北海道地方
東北地方
  青森 岩手 宮城 秋田 山形
  福島
関東地方(首都圏)
  茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉
  東京 神奈川 山梨
信越・北陸地方
  新潟 長野 富山 石川 福井
東海地方
  静岡 愛知 岐阜 三重
近畿地方
  滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良
  和歌山
四国地方
  徳島 香川 愛媛 高知
中国地方
  鳥取 島根 岡山 広島 山口
九州・沖縄地方
  福岡 佐賀 長崎 熊本 大分
  宮崎 鹿児島 沖縄







北海道地方
東北地方
  青森 岩手 宮城 秋田 山形
  福島
関東地方(首都圏)
  茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉
  東京 神奈川 山梨
信越・北陸地方
  新潟 長野 富山 石川 福井
東海地方
  静岡 愛知 岐阜 三重
近畿地方
  滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良
  和歌山
四国地方
  徳島 香川 愛媛 高知
中国地方
  鳥取 島根 岡山 広島 山口
九州・沖縄地方
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戸建て住宅クラスでの比較をしますと、
耐震の1階は地震入力同じですが、2階では1.5〜2.5倍程度地震力(加速度)が増幅します。
戸建て住宅クラスによく使われるダンパー型パッシブ制震では、1階では耐震と同じで全く効果がありませんが、2階以上の階でも、地震力(加速度)を地震入力以下にする低減効果はありません。 なお、大手ハウスメーカーの行った実大実験では、2階においても耐震に比べて、制震は地震力(加速度)低減効果は見られませんでした
免震だけが1階2階ともに地震力(加速度)を地震入力以下に低減でき、耐震に比べても顕著な効果を持ちます。

 (この頁の目次)
免震と制震と耐震の比較
建築基準法同等の耐震住宅では、震度6強で倒壊
制震構造と耐震構造の比較−実大実験結果から
IAU型免震と制震と耐震の比較
IAU型免震と制震と耐震の震度比較
免震・制震の機構上の相違と理論的説明
免震・制震・耐震の理論的説明

トピックス
 ☆ 大きな節目の年,耐震基準の引上げへ NEW!
 ☆ 地震発生確率驚異的上昇! NEW!
   政府「全国地震動予測地図」大改定
 ☆ 「免震の時代」の到来
 ☆ 「夢の技術」の実現
 ☆ 地震活動期に入った日本列島
 ☆ 地震活動期の建築基準法の耐震基準案
 ☆ 地震被害0事業でニューディール政策を

 免震・制震・耐震の比較
 免震・制震・耐震の比較 T
 免震・制震・耐震の比較 Q&A
 免震・制震・耐震の比較【要約版】[PDF形式]



200万アクセス突破
(2001年1月〜 I AU HP全体)








 この政策提言の実行によって、有史以来の、日本の「悲願」である「地震に強い日本」が実現し、30年程度という長期間にわたる持続的成長が可能になる。成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよい。また、我が国が最も世界から求められている政策でもある。

 このようなことを実行しなければならないのは、耐震基準における重大問題が発生したからである。

 建築基準法通りの建物が、倒壊等の被害を生じない「安全限界」の地震動(300〜400gal程度)は、長期間にわたって震度6強〜7程度とされてきたが、現行震度階(1996年気象庁震度階改定)では、震度6弱程度だったことが判明した


 ★1996年気象庁震度階改定による旧・新震度階の加速度比較
震度
5弱
5強
6弱
6強
震度階(gal)
25〜80
80〜250
250〜400
400
改定震度階(gal)※1
25〜80
80〜140
140〜250
250450
450〜800
800〜
改定震度階(gal)※2
  〜100
100〜240
240520
520〜830
830〜1500
1500〜

 ※1 周期約0.6秒で数秒間継続した場合の加速度。そのため、実際の加速度は、※2のように大きくなる。
 ※2 内閣府「地震被害想定支援マニュアル」より。




            震度4〜5弱  震度6弱 
   地動加速度:0gal 80〜100gal   300〜400gal程度 

  


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■


            震度5弱        震度6弱・6強 
   地動加速度:0gal 100〜125gal     375〜500gal
程度
 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■


            震度5弱          震度6強 
   地動加速度:0gal  120〜150gal      450〜600gal
程度
 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
  
倒壊・崩壊の可能性■■■■■


                                                           震度7 
   地動加速度:0gal                                            約2400gal
 

免震住宅
( AU免震 )
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性





 以上のように、1996年気象庁震度階の改定により、長年、300〜400gal を、震度6強〜7程度(旧震度階) としてきた建築基準法の「安全限界」は、1996年以降、震度6弱程度に引き下げられていた
 また、超高層建築物の設計用地震動も、以下のように、「安全限界(レベル2)」は震度6弱程度である。


 しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上(下地図の黄・橙・赤色地域)が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた(下表参照)。





30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)



 このような重大問題が発生している。

 今年2010年は、市街地建築物法公布(1920年)から90年、建築基準法公布(1950年)から60年、新耐震基準施行(1981年)から来年で30年、阪神・淡路大震災(1995年)から15年と、大きな節目の年である。
 上記の「安全限界」の問題が連動するのは標準せん断力係数=0.2であり、その概念自体は、関東大震災直後の1924年の「市街地建築物法施行規則改正」以来一貫してきたもので、あと4年で90年となる。現在、国の水準から考えると、見直すべき時期にきている。

 「耐震基準における重大問題」が発生した、このタイミングに、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成を目標に掲げ、第二の建国といってもよい歴史的大事業を実行すべきであろう。
 そして、この大事業のおかげで、25〜30年間は、建設ラッシュとなり、大きな内需拡大につながり、現在の経済不況から脱出できるだけでなく、25〜30年間という持続的経済成長が見込める。

★有史以来の「悲願」である「地震に強い日本」の実現、歴史的大事業
 この事業は、地震被害を根絶する国づくりという、有史以来の「悲願」達成であり、第二の建国といってもよい歴史的大事業になる。有史以来の、この国の夢の実現である。
 そして、我が国は「地震被害を0にできる技術」をすでに持っている。

★過去最大にして非常に長期間にわたる「経済成長政策」
 耐震性アップを行わねばならないその戸数が、既存建物約5000万戸という、あまりに多い戸数のために、非常に長期間にわたる。「国民の命」と直結する問題ゆえに、最優先的に行わねばならない。そのため、過去最大にして非常に長期間にわたり、成熟期の最後に残された最大の「経済成長政策」といってもよいものである。

★建設、未曾有の事態から、現在最も待ち望まれている経済政策
 国土交通省が今年1月に発表した建築着工統計によると、2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸となった。1968年に100万戸を超えてから初めての100万戸割れであり、45年前の水準にまで落ち込んでいる。まさに未曾有の事態であり、今現在においても、最も求められている経済政策といってもよい。

 機は熟した。あとは実行あるのみである。


 【「政策提言」(詳細版)の目次】

 ■はじめに
 ■耐震基準における重大問題の発生
 ■地震非常事態というべき状況
 ■直下型地震+海溝型巨大地震対策
 ■大きな節目の年、耐震基準(安全・損傷限界)引上げへ
 ■有史以来の「悲願」達成、夢の実現へ
 ■姉歯事件以降の問題・混乱も解決へ
 ■最後に、足元フリー構法について








2階建て戸建て住宅クラスでの、免震制震耐震の比較を行います。

以下のグラフのように耐震・制震と、免震とは、全く水準が違うものです。
これは、建築基準法上での扱いが全く違うからです。
すなわち、

耐震・制震稀に発生する地震動=震度5弱(80〜100gal程度)に対して無損傷
      極めて稀に発生する地震動=震度6弱(300〜400gal程度)以上では倒壊・崩壊の可能性
免震   極めて稀に発生する地震動=震度6弱(300〜400gal程度)に対しても無損傷


だからです。 ⇒ 日本各地の震度6弱以上地震発生確率


           震度4〜5弱※4  震度6弱※4
  地動加速度:0gal  80〜100gal※1 300〜400gal程度※1

 


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小〜大
至る
破壊に
可能性
倒壊・崩壊の可能性

           震度5弱※4         震度6弱・6強※4
  地動加速度:0gal  100〜125gal※1※5  375〜500gal
程度※1※5
 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
倒壊・崩壊の可能性

            震度5弱※4            震度6強※4
  地動加速度:0gal  120〜150gal※1※5    450〜600gal
程度※1※5
 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小〜大破
壊に至る
能性
倒壊・崩壊の可能性

                                          震度7※4
  地動加速度:0gal                                
約2400gal※6
 



I A U免震住宅
 

無損傷
損傷の
可能性

   上記加速度(地表面から建物入力加速度)に関して、被害地震の加速度(地表面加速度)は下記の通り。
    1995年阪神淡路大震災(全壊約10万棟)の最大加速度: 818gal (神戸海洋気象台観測の南北方向)
    2004年新潟県中越地震(全壊3175棟)の最大加速度: 2036gal (川口町観測の東西方向)



● 地震力の伝達
以下の比較での「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われる「ダンパー型パッシブ制震」です。

耐震: 地震力が1階にそのまま入り、2階は1階の柱・壁で地震力が増幅します。
制震: 地震力が1階にそのまま入り、2階は1階の柱・壁で地震力が増幅しますが、1階の柱・壁に組み込まれた
    ダンパーでその増幅を抑制することを想定していますが、大手ハウスメーカーの行なった下記実大実験結果
    から、戸建てクラスの「制震」では、ほとんど地震力の低減効果は期待できないということがわかりました。
    つまり、地震力の低減効果では、耐震≒制震ということです。
免震: 地震力を1階下などに設けられた免震装置でカットします。 耐震≒制震に比べて圧倒的な地震力低減効果
    が得られます。
  
 耐震
制震 
免震  
筋かい等により地震に耐える 

  ダンパーにより地震力増幅を低減
  但し、戸建住宅ではほとんど効果無し
  大手ハウスメーカーの実大実験では
  効果見られず


    建物と地面を絶縁
   耐震≒制震に比べて
 圧倒的な地震力低減効果




● 地震・暴風対応比較
免震・制震・耐震の、通常の建物の場合、下表のように、建築基準法の構造設計荷重(許容応力度等計算※1)としての地震力・風圧力も違います(在来木造などの仕様規定もそれに準じています)。 「免震」だけが別格の位置づけになっています

 
耐震住宅
制震住宅
I A U型免震住宅




上部構造
(建物本体)



   中程度の地震動※1
   中程度の暴風※1
   対応
   中程度の地震動※1
   中程度の暴風※1
   対応
   最大級の地震動※1
   最大級の暴風※1
   対応※2



基 礎



   中程度の地震動※1
   中程度の暴風※1
   対応
   中程度の地震動※1
   中程度の暴風※1
   対応
   最大級の地震動※1
   最大級の暴風
※1
   対応



地 盤



   液状化対応無し   液状化対応無し   最大級の地震動※1
   に対する液状化

   対応※3

 ここで
  ・ 「中程度の地震動」とは、 80〜100gal程度※1で、震度4〜5弱※4
  ・ 「最大級の地震動とは、300〜400gal程度※1で、震度6強〜7(国交省 気象庁旧震度/震度6弱気象庁新震度※4)
  ・ 「中程度の暴風」とは、 50年に一度の暴風※1
  ・ 「最大級の暴風とは、500年に一度の暴風※1
 であり、下表のようになります。

 また、「耐震住宅・制震住宅」で、品確法の耐震等級1・2・3の場合でも、上記加速度に対して
  ・ 耐震等級1は、1.00倍※5 ( 80〜100gal=震度4〜5弱※4)
  ・ 耐震等級2は、1.25倍※5 (100〜125gal=震度5弱※4)
  ・ 耐震等級3は、1.50倍※5 (120〜150gal=震度5弱※4)
 であり、下表との差は生じません。

 
耐震住宅
制震住宅
I A U型免震住宅




上部構造
(建物本体)



   震度4〜5弱※1
   50年に一度の暴風※1
   対応
   震度4〜5弱※1
   50年に一度の暴風※1
   対応
   震度6強〜7※1
   500年に一度の暴風
※1
   対応
※2



基 礎



   震度4〜5弱※1
   50年に一度の暴風※1
   対応
   震度4〜5弱※1
   50年に一度の暴風※1
   対応
   震度6強〜7※1
   500年に一度の暴風※1
   対応



地 盤



   液状化対応無し   液状化対応無し   震度6強〜7※1
   に対する液状化

   対応※3


「免震」だけが別格の水準となっています。

すなわち
  耐震・制震住宅は、震度4〜5弱(耐震等級3でも震度5弱)で 「損傷限界」=損傷が始まる段階に至るのに対し、
  免震(IAU免震)住宅は、「最大級の地震動震度6強〜7※4でも 「損傷限界」に至りません
また、最大級の地震動」(加速度300〜400gal程度)では
  免震(AU免震)住宅は、「損傷限界」=損傷が始まる段階にまだ至らない
のに対し、
  耐震・制震住宅は、これを超えた場合、倒壊・崩壊の可能性が出てきます※1。 ⇒ Q&A1   



 ※1  2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書/国土交通省住宅局建築指導課他監修、及び1997年度版建築物の構造規定/建
     設省住宅局建築指導課他監修に基づく。
     最大級の地震動/大地震動=300〜400gal、中程度の地震動/中地震動=80〜100gal となっています。
     「最大級/中程度の暴風」とは、再現期間にして概ね500年/50年に相当する暴風。
     地震対応に対しては、「IAU型免震住宅」「制震住宅」「耐震住宅」共に短期許容応力度内。
     暴風対応に対しては、「IAU型免震建物」は材料強度内、「制震住宅」「耐震住宅」は短期許容応力度内。
     「500年に一度の暴風(=最大級の暴風)」に対しても、IAU型免震建物は風で移動しないことを前提としています。
 ※2 上部構造に関しては、4号建築で構造計算省略の場合を除く。
 ※3 200gal で液状化しない地盤であること。400gal 程度で液状化の可能性がある場合は、必ず地盤改良等を行います。
 ※4  「300〜400gal 程度で、震度6強〜7」は、上記※1の「1997年度版建築物の構造規定」参照。 気象庁震度階に加速度表示がされ
     ていた時期があり、「建築物の構造規定」の1997年度版まではそれによるものと考えられる。 現震度階でも、水平加速度で 約0.6
     秒周期 数秒間継続の場合は、震度7を除けば合致し、震度4:25〜80gal程度、震度5弱:80〜140gal程度、震度5強:140〜
     250gal程度、震度6弱:250〜450gal程度、震度6強:450〜800gal程度、震度7:800gal程度以上。

 ※5  必携 住宅の品質確保の促進等に関する法律/国土交通省住宅局住宅生産課監修 参照。
 ※6  IAU型免震住宅の場合は1994年ノースリッジ地震増幅波では2400gal まで損傷限界以内、すなわち、C0=0.2以内である
     ことを実大実験で確認。 上部構造が C0=0.2以内(無損傷)に納まらない「免震」も世の中にありますのでご注意ください
     ⇒ Q&A5



● 耐震等級1・2・3の耐震・制震住宅が「損傷限界」に達する地震の遭遇回数
例えば、1999年1月1日〜 2008年12月31日の10年間で、東日本地方では各県別に下記回数の、耐震等級1・2・3の耐震・制震住宅が「損傷限界」(損傷が始まる段階)に達する地震(震度4〜5弱以上)がありました。
この結果から推計しますと、震度4〜5弱以上の地震に、
  今後 50年間で、1県あたり平均 278回も遭遇することにもなります。
  今後200年間で、1県あたり平均1112回も遭遇することにもなります。 ⇒ Q&A6
さらに今後、より地震活動が活発化するであろう「地震活動期の日本列島」を考えますと、
200年住宅は勿論、通常の住宅でも「免震」は不可欠なものになっていくものと考えられます。 ⇒ Q&A7

【東日本地方 震度別地震回数表/1999年1月1日〜2008年12月31日/気象庁調べ
 
震度ごとの10年間の回数
震度4以上
10年間
合計
震度4以上
50年間
遭遇回数
震度4以上
200年間
遭遇回数
5弱
5強
6弱
6強
北海道
 88
 4
 
 
 98
 490
1960
青森県
 12
 2
 
 
 16
  80
 320
秋田県
  5
 1
 
 
 
  8
  40
 160
岩手県
 29
 1
 
 34
 170
 680
宮城県
 41
 5
 
 53
 265
1060
山形県
 12
 2
 
 
 
 15
  75
 300
福島県
 30
 4
 
 
 
 35
 175
 700
新潟県
 73
11
100
 500
2000
茨城県
 37
 8
 
 
 
 46
 230
 920
栃木県
 42
 2
 
 
 
 
 44
 220
 880
群馬県
 11
 3
 
 
 
 
 14
  70
 280
埼玉県
 25
 3
 
 
 
 
 28
 140
 560
千葉県
 27
 3
 
 
 
 31
 155
 620
東京都
260
19
 
 
293
1465
5860
神奈川県
 17
 1
 
 
 
 19
  95
 380
10年間平均/県
 47
4.6
2.1
1.2
0.4
0.1
 55
50年間平均/県
236
23
10
0.3
 278
200年間平均
遭遇回数/県
945
92
41
24
1.3
1112




 

政府中央防災会議の調査では、東海地震、東南海地震、南海地震、近畿・中部圏直下型地震、首都直下地震では、広域で震度6強が予測されていますが、
建築基準法同等(品確法の耐震等級1)で建てられた木造の耐震構造の住宅では、震度6強で倒壊の危険性があります
(財)建材試験センターが実施した実大木造住宅振動実験において、建築基準法同等(品確法の耐震等級1)で建てられた耐震構造の住宅は、震度6強で倒壊しました。
(財)建材試験センター中央試験所内に設置している「木質構造建築物の振動試験研究会」(委員長 坂本 功慶応大学教授)が、平成16年から平成18年度にかけて実大木造住宅振動実験を実施した結果、建築基準法同等の、品確法の耐震等級1で建てられた耐震住宅は、阪神淡路大震災で神戸海洋気象台で観測されました震度6強の地震波で倒壊しました。 また耐震等級2でも躯体に相当な被害が出ました。
同実験の報告論文=2005年日本建築学会大会発表論文(講演番号22003)にも 「標準的な仕様で、壁量が建築基準法や品確法の等級1を満たした建物であっても、(中略)兵庫県南部地震のような大地震時に倒壊する危険性を有していることがわかった。」 と記載されています。
 → 木造住宅実験、耐震基準内でも倒壊? 産学研究会(朝日新聞 2006年11月24日)
 → 2005年日本建築学会大会学術講演梗概集 講演番号22001、2200222003〜22013
また、1回の加振実験で倒壊を免れた場合でも、2回目の加振実験で倒壊する場合が多々あります。
 → 2回目加振実験映像(評点1.5≒耐震等級3※) / 在来木造住宅震動台実験の概要 / (防災科学技術研究所)
東海地震クラスの1923年9月の関東大震災M7.9では、(阪神大震災クラスの)M7以上の余震が2日間で5回連続して起こりました(翌年1月まで入れると6回)。 このように余震まで考慮に入れて、数回の加振実験をして耐震性を確認しないと、本当の意味で安全とは言えません。
「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針(案)」/国土交通省






制震構造発売の大手ハウスメーカー2社(M社、D社)が実際の建物を使用した振動実験(実大実験)を行っています。 その実大実験結果から、制震構造は、耐震構造に比べてほとんど加速度(地震力)の低減効果がみられないという結果が得られました。 そのことは下記の日本建築学会論文に発表されています。

・M社の実大実験
M社は、2棟の木質パネル構法建物(A棟:2階建て延床99.4u/B棟:2階建て延床106u)に阪神淡路大震災で最大加速度観測波の神戸海洋気象台観測地震波等を加震して、実大実験を行なっています。
この実験結果から、「加速度については、ほとんど変化が見られなかった」(A棟:下記学会論文講演番号22035)、「全体としては、加速度に与える影響は少ない」(B棟:下記学会論文講演番号22037)ということがわかり、耐震に対して制震はほとんど加速度(地震力)の低減効果が無いということが示されました。

・D社の実大実験
D社は、軽量鉄骨住宅の完全同仕様の耐震棟と制震棟(両棟共に2階建て延床92.7u)とを、世界最大の震動台をもつE-ディフェンス(防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター)の震動台上に建てて、阪神淡路大震災で最大加速度観測波の神戸海洋気象台観測地震波等を加震して、「耐震」と「制震」の厳密な比較実験を行っています。
その結果、「X方向の応答加速度は76回目(の加振)※までは耐震棟と制震棟で目立った差はない」、「Y方向についてはそれほど目立った特徴は無い」(下記学会論文講演番号21285)となっています。 相当な回数の加振(76回以上※の地震波による振動実験)をしない限り、耐震と制震とでは応答加速度に目立った差が出ないという結果になっています。
※この76回という回数は、1回の地震間隔を100年と考えると7600年間、10年と考えたとしても760年となり、一般的な(30〜50年の寿命の)住宅は勿論のこと、200年住宅でも、地震力低減において制震は全く効果が無いということになります。

詳細は、
M社の論文は日本建築学会大会学術講演梗概集2005年9月講演番号22035,22036〜22037
D社の論文は日本建築学会大会学術講演梗概集2007年8月講演番号21284〜21285
に掲載されています。






地震の震度ごとの、 IAU型免震制震耐震の比較を行います。
比較条件は、下記の比較条件をご参照下さい。 ここでの「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われる「ダンパー型パッシブ制震」です。
なお、上記のように、大手ハウスメーカーの行なった実大実験によれば、制震」は、「耐震」に比べてほとんど加速度の低減効果がみられないという結果となっています。 実際には、制震」と「耐震」との差は下記ほども無いと思われます。

● 1階同士の比較  ⇒ 建物全体としての損傷・倒壊の可能性については下記「2階同士の比較」参照
IAU型免震と制震と耐震の、1階同士の震度と加速度の比較を行います。
下表のように、制震は、耐震と全く同じです。 IAU型免震は制震に比べても格段の効果を持ちます。
gal :加速度単位で、重力加速度1Gは、981galです。
地震の震度
1階床面における震度
耐震住宅
制震住宅
IAU型免震住宅
震度4
104gal


156gal
震度5弱
208gal


313gal
震度5強
417gal

521gal

625gal
震度6弱
730gal
 
834gal
 
1042gal
震度6強
1251gal
 
1459gal

1668gal

1876gal
震度7
2084gal

2293gal

2376gal


震度4
104gal


156gal
震度5弱
208gal


313gal
震度5強
417gal

521gal

625gal
震度6弱
730gal

834gal

1042gal
震度6強
1251gal

1459gal

1668gal

1876gal
震度7
2084gal

2293gal

2376gal


震度4
104gal


156gal
震度5弱
208gal


313gal
震度5強
417gal

521gal

625gal
震度6弱
730gal

834gal

1042gal
震度6強
1251gal

1459gal

1668gal

1876gal
震度7
2084gal

2293gal

2376gal


震度4



































184gal

震度5弱

強震動時の応答値比較は以下のようになります。
 
「耐震」 = 「制震」 = 地震入力 >> 「IAU型免震」


● 2階同士の比較 (建物全体としての損傷・倒壊の可能性も示しています)
IAU型免震と制震と耐震の、2階同士の震度と加速度の比較を行います。
下記グラフのように、パネル構法、2×4、在来木造新築(固有周期 0.15秒)の場合ですと、制震は耐震に比べ顕著な効果があるとは言えません。 免震は制震に比べても格段の効果を持ちます。
gal :加速度単位で、重力加速度1Gは、981galです。
地震の震度
2階床面における震度
耐震住宅
制震住宅
IAU型免震住宅
震度4
104gal


156gal
震度5弱
208gal


313gal
震度5強
417gal

521gal

625gal
震度6弱
730gal

834gal

1042gal
震度6強
1251gal

1459gal

1668gal

1876gal
震度7
2084gal

2293gal

2376gal


震度4
150gal
震度5弱
耐震等級1 損傷恐れ※
222gal
耐震等級2 損傷恐れ※
296gal
耐震等級3 損傷恐れ※
震度5強
441gal
震度6弱
585gal

736gal

875gal

1026gal
耐震等級1 倒壊恐れ※

1170gal 震度6強
耐震等級2 倒壊恐れ※
1461gal
耐震等級3 倒壊恐れ※
1758gal 震度7

2056gal

2342gal

2638gal

2791gal

2895gal

2950gal


震度4
121gal


182gal  震度5弱
耐震等級1 損傷恐れ※
242gal
耐震等級2 損傷恐れ※
耐震等級3 損傷恐れ※
362gal 震度5強

486gal
震度6弱
608gal

728gal

850gal

971gal  震度6強
耐震等級1 倒壊恐れ※
1211gal
耐震等級2 倒壊恐れ※
1457gal
耐震等級3 倒壊恐れ※
1700gall  震度7

1943gal

2187gal

2309gal

2504gal

2591gal


震度4


































184gal

震度5弱


※ 2007年度版 建築物の構造関係技術基準解説書/国土交通省住宅局建築指導課他監修、1997年度版建築物の構造規定
  /建設省住宅局建築指導課他監修、及び「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく。
  ★耐震等級1では、建物の応答加速度が、
    200gal≒0.2G(標準せん断力係数C0=0.2以内)を超えると、損傷の可能性。
   1000gal≒1.0G(標準せん断力係数C0=1.0以内)を超えると、倒壊の可能性。
  ★耐震等級2では、建物の応答加速度が、
    250gal≒0.25G(標準せん断力係数C0=0.25以内)を超えると、損傷の可能性。
   1250gal≒1.25G(標準せん断力係数C0=1.25以内)を超えると、倒壊の可能性。
  ★耐震等級3では、建物の応答加速度が、
    300gal≒0.3G(標準せん断力係数C0=0.3以内)を超えると、損傷の可能性。
   1500gal≒1.5G(標準せん断力係数C0=1.5以内)を超えると、倒壊の可能性。

強震動時の応答値比較は以下のようになります。
 
「耐震」 ≒ 「制震」 > 地震入力 >> 「IAU型免震」


【比較条件】
制震は、戸建て住宅クラスで一般的に使われるダンパー型パッシブ制震を想定しています。
免震の加速度は、実大実験での値で、震度はその加速度値(水平2方向)から気象庁計測震度計算を行い、気象庁の震度(水平2方向)を算出しました。
耐震・制震は、数値解析結果で、解析モデルとして、建物の固有周期を耐震・制震ともに 0.15秒とし、減衰定数を耐震の場合は 5% 制震の場合は 15%とし、1質点モデルで時刻歴応答解析での加速度(2階建て建物での2階相当)を水平2方向でまず算出し、気象庁計測震度計算を行い、気象庁の震度(水平2方向)を算出しました。
地震波は、以下の通りです(地震波は、IAU型免震との比較条件を同一にするためにIAU型免震の実大実験で使用したものです)。
・1994年ノースリッジ地震M6.7での、タルザナ観測波の増幅波(EW:114kine NS:1324gal EW:2376gal UD:1435gal NSEW合成:2377gal 3成分合成:2450gal(2.5G)、水平2方向で震度7)から、EW方向を基準にし、EW:5kine・7.5kine・10kine・15kine・20kine・25kine・30kine・35kine・40kine・(以降10kineごとに作成、75kineのみ追加)・・100kine・110kine・114kineまでの波を、EW方向・NS方向共に作成し、応答加速度および震度を求めて比較を行いました( IAU型免震のみ、EW:114kineの実大実験値を使用)。






さらに、過去に強震動を記録した地震波による、2階建て住宅クラスでの、「IAU型免震」と「制震」と「耐震」の2階同士の震度比較を行います。 なお、ここでの「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われる「ダンパー型パッシブ制震」です。
なお、戸建て住宅クラスでは、上記のように、大手ハウスメーカーの行なった実大実験によれば、制震」は、「耐震」に比べてほとんど加速度の低減効果がみられないという結果となっています。 実際には、制震」と「耐震」との差は下記ほども無いと思われます。

「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われるダンパー型パッシブ制震を想定し、解析モデルとして、建物の固有周期を 0.15秒とし、減衰定数を耐震の場合は 5% 制震の場合は 15%として、1質点モデルで時刻歴応答解析での加速度(2階建て建物での2階相当)を水平2方向で算出して気象庁計測震度計算を行い、 2階建て建物の2階での計測震度を計算し気象庁の震度を算出しました。 免震の震度は、水平2方向加振での実大実験の値から算出しました。
地震波は、以下の通りです(地震波は、比較条件を同一にするためにIAU型免震の実大実験で使用したものです)。
・1940年インペリアル・バレー地震M7.1での、エルセントロ観測波(NS:50kine基準化 NS;511gal EW:352gal NSEW合成:525gal)、
・1952年カーンカウンティ地震M7.8での、タフト観測波(NS:50kine基準化 NS;435gal EW:476gal NSEW合成:645gal)、
・1968年十勝沖地震M7.9での、八戸港湾観測波(NS:50kine基準化 NS:348gal EW:287gal NSEW合成:451gal)、
・1995年阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)M7.3での、神戸海洋気象台観測波増幅波(NS;100kine NS;823gal EW:604gal NSEW合成:902gal)、
・東海地震想定波M8.0での、静岡市想定波(NS:;71kine NS:824gal EW:925gal NSEW合成:1042gal)、
・1994年ノースリッジ地震M6.7での、タルザナ観測波増幅波(EW:114kine NS:1324gal EW:2376gal NSEW合成:2377gal)、
・2004年新潟県中越地震最大余震M6.5での、観測史上最大水平加速度を記録しました川口観測波のさらに増幅波(EW:76kine EW;2205gal NS:1755gal NSEW合成:2804gal)、
結果は以下表の通りです。
「IAU型免震」では、いずれの地震波でも震度4になりますが、
「制震」と「耐震」では、ほとんど差が出ない結果となりました
(2階の気象庁震度で、「耐震」が若干大きくなる程度)。 → 耐震と制震との震度比較

地震入力(地面)
建物応答(2階建ての2階)
地震波
計測震度
気象庁震度
構造
計測震度
気象庁震度
1940年インペリアル・バレー地震 M7.1
エルセントロ観測波(NS:50kine基準化 NS;511gal EW:352gal NSEW合成:525gal)
5.7
6弱
耐震
6.1
6強
制震
5.9
6弱
IAU免震
4.4
1952年カーンカウンティ地震 M7.8
タフト観測波(NS:50kine基準化 NS;435gal EW:476gal NSEW合成:645gal)
5.8
6弱
耐震
6.3
6強
制震
6.0
6強
IAU免震
4.4
1968年十勝沖地震 M7.9
八戸港湾観測波(NS:50kine基準化 NS:348gal EW:287gal NSEW合成:451gal)
5.5
6弱
耐震
5.8
6弱
制震
5.7
6弱
IAU免震
4.3
1995年阪神淡路大震災 M7.3
神戸海洋気象台観測波増幅波(NS;100kine NS;823gal EW:604gal NSEW合成:902gal)
6.3
6強
耐震※
6.5
制震
6.4
6強
IAU免震
4.0
東海地震想定波 M8.0
静岡市想定波(NS:;71kine NS:824gal EW:925gal NSEW合成:1042gal)
6.2
6強
耐震
6.9
制震
6.6
4.4
1994年ノースリッジ地震 M6.7
タルザナ観測波増幅波(EW:114kine NS:1324gal EW:2376gal NSEW合成:2377gal)
6.5
耐震
7.1
制震
6.8
4.4
2004年新潟県中越地震 最大余震 M6.5
川口観測波増幅波(EW:76kine EW;2205gal NS:1755gal NSEW合成:2804gal)
6.3
6強
耐震
7.3
制震
6.9
4.3
※ 建築基準法通り(品確法の耐震等級1)で建てられた耐震住宅の場合は、この震度6強の地震波で倒壊しました。(財)建材試験センターが実施した実大木造住宅振動実験において実証。 → 建基法通りの耐震では倒壊
これ以上の地震波では全て倒壊の可能性があります。

以下に、1995年阪神淡路大震災の神戸海洋気象台観測波増幅波(NS;100kine NS;823gal EW:604gal NSEW合成:902gal)での、「耐震」と「制震」と「IAU型免震」の応答加速度も記載します。
この地震波では、2階の応答加速度を、
「IAU型免震」は「耐震」に対して 1/14、 「制震」に対しても 1/13 にしてくれますが、
「制震」は「耐震」に対して 1/1.1 にしかなりません。


地震入力(地面)
建物応答(2階建ての2階)
地震波
NSEW
合成
加速度
計測震度
気象庁震度
構造
NSEW
合成
加速度
計測震度
気象庁
震度
1995年阪神淡路大震災 M7.3
神戸海洋気象台観測波増幅波
(NS;100kine NS;823gal EW:604gal NSEW合成:902gal)
902gal
6.3
6強
耐震
1245gal
6.5
制震
1094gal
6.4
6強
IAU免震
  87gal
4.0
※ 建築基準法通り(品確法の耐震等級1)で建てられた耐震住宅の場合は、この震度6強の地震波で倒壊しました。(財)建材試験センターが実施した実大木造住宅振動実験において実証。 → 建基法通りの耐震では倒壊






戸建て住宅クラスでの「免震」 ・「制震」の比較を、機構上の相違と応答スペクトル※1によって説明します。 なお、ここでの「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われる「ダンパー型パッシブ制震」です。
なお、戸建て住宅クラスでは、大手ハウスメーカーの行なった実大実験によれば、制震」は、「耐震」に比べてほとんど加速度の低減効果がみられないという結果となっています。 実際には、制震」と「耐震」との差は下記ほども無いと思われます。

免震」は、固有周期を伸ばす装置により、固有周期を伸ばして免震させ=地震入力よりも低減させ(下記「加速度応答スペクトル」参照※1)、共振域での共振による増幅を抑えるためにダンパー(下記「加速度応答スペクトル※1」の減衰定数10〜20%参照)を使用しています。 地震入力よりも低減させるという免震効果は、固有周期を伸ばす事によって得られます※2

    免震※2 = 固有周期を伸ばす装置 + ダンパー → 地震入力以下にする効果有り
    制震※3 = ダンパー              → 地震入力以下にする効果無し


戸建て住宅クラスに一般的な「ダンパー型パッシブ制震」は、固有周期を伸ばす装置をもたず、ダンパーのみの使用で(下記「加速度応答スペクトル」の「制震住宅の領域」の減衰定数10〜20%参照※4)、1階の柱壁等の構造によって2階へ伝わる加速度が増幅する現象=共振現象を抑え込むもので、そのために、1階には効果がなく、2階における効果で、またその2階においても、免震のような、地震入力(地面)よりも低減させるという効果は持ちえません。

※1 グラフの横軸が建物または免震システムの固有周期、グラフの縦軸が応答加速度(≒2階建ての場合の2階床面の加速
    度)で、建物の減衰定数(5%〜20%)ごとの固有周期と応答加速度との関係を表しています。 一般の建物、固有周期を
    もつ免震建物の応答加速度を調べるのによく使われるグラフです。

※2 IAU型免震は、非線形の装置のためこの理論では解析できません。
※3 戸建て住宅クラスの「ダンパー型パッシブ制震」
※4 阪神淡路大震災最大加速度観測波である神戸海洋気象台観測波は、断層型地震で且つ第1種地盤での比較的短周期
    の地震波であり、海溝型地震で且つ第2種地盤等の地盤が悪い敷地等では、固有周期が短い建物での「制震」構造の効
    果はもっとなくなります。







戸建て住宅クラスでの免震 ・ 制震 ・ 耐震の比較を応答スペクトルによって説明します。
なお、ここでの「制震」は、戸建て住宅クラスによく使われる「ダンパー型パッシブ制震」です。
なお、戸建て住宅クラスでは、大手ハウスメーカーの行なった実大実験によれば、制震」は、「耐震」に比べてほとんど加速度の低減効果がみられないという結果となっています。 実際には、制震」と「耐震」との差は下記ほども無いと思われます。

下記のグラフは、
(1) 阪神淡路大震災最大加速度(818gal)観測の神戸海洋気象台観測波による応答スペクトル
(2) 1968年十勝沖地震の八戸港湾観測波(75kine基準化 494gal)による応答スペクトル
のグラフです
グラフの横軸が建物または免震システムの固有周期、グラフの縦軸が応答加速度(≒2階建ての場合の2階床面の加速度)で、建物の減衰定数(0%〜20%)ごとの固有周期と応答加速度との関係を表しています。
一般の建物、固有周期をもつ免震建物の応答加速度を調べるのによく使われるグラフです。
※ ただし、IAU型免震は、この共振系(線形)のモデルでは解析できません。

◇減衰定数について
減衰定数0%は、減衰を全く持たない場合、耐震建物は5〜10%程度、10%を超える場合は、制震または免震の場合です。 また免震の場合は大きすぎると地震後建物が元の位置に戻らなくなる問題があります。

◇固有周期について
戸建て住宅クラスの在来木造では0.1秒〜0.2秒程度です(古い建物ほど長くなります。ツーバイフォーまた木質プレハブ(パネル)構法等は硬くて0.1秒程度)。 また大地震時は若干伸びます。
制震は、建物の剛性は変えずにダンパー等の減衰材によって減衰定数を大きくするもので、そのため建物の固有周期はそのままです(厳密には減衰材によって若干は伸びます)。 在来木造の制震では0.1秒〜0.2秒程度です(ツーバイフォーまたパネル構法等は0.1秒程度)。
免震は、少なくとも1秒は超えます(一般的には2秒以上です)。
以下、「耐震」「制震」「免震」の比較をします。



●耐震の場合
耐震の場合の減衰定数を5%で考えますと、
(1) 阪神淡路大震災最大加速度観測の神戸海洋気象台観測波(818gal)の場合
固有周期を0.1秒でみますと、応答加速度が  924galで、地震入力最大加速度 818galに対して 1.13倍増幅がみられます。
固有周期を0.2秒でみますと、応答加速度が 1062galで、 1.30倍増幅がみられます。
固有周期を0.3秒でみますと、応答加速度が 1869galで、 2.28倍増幅がみられます。
固有周期を0.4秒でみますと、応答加速度が 2252galで、 2.75倍増幅がみられます。

(2) 1968年十勝沖地震八戸港湾観測波(75kine基準化 494gal)の場合
固有周期を0.1秒でみますと、応答加速度が  536galで、地震入力最大加速度 494galに対して 1.09倍増幅がみられます。
固有周期を0.2秒でみますと、応答加速度が 1242galで、 2.51倍増幅がみられます。
固有周期を0.3秒でみますと、応答加速度が 1372galで、 2.78倍増幅がみられます。
固有周期を0.4秒でみますと、応答加速度が 1284galで、 2.60倍増幅がみられます。


●制震の場合
制震の場合の減衰定数を15%で考えますと、
(1) 阪神淡路大震災最大加速度観測の神戸海洋気象台観測波(818gal)の場合
固有周期を0.1秒でみますと、応答加速度が  870galで、地震入力最大加速度 818galに対して 1.06倍増幅がみられます。
固有周期を0.2秒でみますと、応答加速度が  962galで、 1.18倍増幅がみられます。
固有周期を0.3秒でみますと、応答加速度が 1364galで、 1.67倍増幅がみられます。
固有周期を0.4秒でみますと、応答加速度が 1323galで、 1.62倍増幅がみられます。
また、固有周期を1.14秒を超えない限り、地震入力加速度よりも低減効果はありません。

(2) 1968年十勝沖地震八戸港湾観測波(75kine基準化 494gal)の場合
固有周期を0.1秒でみますと、応答加速度が  518galで、地震入力最大加速度 494galに対して 1.05倍増幅がみられます。
固有周期を0.2秒でみますと、応答加速度が  954galで、 1.93倍増幅がみられます。
固有周期を0.3秒でみますと、応答加速度が  989galで、 2.00倍増幅がみられます。
固有周期を0.4秒でみますと、応答加速度が  809galで、 1.64倍増幅がみられます。
また、固有周期を1.10秒を超えない限り、地震入力加速度よりも低減効果はありません。


●耐震と制震の比較
(1) 阪神淡路大震災最大加速度観測の神戸海洋気象台観測波(818gal)の場合
耐震に対して制震は応答加速度を
固有周期0.1秒で、0.94
固有周期0.2秒で、0.91
固有周期0.3秒で、0.73
固有周期0.4秒で、0.59倍にします。
固有周期0.1秒の、耐震と制震との比較では、0.94倍、応答加速度が924galと870galでさほど変わらない結果となります。具体的に言いますと、固有周期0.1秒程度の2×4構法・パネル構法等の固い建物ですと、制震効果はあまりみられないということになります。
固有周期0.2秒の建物でも0.91倍程度です。
制震効果が得られるためには、固有周期が0.1秒〜0.2秒ではなく、もう少し長くないと意味がないということです。
つまり、固有周期が0.1秒〜0.2秒の在来木造では制震の効果はあまり期待できないということになります。

(2) 1968年十勝沖地震八戸港湾観測波(75kine基準化 494gal)の場合
耐震に対して制震は応答加速度を
固有周期0.1秒で、0.97
固有周期0.2秒で、0.77
固有周期0.3秒で、0.72
固有周期0.4秒で、0.63倍にします。
固有周期0.1秒の、耐震と制震との比較では、0.97倍、応答加速度が536galと518galでさほど変わらない結果となります。具体的に言いますと、固有周期0.1秒程度の2×4構法・パネル構法等の固い建物ですと、制震効果はあまりみられないということになります。
固有周期0.2秒の建物でも0.77倍程度です。
制震効果が得られるためには、固有周期が0.1秒〜0.2秒ではなく、もう少し長くないと意味がないということです。
つまり、固有周期が0.1秒〜0.2秒の在来木造では制震の効果はあまり期待できないということになります。

(3) 他の地震波による耐震に対する制震の応答加速度低減効果
下記のグラフは、以下のような過去の代表的な地震波の応答スペクトルの計算による、耐震に対する制震の応答加速度低減率を表したものです。 なお、「耐震」は減衰定数 5%、「制震」は減衰定数15%で、上記(1)(2)と同様の条件です。
1968年十勝沖地震での、八戸港湾観測波(NS:75kine基準化 494gal)、
1995年阪神淡路大震災(1995年兵庫県南部地震M7.3)での、神戸海洋気象台観測波(NS:91kine 818gal)、葺合(NS:123kine 802gal)、東神戸大橋(NS:89kine 281gal)、
2003年十勝沖地震 本震での、浦河町(EW:42kine 349gal)、最大余震での浦河町(EW:43kine 493gal)、
2004年新潟県中越地震での、小千谷(EW:125kine 1308gal)、
1940年インペリアル・バレー地震での、エルセントロ(NS:75kine基準化 766gal)、
1994年ノースリッジ地震での、タルザナ(EW:増幅波114kine 2376gal)
これらの地震波から、固有周期が0.1秒〜0.2秒の建物では、耐震の応答加速度に対して0.9倍〜0.8倍程度であり、制震による応答加速度低減効果はあまり期待できないということです。


参考として、同上の地震波による、建物の固有周期を0.15秒での2階建て住宅での「制震」と「耐震」の2階同士の震度比較を行います。
建物の減衰定数を耐震:5% 制震:15%として、1質点モデルで時刻歴応答解析での加速度(2階建て建物での2階相当)を算出して気象庁計測震度計算を行い、 2階建て建物の2階での水平2方向の計測震度を計算し気象庁の震度階を算出しました。
結果は以下の通りです。 計測震度に差があるものもありますが、これらの地震波では、気象庁震度階では「制震」と「耐震」での震度差が出ない結果となっています。

地震入力(地面)
建物応答(2階建ての2階)
地震波
計測震度
気象庁震度階
耐震/
制震
計測震度
気象庁震度階
1968年十勝沖地震
八戸港湾観測波(NS:75kine基準化 494gal)
5.8
6弱
耐震
6.2
6強
制震
6.0
6強
1995年阪神淡路大震災
神戸海洋気象台観測波(NS:91kine 818gal)
6.3
6強
耐震※
6.5
制震
6.5
1995年阪神淡路大震災
葺合(NS:123kine 802gal)
6.1
6強
耐震
6.4
6強
制震
6.2
6強
1995年阪神淡路大震災
東神戸大橋(NS:89kine 281gal)
5.6
6弱
耐震
5.6
6弱
制震
5.6
6弱
2003年十勝沖地震 本震
浦河町(EW:42kine 349gal)
5.5
6弱
耐震
5.8
6弱
制震
5.7
6弱
2003年十勝沖地震 最大余震
浦河町(EW:43kine 493gal)
5.8
6弱
耐震
6.0
6強
制震
6.0
6強
2004年新潟県中越地震
小千谷(EW:125kine 1308gal)、
6.7
耐震
6.9
制震
6.9
1940年インペリアル・バレー地震
エルセントロ(NS:75kine基準化 766gal)
6.0
6強
耐震
6.4
6強
制震
6.2
6強
1994年ノースリッジ地震
タルザナ(EW:増幅波114kine 2376gal)
6.5
耐震
7.2
制震
6.9
※ 建築基準法通り(品確法の耐震等級1)で建てられた耐震住宅の場合は、この震度6強の地震波で倒壊しました。(財)建材試験センターが実施した実大木造住宅振動実験において実証。 → 建基法通りの耐震では倒壊
これ以上の地震波では全て倒壊の可能性があります。

(4) 正弦波による耐震に対する制震の応答加速度低減効果
下記のグラフは、周期0.3秒〜1秒の正弦波の応答スペクトルからの、耐震に対する制震の応答加速度低減率を表したものです。 なお、「耐震」は減衰定数 5%、「制震」は減衰定数15%で、上記(1)(2)(3)と同様の条件です。
正弦波の周期が長いほど、短い固有周期の「制震」は効果を得られず、これらの正弦波の検討からも、固有周期が0.1秒〜0.2秒の建物では、制震による応答加速度低減効果はあまり期待できないということ、また建物の固有周期よりも0.1秒〜0.2秒以上長い周期の地震に対しても期待できないということがわかりました。

(5) 結論
以上のことから、制震は短い固有周期の建物には効果があまり期待できないということです。
制震は固有周期の長い建物には有効ですが(本来、制震は固有周期の長い高層建物用でした)、固有周期の短い低層建物・パネル構法・2×4構法等の建物(特に新築建物)にはあまり有効ではありません(老朽建物は固有周期が伸びますので制震は有効な場合があります)。 そのような建物には、制震の採用よりも、固有周期をより短くする方が、つまりより固くする方が、応答加速度を低減するには効果があります。


●免震の場合
免震の場合の減衰定数5%で考えますと、
(1) 阪神淡路大震災最大加速度観測の神戸海洋気象台観測波(818gal)の場合
固有周期を2秒でみますと、応答加速度が 379galで、地震入力最大加速度 818galに対して 0.46倍にします。
固有周期を3秒でみますと、応答加速度が 167galで、 1/5にします。
固有周期を4秒でみますと、応答加速度が  82galで、1/10にします。

(2) 1968年十勝沖地震八戸港湾観測波(75kine基準化 494gal)の場合
固有周期を2秒でみますと、応答加速度が 398galで、地震入力最大加速度 494galに対して 0.81倍にします。
固有周期を3秒でみますと、応答加速度が 278galで、0.56倍にします。
固有周期を4秒でみますと、応答加速度が 114galで、0.23倍にします。
※ ただし、IAU型免震は、この共振系(線形)のモデルでは解析できません。


●耐震と制震と免震の比較
以上のことから、
耐震も制震も、1階の応答加速度は、地震入力加速度とほぼ同じで、2階の応答加速度は、地震入力加速度よりも上回ります。
免震だけが、1階2階も地震入力加速度に対して低減効果を持ちます



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