.4程度なら、地震入力が 400gal に抑えられる
  だけでなく、応答値も約400galに抑えられる
ということである。足元固定の場合は、例えば地震入力加速度 800gal
  なら
応答倍率1.5倍で、応答値は 1200galになる。 400galに比べて3倍であり、足元フリーの効果によって、
  1/3低減が可能となる。地震入力加速度が大きくなればなるほどその効果は大きくなる


  自然相手であるため地震対応には実は際限が無い。その耐震性アップには「足元固定(緊結)構法」では工法的
  にも限度がある。日本列島のように大地震多発地帯で、地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法
  すなわち「地震力の頭打しない構法」は、非常に不経済になるだけでなく、地震力対応に限度があるため、上限
  が予想できない状態では危険ですらある。



(3) 足元フリーの時代へ免震の時代へ) /1995年(阪神大震災)以降
  阪神大震災、地震活動期に入るとともに、本格的な足元フリーの時代、すなわち、「免震の時代」が始まった
  阪神大震災後の1998年に建築基準法が改正され、平成12年告示第2009号により免震建物が建築確認申請だけ
  で建てられるようになった。
  (1)の時代よりも、画期的に地震力低減化が可能であり、建物の耐震性の軽減化も可能になった。
  性能が、(1)(2)の時代の「建物倒壊崩壊防止」から、「無損傷領域をどれだけ拡げられるか」に移行した


                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性





■「足元フリー構法」と「安全限界加速度=300〜400gal」との整合性

  以上のことから考えるに、現行建築基準法の「耐震基準」の
  建物本体(上部構造)が、地震入力加速度 300〜400galで倒壊崩壊しなければ、それ以上の震度6強〜7の地震が来ても倒壊崩壊しないという、マジックのような話があるとするなら、それは「足元フリー構法」で、且つ、その摩擦係数=0.3〜0.4とする場合である
  実は、1924年改正の市街地建築物法(現行の標準せん断力係数C0=0.2相当設定)当時には、その当時の建物=足元フリー構法での建物地震入力値(地震入力の頭打ち効果)を前提にしていたのかもしれない (石と木の摩擦係数=0.3〜0.4なら、300〜400gal以上は入らない)。
  「礎石建て」構法での、この「地震入力の頭打ち効果」については、下記の、日本の地震学の父と言われる大森房吉の「臺灣地震調査」報告1906年を参照。



■中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾著「木造日本風住家改良構造仕様」1896年

 明治・大正期を代表する建築学者・建築家の中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾の「木造日本風住家改良構造仕様」1896年より

 側石巾壱尺五寸となしたるは激震の際建物の移動するとき土臺の側石又は根石の上を脱去せさる為めに殊に其巾を増加せり側石上面の地盤上に出つること多きに過くる時は震動殊に猛烈なるに際し土臺の側石外に脱去することあるも尚其損害をして軽少ならしめんか為めなり (※原文はカタカナ書き)

 工部大学校(現在の東京大学工学部)第一回生の曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾、第四回生の中村達太郎、 片山東熊以外は建築学会会長を務め(片山東熊は副会長)、辰野金吾 片山東熊 曽禰達蔵は日本を代表する建築家で、辰野金吾は東京駅設計者、片山東熊は赤坂離宮設計者、曽禰達蔵は丸の内の三菱オフィス街の設計者である。また、「家屋耐震構造論」(上編1916年、下編1917年)を著し日本の建築構造学の基礎を築いた佐野利器は、中村達太郎の指導を受けている。
 濃尾地震(1892年)の翌年に「震災予防調査会」が文部省に設置され、その後の庄内地震(1894年)での調査を踏まえて「震災豫防調査會報告 13」1897年 での内容である。
 ここで重要なのは、「足元フリー構法」であり、「側石巾壱尺五寸となしたるは激震の際建物の移動するとき土臺の側石又は根石の上を脱去せさる為めに殊に其巾を増加せり」と書いている。



■大森房吉著「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告1906年

 日本の地震学の父と言われる大森房吉の「臺灣地震調査」報告1906年より

 普通の日本造り家屋は、弱小なる地震動のときは、土台石より辷り動かさるゝこと無ければ、地面に固定せるが如くに振動すれども、 大地震となりて震動激烈なるときは、水平地震力強くして、木造家屋の下底と土台石との間に存する摩軋に超過することあるべく、斯かる場合には家屋は土台石より離れて多少移動すべく、即ち実際に地震の激動の幾分を遮断するの効果あるなり、木造家屋は、その柱が挫折する事なければ、決して全体として転倒せざれば、少しく注意して構造するに於ては、如何なる大地震に際するも倒るゝこと無かるべきなり、明治二十四年の濃尾地震、同二十七年の庄内地震の如き、大地震の震央地にても、存立せる農家ありき (※原文はカタカナ書き)

 この報告で重要なのは、礎石建て(石場建て)等の「足元フリー構法」では、日本史上最大の直下型地震である濃尾地震M8(1891年)震央地にても、存立せる農家ありき」と報告し(おそらく濃尾地震の震央地では、観測史上最大の4022gal以上になっていただろう)、その事実に基づき、「足元フリー構法」では「少しく注意して構造するに於ては、如何なる大地震に際するも倒るゝこと無かるべきなり」と言っていることである。

 前述の、明治・大正期を代表する建築学者・建築家の作成した「木造日本風住家改良構造仕様」1896年での「足元フリー仕様」、また、地震学での第一人者からの、このような報告が1906年当時にあるにもかかわらず、なぜ、1920年以降、建築の足元が固定(緊結)に向かってしまったのか。歴史の謎といわざるを得ない※。


※佐野利器の、その後の日本の建築構造の方向性を決定付けたといってもよい「家屋耐震構造論」下編(1917年)の第六章125頁において、自分の師匠筋に当たる、その時代を代表する錚々たる建築学者・建築家である中村達太郎、曽禰達蔵、片山東熊、辰野金吾、大森房吉の上述の考えを無視し、「足元フリー構法」を「空論」と断じ否定し、これ以降、1300年以上続いた歴史に断絶が生じたと考えられる。



■「足元フリー」と「足元固定(緊結)=耐震」の比較

  「足元固定(緊結)構法」になってから、いくらでも地震力が入る。
  地震観測ごとに見直しをすると、「最大級の地震力」が、際限なく上がってしまう。 ⇒ 近年観測地震加速度

 【入力値】
 ・足元フリー構法  :地震入力加速度=981gal×摩擦係数地震入力の頭打ち効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震入力加速度=地震加速度


  次に、応答値を見ても、「足元フリー構法」が断然有利である。足元固定(緊結)構法が、2階建て戸建住宅の2階の場合応答倍率が約1.5〜3になるに対して、免震(スリップ)した場合の応答倍率は、スウェイ振動のおかげで各階増幅が少なく、1 に近づく(※実大実験説明図25より)。

 【応答値/2階建て戸建住宅の2階の場合】
 ・足元フリー構法  :地震応答加速度=981gal×摩擦係数地震応答低減効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震応答加速度=地震加速度×応答倍率(約1.5〜3


  以上のように、免震(スリップ)が始まった場合には、入力+応答の2重の低減効果が得られ、「足元フリー構法」の方が断然有利である。例えば、足元フリーの摩擦係数が 0.4程度なら、地震入力が 400gal に抑えられるだけでなく、応答値も約400galに抑えられるということである。足元固定の場合は、例えば地震入力加速度 800galなら応答倍率1.5倍で、応答値は 1200galになる。 400galに比べて3倍であり、足元フリーの効果によって、1/3低減が可能となる。地震入力加速度が大きくなればなるほどその効果は大きくなる

  以上の説明の通り、日本列島のように大地震多発地帯で、特に地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法」、すなわち、「地震力の頭打しない構法」は、不経済なだけでなく危険でもある。
 地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」が、地震列島日本が、長い歳月の末にようやくたどり着いた、最終的な構法である

 なお、本格的「免震」は、大地震動(最大級の地震動)時における「建物倒壊崩壊防止」クラスではなく、(建物倒壊崩壊防止性能は当然満たしており)その上の「無損傷」クラスの性能である。


             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 

耐震・制震住宅
(耐震等級1)
(足元固定) 

無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■
(地震力が際限なく入る)■■■■■■■■

           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
   地動加速度:0gal 80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


足元フリー住宅
(プレ免震)
摩擦係数0.3〜0.4
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
免震スタートして倒壊・崩壊免れる可能性も
(地震入力の頭打ち効果・地震応答低減効果)

                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性


地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
固定
耐震
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
プレ免震
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
免震
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。



 以下のグラフは、「足元固定(緊結)構法」と「足元フリー構法」の応答解析比較である。1000gal正弦波入力(0.6秒)、2000gal正弦波入力(0.6秒)、0〜2000galスイープ正弦波入力(0.6秒)での比較である。建物の剛性と減衰定数は実大実験で使用した在来木造2階建て戸建住宅のものである。応答解析計算時には気象庁計測震度計算時と同じ 0.3秒のハイカットフィルターを掛けている。
 「足元フリー構法」は摩擦係数 0.4の場合である。免震としては相当に悪いものであるが、格段の差が出ている。
 下記グラフの、灰色が地震入力加速度、黄色1階、橙色が2階、赤色が屋根階の応答加速度となっている。
 「足元固定(緊結)構法」では、1階は地震入力(灰)と同じ値だが、2階(橙)、屋根階(赤)は地震入力(灰)より増幅している。
 「足元フリー構法」では、1階(黄)、2階(橙)、屋根階(赤)とも、地震入力(灰)より免震効果で小さくなっている。


・ 1000gal正弦波入力(0.6秒)の場合
 「足元固定(緊結)構法」と「足元フリー構法」の、1階同士の比較では約2.5倍、2階(橙)同士、屋根階(赤)同士の比較では約3倍の差となっている (応答加速度に乱れがあるのは過渡振動のためである)。



・ 2000gal正弦波入力(0.6秒)の場合
 「足元固定(緊結)構法」と「足元フリー構法」の、1階同士の比較では約5倍、2階(橙)同士、屋根階(赤)同士の比較では約6倍の差となっている (応答加速度に乱れがあるのは過渡振動のためである)。



・ 0〜2000galスイープ正弦波入力(0.6秒)の場合
 地震入力加速度を大きくしていくと、「足元固定(緊結)構法」の方は、地震入力(灰)=1階に対して、2階(橙)、屋根階(赤)の応答加速度が徐々に大きくなって行くに比べて、「足元フリー構法」の方は、免震が始まった段階で、地震入力(灰)に対して、1階(黄)、2階(橙)、屋根階(赤)の応答加速度はほぼ一定となる (応答加速度に乱れがあるのは過渡振動のためである)。そのため、地震入力加速度が大きくなればなるほど、「足元フリー構法」の地震力低減効果が、さらに大きくなることがわかる。




 さらに、以下は、良い「免震」の場合である。地震入力(灰)に対して、1階(黄)、2階(橙)、屋根階(赤)の応答加速度はほぼ一定で、「足元フリー構法」に比べてさらに小さい。


 以上のように、「足元フリー構法」の方が格段に有利である。また、地震入力加速度が大きくなればなるほど、「足元フリー構法」の方は、応答値が一定なので、その効果はさらに大きくなることがわかる。さらに「免震」は格段に良いことがわかる。



■「プレ免震」と「免震」の比較

 以上のように、地震力低減において、「足元固定(緊結)構法」に比べて「足元フリー構法」が、入力値+応答値の2重の低減効果によって、圧倒的にまさる。
 しかし、過去の時代の「足元フリー構法」(「プレ免震」)には、各種問題があった。それを解決したのが、現代の「免震」である。
 過去の時代の「足元フリー構法」すなわち「プレ免震」と現代の「免震」との違いは、以下に要約される。

1.高い免震性能
 摩擦係数が、0.4程度から0.01程度に
 大地震動(最大級の地震動)時でも、「倒壊・崩壊」しない段階から、「損傷」もしない段階にきている。

2.風対策
 500年に一度の強風時でも、通常の耐震同様に、建物が揺れない、ずれない、浮上がらない「免震」が誕生している ( IAU免震等の一部の免震装置のみ)。

3.免震後
 地震後、「プレ免震」では建物が元の位置に戻らないが、元に戻る「免震」が誕生している ( IAU免震等の一部の免震装置のみ)。



 以下、進んだ「免震」の例としての「IAU免震」の詳細である。 「免震」は既にこの段階にまできている。

 
内   容
上段:Q&A参照項目下段:参照頁
※上段下段ごとに別頁に開きます。 
  IAU免震システムの概要IAU免震システムの概要説明免震 Q & A(入門)
免震−地震から免れるために
地震に対する性能
免震システムの信頼性業界最多の免震建物の実大実験(12回)によって安全性を確認3.1. 実大実験
免震実大実験
免震性能非常に高い免震性能を実現3.0. 免震性能の良し悪し
3.2. 免震効果
IAU型免震の免震性能
免震・制震・耐震の比較制震・耐震に対して、圧倒的な地震に対する性能を実現 1.1. 地震に対する性能
1.2. 風に対する性能
1.3. 建築基準法との適応性等
1.4. 建物自由度・敷地条件・設計工事期間等
1.5. コスト等
免震・制震・耐震の比較
免震・制震・耐震の比較 T
免震・制震・耐震の比較 U
免震・制震・耐震の比較 Q&A
免震・制震・耐震の比較 【要約版】[PDF形式]
長周期地震対応長周期地震に共振しない 3.4. 共振 / 長周期地震
転がり免震支承
想定を超える大地震に対して想定を超える大地震(過大変位)に対して安全性が図られている3.5. 想定を超える大地震に対応
全方位型油圧ダンパー
捩れ抑制地震時の捩れ防止装置がある3.6. 免震時の捩れ
引抜き防止付転がり免震支承
縦揺れに対して地震の縦揺れに対して引抜き防止装置がある3.7. 縦揺れ
引抜き防止付転がり免震支承
地震後の揺れ続け地震後も建物の揺れ続けがない3.8. 地震後の揺れ続け
転がり免震支承 / 全方位型ダンパー
地震後の建物位置ずれ地震後建物の位置ずれがない3.9. 免震後の建物位置ずれ
転がり免震支承 / 全方位型ダンパー
連続地震・余震対応地震後当初の位置に復帰し、連続地震また余震に対応できる3.10. 余震・連続地震対応
転がり免震支承 / 全方位型ダンパー
隣接建物の倒壊に対して隣接建物倒壊による倒れ込みに対して建物に影響がある場合は引抜き防止装置を設ける3.12. 隣接建物倒壊倒れ込み対応
引抜き防止付転がり免震支承
強風対策
風揺れ対策 500年に一度の台風に対して風揺れ抵抗性能を確保のため、
風揺れ固定装置を必要数設置するが、中低層建物の場合は、転がり免震支承の勾配+摩擦の抵抗力で対応可能で不要の場合もあり
4.1. 風揺れ / 4.2. 風揺れ固定装置
風揺れ固定装置
強風時の建物浮上り・回転強風時建物の浮上・回転を検討し、引抜き防止装置を必要数を設置するが、中低層建物の場合は、建物の重さと、転がり免震支承の勾配+摩擦の抵抗力で不要の場合もあり4.3. 強風時の建物の浮き上がり
引抜き防止付転がり免震支承
強風後の建物揺れ続け強風後建物の揺れ続けは当然ない4.4. 強風後の建物揺れ続け
風揺れ固定装置 / 転がり免震支承 / 全方位型ダンパー
強風後の建物位置ずれ強風後建物の位置ずれがない4.5. 強風後の建物位置ずれ
風揺れ固定装置 / 転がり免震支承 / 全方位型ダンパー
その他
洪水・津波対応洪水・津波に建物が浮いて流されるおそれがある場合は引抜き防止装置・風揺れ固定装置を設ける5.水害(洪水・津波)
引抜き防止付転がり免震支承
風揺れ固定装置
万一の不同沈下に対して不同沈下時に建物がずれない対処がされている6.地盤不同沈下対応
転がり免震支承
施工性施工が容易で施工期間が短い11.2. 工事期間

設計期間設計期間が短い11.1. 設計期間

電源不要で全自動電源不要で全自動9.1. 電源不要全自動
電源不要で全自動
耐久性寿命が長い  60年相当の高温劣化加速試験で確認9.2. 耐久性能
耐久性能
メンテナンスメンテナンスが容易
定期的な潤滑油の注油を必要としない
9.3. メンテナンス
維持管理が容易
確認申請だけで建てられる建物範囲等時刻歴応答解析(大臣認定)無しで、確認申請だけで建物が自由に建てられる10.適用範囲(確認申請だけで建てられる建物範囲等)
幅広い適用性 / 多様な平面対応
模様替え増改築対応模様替え増改築等が容易にできる10.5. 間取変更・リフォーム対応 / 10.6. 増改築対応
コスト安い12.価格
コストパフォーマンス
採用会社業界最多の採用会社数13.採用実績
IAU型免震導入会社一覧
IAU型免震資格者一覧
IAU型免震設計資格者を有する設計事務所一覧
免震改修既存建物の免震改修が可能14.免震改修
既存住宅・建物免震改修





【参考】 足元フリー/固定での、建築構造の歴史

●礎石建物は588年から
 礎石建物は、588年に造営が始まった法興寺(飛鳥寺)が最初といわれる。当初は寺院等に限られていたが、江戸時代には民家にも採用されるまで普及した。
 礎石構法が普及した理由は、基本的には、掘立柱建物では柱の土中部分から腐り始めるためで、それを防止できるからであり、加えて地震力低減のためということもあった。

★建物への地震入力加速度の頭打ち効果
 礎石と建物柱等の摩擦係数が 例えば、0.4程度なら、それを超える地震動が来た場合に、滑り出して、建物への入力地震動が、いくら大きな地震でも 約400gal程度までに抑えられる。
 逆にこのような建物への入力加速度の頭打ちがないと、現在のように大きな加速度が観測されるたびに、「建物設計用地震力」の見直しを検討せざるを得なくなる。しかも、耐力アップするには「耐震工法」では限度がある。それに対して、「大地震動(最大級の地震動)」時の建物への地震入力加速度を頭打ちにできることは、最も困難な、この問題を解決する非常に優れた方法である。

★応答倍率も低減
 2階建て建物の2階での地震による応答値を見ても、足元フリー構法が断然有利である。足元固定(緊結)構法が、2階建て戸建住宅の2階の場合応答倍率が約1.5〜3になるに対して、免震(スリップ)した場合の応答倍率は、スウェイ振動のおかげで各階増幅が少なく、1 に近づく。

★入力値+応答値の2重の低減効果
 以上のように、免震(スリップ)が始まった場合には、入力値+応答値の2重の低減効果が得られ、足元フリー構法が、格段に有利となる。例えば、足元フリーの摩擦係数が 0.4程度なら、地震入力が 400gal に抑えられるだけでなく、応答値も約400galに抑えられるということである。足元固定の場合は、例えば地震入力加速度 800galなら応答倍率1.5倍で、応答値は 1200galにもなる。 400galに比べて3倍であり、足元フリーの効果によって、1/3低減が可能となる。地震入力加速度が大きくなればなるほどその効果は大きくなる。

●市街地建築物法・建築基準法から建物が基礎に固定
 関東大震災前の1920年に公布された市街地建築物法(1924年設計震度追加)、そして1950年の全国に適用された建築基準法から、建物が基礎に固定となった。

●2000年告示第2009号により「免震」の法整備
 阪神大震災後の1998年に建築基準法が改正され、2000年(平成12年)告示第2009号により「免震建物」が建築確認申請だけで建てられるようになった。また、「最大級の地震動」に対し、許容応力度計算、すなわち、構造躯体の「無損傷」が求められている。つまり、建物の「崩壊倒壊防止」段階から「損傷防止」段階に発展した。


【足元フリー/固定での、建築構造の歴史】

 昨今、伝統構法の石場建て等の「足元フリー構法」が非常に論議されるようになってきた。
 日本列島のように大地震多発地帯で、特に地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法」、すなわち、「地震力の頭打しない構法」は、不経済なだけでなく危険でもある。そのため、この地震列島日本では、非常に多くの地震に遭遇し、そのたびに甚大な被害を出しながらも、最終的に地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」にたどり着いたものと思われる。 特に地震活動期には「足元フリー構法」は、必要不可欠な構法である。また「免震」はその発展形である。










地震静穏期・地震活動期
繰返す















「足元フリー」へ
プレ免震の時代

(礎石建て構法等の足元フリー構法へ)

「掘立柱」構法から、地震ごとに
「礎石建て」構法に徐々に移行




1923年関東大震災
地震静穏期へ




「足元固定」へ
(足元アンカー構法へ)
1995年阪神大震災
地震活動期へ












「足元フリー」へ
免震の時代へ

(本格的「免震」の時代へ + 足元フリー構法復活へ)


地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
フリー
プレ免震の時代
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
足元
固定
耐震の時代
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
免震の時代
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。



(1) 1920年(市街地建築物法、1950年の建築基準法)まで = 足元フリーの時代(「プレ免震の時代」)
  礎石に載せるだけの建築足元フリー=「プレ免震の時代」は6世紀末から1920〜50年頃まで1300年以上の歴史
  がある。礎石建物は、588年に造営が始まった法興寺(飛鳥寺)が最初といわれる。当初は寺院等に限られていた
  が、江戸時代には民家にも採用されるまで普及した。
  建築の足元フリーのおかげで、以下のような「地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」があり、大地震
  動時にスリップして、 建物への地震入力加速度を低減でき、倒壊・崩壊を免れることができる場合もある

(2) 1920年(特に1950年の建築基準法)以降 = 足元固定の時代
  関東大震災前の1920年に公布された市街地建築物法(1924年設計震度追加)、そして1950年の全国に適用され
  た建築基準法から、建築の足元は基礎に固定(緊結)となった。

  【入力値】
 ・足元フリー構法  :地震入力加速度=981gal×摩擦係数地震入力の頭打ち効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震入力加速度=地震加速度


  固定になってから、いくらでも地震力が入る。
  地震観測ごとに見直しをすると、「最大級の地震力」が、際限なく上がってしまう。 ⇒ 近年観測地震加速度
  次に、応答値を見ても、足元フリー構法が断然有利である。足元固定(緊結)構法が、2階建て戸建住宅の2階の
  場合応答倍率が約1.5〜3になるに対して、免震(スリップ)した場合の応答倍率は、スウェイ振動のおかげで
  1 に近づく(※実大実験説明図25より)。

  【応答値/2階建て戸建住宅の2階の場合】
 ・足元フリー構法  :地震応答加速度=981gal×摩擦係数地震応答低減効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震応答加速度=地震加速度×応答倍率(約1.5〜3


  以上のように、免震(スリップ)が始まった場合には、入力+応答の2重の低減効果が得られ、足元フリー
  構法の方が断然有利
である。例えば、足元フリーの摩擦係数が 0.4程度なら、地震入力が 400gal に抑えられる
  だけでなく、応答値も約400galに抑えられる
ということである。足元固定の場合は、例えば地震入力加速度 800gal
  なら
応答倍率1.5倍で、応答値は 1200galになる。 400galに比べて3倍であり、足元フリーの効果によって、
  1/3低減が可能となる。地震入力加速度が大きくなればなるほどその効果は大きくなる


  自然相手であるため地震対応には実は際限が無い。その耐震性アップには「足元固定(緊結)構法」では工法的
  にも限度がある。日本列島のように大地震多発地帯で、地震活動期に入った場合、「足元固定(緊結)構法
  すなわち「地震力の頭打しない構法」は、地震力対応に限度がある結果、危険であり、非常に不経済でもある。

(3) 1995年(阪神大震災)以降 = 足元フリーの時代(「免震の時代」へ)
  阪神大震災、地震活動期に入るとともに、本格的な足元フリーの時代、すなわち、「免震の時代」が始まった
  阪神大震災後の1998年に建築基準法が改正され、平成12年告示第2009号により「免震建物」が建築確認申請だ
  けで建てられるようになった。
  (1)の時代よりも、画期的に地震力低減化が可能であり、建物本体(上部構造)の耐震性軽減化も可能になった。
  性能が、(1)(2)の時代の「建物倒壊崩壊防止」から、「無損傷領域をどれだけ拡げられるか」に移行した

           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
   地動加速度:0gal 80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


足元フリー住宅
(プレ免震)
摩擦係数0.3〜0.4
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
免震スタートして倒壊・崩壊免れる可能性も
(地震入力の頭打ち効果・地震応答低減効果)

             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 

耐震・制震住宅
(耐震等級1)
(足元固定) 

無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■

                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性





【参考】 足元フリー構法について

 「足元フリー構法」が非常に論議されるようになってきた。そのことについてまとめてみた。
  ⇒ 実大実験映像実大概要) 実大実験映像 実大実験論文 これ木連(1) これ木連(4) 朝日新聞社説

1.建物足元同士の一体性
 建物の足元(木)同士が繋がっており、地震時に滑り出し、浮き上がっても、建物の足元がバラバラにならないような構造になっていること。また建物の足元の平面形状の変形も相当に大きくなる場合があるので平面形状の保持も大切である。

2.個々の足元の摩擦係数の統一性
 木(足元)と石の個々の摩擦係数が全てほぼ同じでないと、何箇所かが相当に大きい摩擦係数であったり、固定されていると(場合によっては設備配管も注意が必要)、そこを中心にねじれたり、その部分が滑らずに建物が引き裂かれて崩壊してしまう可能性がある。一部の、木と石をつなぐホゾ等は厳禁である(ホゾ穴に余裕があっても、大地震動時の変位は最低でも±30cm程度は考える必要はあるので、僅かなホゾ穴の余裕では全く足りない)。このホゾ等がせん断ピン(風揺れ対策)的な扱いであれば、重心近傍の一本か、切断時の合力が重心に集まるか、全てのホゾ等が同じ加速度で切断するか等でないと捩れの原因になる。

3.礎石の大きさ
 礎石の大きさがかなりの大きさ(地震応答変位分以上の寸法の礎石、大地震動時の変位は最低でも±30cm程度は考える必要はあるので柱自体の寸法をプラスしてさらに余裕を見ると約1m)でないと、礎石から外れて、その外側に大きな段差があると、礎石から外れて建物が落ちて崩れてしまう可能性がある(免震の場合は一定以上の応答変位にならないようにストッパー等を設けており、そのストッパーへの衝突を吸収する緩衝装置も設けられている場合もある)。

4.建物周囲のクリアランス
 建物が滑り出して、建物周囲にクリアランスがあるかどうか。例えば、地震時に±30cm※移動したら、建物周囲にクリアランスとして30cm+人間の寸法分が無いと、人間が周りにいると押し潰される(※免震の場合はダンパー等でブレーキをかけるが、ダンパーが無いとそれ以上になる。また一定以上の応答変位にならないようにストッパー等を設けており、そのストッパーへの衝突を吸収する緩衝装置も設けられている場合もある)。

5.強風
 風で動き出さないか、浮き上がらないか。そのために伝統構法では建物特に屋根を重くして浮かないようにまた動き出さないようにしてきた。しかし、この屋根を重くすると、地震に対して弱い構造になるので、耐力壁等が増え、間取拘束をうけ、伝統的な軽快なデザインの特質がなくなる。結局「足元フリーによるプレ免震化」の意味がなくなる。
 軽量建物での「免震」の場合は「風揺れ固定装置」「引抜き(浮上り)防止装置」を設けている。

6.木と石の摩擦係数 1
 現行の建築基準法通りの建物で考えた場合、「最大級の地震動=約300galから400gal程度」までに、スリップ(免震)しないと、建物が倒壊・崩壊する可能性がある。そのために、礎石と建物柱等の摩擦係数を、0.3〜0.4程度にする必要がある。それ以上の摩擦係数の場合は、それに見合った耐震性能にする必要がある。

7.木と石の摩擦係数 2
 この摩擦係数問題は、一番かなめである。現行の「免震装置」では、このために大臣認定制度を取っている。大臣認定で一番かなめは、摩擦係数の安定さである。摩擦係数が0.1違うだけで100galも違うためである(建築基準法通りの建物では、地震入力加速度80〜100galを超えると損傷が始まるので、摩擦係数0.1は建物にとって大きな値である)。また、摩擦係数=0.3〜0.4以下が安定的に得られたとしても、300gal〜400gal程度が建物に入るので、結局、建物本体(上部構造)の耐震性能は、現行の耐震基準と同じものが要求される。

8.地盤調査
 地盤のチェックは非常に重要な要素である。足元フリーにすると、地盤の傾斜で建物がずれ始めるからである。地震時でも地盤の傾斜方向にのみずれてしまう。液状化を起こすともっと極端になる。
 そのため、「免震」の場合は、第1種地盤又は液状化のおそれのない第2種地盤であることの地盤調査が求められている。

9.地震時の性能
 これだけのチェックをして建てる必要があるが、しかし、地震時の性能は、大地震動時に、倒壊・崩壊を免れることができる場合もあるという程度である。そうであっても、「地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」があるのは確かである。

 【入力値】
 ・足元フリー構法  :地震入力加速度=981gal×摩擦係数地震入力の頭打ち効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震入力加速度=地震加速度


 以上の式で明らかなように、足元フリー構法のメリットは足元フリーによる(摩擦係数によって決定される)「地震入力の頭打ち効果」である。足元固定にしてしまえば、足元フリーに比べて「地震力が際限なく入る」ということである。
 また、応答値を見ても、足元フリー構法が断然有利である。足元固定(緊結)構法が、2階建て戸建住宅の2階の場合応答倍率が約1.5〜3になるに対して、免震(スリップ)した場合の応答倍率は、スウェイ振動のおかげで各階増幅が少なく、1 に近づく(※実大実験説明図25より)。

 【応答値/2F戸建住宅の2Fの場合】
 ・足元フリー構法  :地震応答加速度=981gal×摩擦係数地震応答低減効果
 ・足元固定(緊結)構法:地震応答加速度=地震加速度×応答倍率(約1.5〜3


 以上のことから、免震(スリップ)が始まった場合には、入力+応答の2重の低減効果が得られ、足元フリー構法の方が断然有利である。例えば、足元フリーの摩擦係数が 0.4程度なら、地震入力が 400galに抑えられるだけでなく、応答値も約400galに抑えられるということである。足元固定の場合は、例えば地震入力加速度 800galなら応答倍率1.5倍で、応答値は 1200galになる。 400galに比べて3倍であり、足元フリーの効果によって、1/3低減が可能となる。地震入力加速度が大きくなればなるほどその効果は大きくなる。
 なお、本格的「免震」は、大地震動(最大級の地震動)時における「建物倒壊崩壊防止」クラスではなく、(建物倒壊崩壊防止性能は当然満たしており)その上の「無損傷」クラスの性能である。

             震度4〜5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80〜100gal    300〜400gal程度 

 

耐震・制震住宅
(耐震等級1)
(足元固定) 

無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■
(地震力が際限なく入る)■■■■■■■■

           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
   地動加速度:0gal 80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


足元フリー住宅
(プレ免震)
摩擦係数0.3〜0.4
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
免震スタートして倒壊・崩壊免れる可能性も
(地震入力の頭打ち効果・地震応答低減効果)

                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal
 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性


地震入力
上階応答
大地震動時※
足元
固定
耐震
際限なく入る
戸建:1.5〜3倍
高層:数倍  
大地震動を超えると
「倒壊・崩壊」可能性
足元
フリー
プレ免震
頭打ち
1倍に近づく
(免震時)
大地震動を超えても
「崩壊・倒壊」防止も
免震
頭打ち
(100gal以下も)
約1倍
(免震時)
無損傷
          ※建築基準法上の「最大級の地震動」で、建物への入力加速度300〜400gal程度
            建築基準法通りの耐震基準の建物の場合。




10.地震後
 地震後、建物が元の位置に戻らないという問題がある。特に、地盤の不同沈下で傾いているとその傾斜方向にずれることになる。液状化を起こすともっと極端になる。また連続地震の場合には、そのずれた位置から免震が始まるので、大きくずれて隣地境界の塀等に建物がよっている場合はそれ以上免震できなくなる (2回目以降の方が大きい連続地震もある)。また地震後に元の位置に戻す手間がかかる。原点復帰性(復元性)のない「足元フリー構法」の建物が普及した場合、地震後全てずれているということになり、この問題も実は大きい。 ⇒

11.建築基準法「安全限界」の加速度 300〜400galとの関係
 建築基準法の耐震基準の「安全限界」の「大地震動(最大級の地震動)」を 300〜400galに設定し、それ以下の加速度の地震の場合には、「足元フリー構法」の効果はわからない。偶然だが、「足元フリー構法」は、300〜400gal以上の加速度の地震でスリップ(免震)が始まり、効果を発揮するので、300〜400gal以下の地震では効果がわからない。実は、その効果がわかってきたのは、西日本が地震活動期に入ってきた阪神大震災からであり、またそれ以降に観測された地震の最大加速度も、軒並み300〜400galを大きく越えていることから、「足元フリー構法」のメリットの「地震入力の頭打ち効果」が明瞭になってきた

※この「安全限界」の加速度 300〜400galは、関東大震災の被害状況から最終的に決定したと考えられるが、関東大震災までの民家等の建物が「足元フリー構法」であったため、この「足元フリー構法」の「地震入力加速度の頭打ち効果」のため、それ以上の加速度であっても、建物には入らない(そう考えないと、近年観測されている加速度との差が大きすぎる)。そのことによって決定されたとなると、現行の耐震基準の「安全限界」の加速度 300〜400galは、「足元フリー構法」での「地震入力の頭打ち効果」が前提ということになる。
  「礎石建て」構法での、この「地震入力の頭打ち効果」については、下記の、日本の地震学の父と言われる大森房吉の「臺灣地震調査」報告1906年を参照。

大森房吉著 「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告1906年より
  普通の日本造り家屋は、弱小なる地震動のときは、土台石より辷り動かさるゝこと無ければ、地面に固定せるが如くに振動すれども、 大地震となりて震動激烈なるときは、水平地震力強くして、木造家屋の下底と土台石との間に存する摩軋に超過することあるべく、斯かる場合には家屋は土台石より離れて多少移動すべく、即ち実際に地震の激動の幾分を遮断するの効果あるなり、木造家屋は、その柱が挫折する事なければ、決して全体として転倒せざれば、少しく注意して構造するに於ては、如何なる大地震に際するも倒るゝこと無かるべきなり、明治二十四年の濃尾地震、同二十七年の庄内地震の如き、大地震の震央地にても、存立せる農家ありき (※原文はカタカナ書き)


12.「耐震基準引上げ」から
 上記のように、耐震基準における重大問題の発生から、耐震基準(安全限界・損傷限界)引上げを考えた場合、特に地震活動期に入り、地震の加速度が観測される度に上がっている状況からも、耐震性能を上げざるを得ない場合、地震入力の頭打ち効果」「地震応答低減効果」のある「足元フリー構法」・「免震」は、最も経済的で現実的なものである。そして、大地震動(最大級の地震動)時まで「無損傷」を考えるなら、「免震」しか方法はない



【参考】 足元フリー構法に関する重要文献での記載内容

1.中村達太郎 曽禰達蔵 片山東熊 辰野金吾著/野口孫市 設計「木造日本風住家改良構造仕様」 1896年 「震災豫防調査會報告 13」 1897年 十五頁より
側石巾壱尺五寸トナシタルハ激震ノ際建物ノ移動スルトキ土臺ノ側石又ハ根石ノ上ヲ脱去セサル為メニ殊ニ其巾ヲ増加セリ側石上面ノ地盤上ニ出ツルコト多キニ過クル時ハ震動殊ニ猛烈ナルニ際シ土臺ノ側石外ニ脱去スルコトアルモ尚其損害ヲシテ軽少ナラシメンカ為メナリ

2.大森房吉著 「臺灣地震調査」震災豫防調査會報告54号 1906年
第十六編 耐震構造ニ關スル注意、結尾」 一八〇 震動ヲ遮断スルコト
地面ノ震動ノ幾分ヲ遮断シテ家屋ニ伝ハラザラシムルコトヲ得バ甚ダ能ケレドモ、充分ニ此ノ目的ヲ達センコトハ困難ナルベシ、例之バ曾テ「ミルン」教授ガ試ミラレタル如ク、鉄丸ヲ地面ニ並ベ置キテ、其ノ上ニ家屋ヲ建ツルモ都合悪シカルベク、若シ家屋ガ小ナル小屋ナレバ、家屋ハ地震計ノ不動点ノ如クニナリテ感震スルコトスクナカルベキモ、風圧ニ堪エザル等ノ不便アルベシ、之ニ反シテ大ナル家屋トナレバ、重量ノ大ナルガ為ニ、下底ニ於ケル摩軋ヲ増シ、結局普通ノ日本家屋ト異ナラザルベキナリ
普通ノ日本造リ家屋ハ、弱小ナル地震動ノトキハ、土台石ヨリ辷リ動カサルゝコト無ケレバ、地面ニ固定セルガ如クニ振動スレドモ、大地震トナリテ震動激烈ナルトキハ、水平地震力強クシテ、木造家屋ノ下底ト土台石トノ間ニ存スル摩軋ニ超過スルコトアルベク、斯カル場合ニハ家屋ハ土台石ヨリ離レテ多少移動スベク、即チ実際ニ地震ノ激動ノ幾分ヲ遮断スルノ効果アルナリ、木造家屋ハ、ソノ柱ガ挫折スル事ナケレバ、決シテ全体トシテ転倒セザレバ、少シク注意シテ構造スルニ於テハ、如何ナル大地震ニ際スルモ倒ルゝコト無カルベキナリ明治二十四年ノ濃尾地震、同二十七年ノ庄内地震ノ如キ、大地震ノ震央地ニテモ、存立セル農家アリキ」 煉瓦家屋ハ木造ト異ナリ、激震ノ為ニ全体トシテ移動サルルコト無ク、震動強キニ及ベバ、先ヅ上部ヨリ破壊セラルルヲ常トス

3.田辺平学著「耐震建築問答」丸善 1933年
一般の木造の建物に対しては、むしろ土台を基礎に緊結することなく、一種の絶縁構造として建物にある程度までの移動を許し得るようにしておいた方が、骨組の致命的な損傷を避けて人命の危険を救う上から有利である。(杉山英男著「地震と木造住宅」339頁より)

4.日本学術振興会編 佐野利器、田辺平学、他著「建築物耐震構造要項」岩波書店 1943年
土台は一般に腰積に堅固に緊結すべきである。ただし基礎その他に特別の工夫を施し、地震の際に建物に移動を生ずるも危険なきように造った場合は、その限りではない。(杉山英男著「地震と木造住宅」296頁より)

5.杉山英男著「地震と木造住宅」丸善 1996年 297頁より
土台を布基礎に緊結した方がよいかどうかは、耐震的には面白い問題で免震装置などとからめて再検討してもよいと思っている。






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